そもそも防湿庫は不要!?
カメラ雑誌やWEB情報で「防湿庫」と検索すると、決まり文句のように「カメラのレンズは湿気に弱くカビが生えやすい」とか「カビの除去には高額な修理代が必要」と紹介されていますよね。雑誌などでも、春から夏にかけて防湿庫の特集記事をよく見かけます。初心者の方は、脅されているような気分で萎縮してしまいますよね。
写真歴30年でカビが生えた経験ナシ!
私は、カメラを扱いはじめて30年以上のキャリアがあります。仕事でも使っている状況です。梅雨の季節になると「カビ、カビ、カビ!」と毎年脅されますが「新品購入しレンズでカビが生えたことは一度もありません!」というのがリアルな現実です。
保存方法は、カメラバックに入れた状態で部屋に放置しているずさんなもの。個人的な感想ですが、販売店や業界として商品を販売するための「ポジショントークでは?」と思っています。
カビが生えやすい条件は?
カビは高温多湿を好みます。居住空間で高温多湿の場所といえば、お風呂やトイレなどの水わまりや1階北部屋など日光が当たらない場所ではいでしょうか? しかし、このような場所にカメラやレンズを保管しませんよね。
部屋の中で湿度の高い場所といえば、開かずの間となった押入れの中! いわゆる風水でいう「気が悪い場所」。このような場所は、空気が対流しないので機材を放置するとカビが生えやすくなるのだと思います。
まあ、そのようなレンズは「使わないレンズ」なので、カビが生えたとしても問題ないと思いますけどね。
使用頻度の高い機材はカメラバックに入れたままでOK!?
使用頻度の高いメイン機材は、カメラバックにいれたまま部屋に放置しておくだけで問題ないと思います。カビには栄養源が必要なので、定期的にカメラやレンズ表面に付着した人間由来の油分などを除去すれば必要十分でしょう。
使用頻度の少ないサブ機材の収納場所
メイン機材の保存方法は、今後もカメラバックに入れたまま保存するつもりです。都度、除湿庫から出し入れするのは面倒じゃないですか!
問題は、使用頻度の低いサブ機材です。カラーボックスなどに並べておけばカビは生えませんが、埃の堆積は避けられません。レンズ内部の埃混入も売却時の価値が下がります。個人的には、カビよりもレンズ内部への埃混入を防ぐ「防塵庫」のウエイトが高いかもしれません。
マイクについてじは、湿気により性能が劣化するようなので防湿庫を活用したいですね。
防湿庫=防塵庫として購入検討
前置きが長くなりましたが、ハクバ カメラ防湿庫 E-ドライボックス 85L(KED-85W)を購入しました。この商品はアマゾン限定販売される製品なので、カメラ量販店では扱っていない製品です。メーカー5年保証が付帯します。
除湿庫選びで重視したこと
防湿庫購入時に考慮したこと・・・
▶︎ロクヨンが横置き収納できる
▶︎デットスペースが発生しづらい
▶︎ローコスト
この3点です。
ロクヨンが横収納できる防湿庫は少ない
私が所有している最も高価なレンズ「ロクヨン」を長期収納できることを重視しました。防湿庫には、縦長タイプと幅広タイプがあります。当初は「ロクヨンを立てた状態で保管する」ことを検討しましたが、50L前後の本体サイズの場合、仕切り板をすべて取り外すことになり、実質的にロクヨン収納専用になってしまいます。
そこで幅広タイプを検討。種類は少ないのですが、ハクバ85Lワイドは下段にロクヨン、上段にその他レンズやカメラを収納できます。レンズは縦置きすれば20本ぐらい収納できそうなので、Amazonセール時に購入しました。
HAKUBA カメラ防湿庫85L KED-85Wを紹介
【Amazon.co.jp限定】HAKUBA 防湿庫 E-ドライボックス 85L KED-85W | |
容量 | 85L |
外寸 | W580 × H500 × D350mm |
内寸 | W578 × H460 × D345mm |
重量 | 約17kg |
▲箱から取り出した状態を撮影。本体と付属品が入っていました。本体サイズは想像以上に大きく、本体重量が重くてびっくりしました。2階に設置する場合は、相当な覚悟が必要です。表示部分は、湿度&温度のアナログ式。デジタル表示の製品もありますが、個人的にはアナログ式で問題ありません。扉は強化ガラスでスモーク加工が施されているのでクールな印象です。
▲付属品は、緩衝材2枚、脚4個、電源コード、取り扱い説明書。鍵(ドアキー)が無いぞ・・・
▲鍵(ドアキー)は本体側面にテープ固定されていました。2個付きです。
▲脚部はネジが付いているので本体にねじ込むだけ。水平調整できるのでガタツキを完璧に抑えることができます。
▲本体裏側に湿度を自動で一定に保ってくれるドライユニットが付いています。消費電力は20W。ファンやモーターなどは採用せず、作動音は聞こえません。
▲電源は、着脱式のケーブルを接続します。パソコンや電気機器と同じ形状です。ひと月の電気代は30円前後なので固定費増加も気になりません。
▲ドライユニットの本体側です。ダイヤルで除湿強度を「低・中・高」の3段階で設定できます。赤色LEDが点滅した状態が、除湿ユニットが除湿剤を乾燥させている状態です。LEDが消えると湿度が下がり始めます。
▲本体棚は1段。両端の部品を上下することで高さ調整できます。棚はネジで固定します。
▲問題点を発見。除湿ユニットを棚が干渉します。棚を高く設定することはできません。
▲棚をもっとも高く固定した状態です。
除湿性能は?
ハクバ カメラ防湿庫85Lの除湿方法は「除湿剤方式」を採用しています。中華製品の多くが採用する「ペルチェ方式」と比較すると、除湿変化は緩やかになります。
除湿設定ダイヤルは「中の真ん中」に合わしています。この状態で湿度は40〜45%前後で安定します。扉を開くと湿度が上がり、扉を閉めると数時間かけて再度40〜45%で安定する感覚です。
ペルチェ方式は、スピーディーに除湿できますが、目的は湿度を高精度で保つことではなく「カビを生えさせないこと」なので必要十分でしょう。
容量は?
上段 | カメラ2台、レンズ8本(テレコン2本含む)、可変NDフィルター4枚、マイク3本 |
下段 | レンズ6本(ロクヨン1本含む) |
下段はロクヨンが大部分を占めていますが、奥にレンズ5本を立てた状態で収納しています。70~200mmや100〜400mmレンズを立てた状態で収納できます。ロクヨンがなければ、もっと多くの機材が収納できるはずです。
設置場所は要注意
当初は、地震による転倒を考慮してフローリング直置き想定していました。ところが実際に運用すると収納位置が低すぎ、無理な体勢に違和感を感じました。腰が痛い。
対策としてスチールラックを購入し、設置位置を高くした状態で運用中です。設置位置が25cmどほ高くするだけで、扱いやすさが飛躍的に向上しました。ただし、重量が本体+収納物の合計値になるので30kgオーバーは確実。安価なカラーボックスの上に設置するの不安(危険)なので避けたほうが無難です。
まとめ
当初は「大きすぎるかな?」と思いましたが実際は容量が足りないぐらい。除湿性能については、扉を閉めた状態から40%前後まで下がるまで数時間かかります。湿度が安定するまでの時間はペルチェ式に軍配があがりそうですが、一晩でカビは生えないので必要十分です。電気代が安価な上、乾燥剤式は製品寿命が長いと言われているので、私の年齢になると一生モノになりそうです。
導入当初気になっていた動作音は、まったくというより「無音」なので気になりません。寝室に設置しても問題ないでしょう。とても良い買い物でした。
コメント