【独自検証】DeNoise AIが快適に動くPCスペックは?おすすめのパソコンを紹介

Mac

検証協力:じゃんかすパンダ Text/Photo:ちゃんまさ

ノイズ低減専用ソフト「Topaz DeNoise AI」は、PCへの負担が比較的大きくPCスペックによっては「もうすこし軽快に動いてくれたら・・・」という評判をよく聞きます。

情報が少ない海外ソフトだけに、どのようなPCを購入すれば快適に動作するかわかりませんよね?

というわけで、Topaz DeNoise AIの処理時間を「独自検証」し、PCスペックと処理時間の関係をわかりやすく解説します。

「どこで買えばいいの?」「どんなPCを買えばいいの?」とわからない人でも、コスパ重視の「失敗しないおすすめPC」が必ず見つかるのでチェックしてみてください。

注意:家電量販店で店頭販売しているPCはコスパが悪いのでおすすめしません。記事を読んでいただければ自分に最適なBTOパソコンが見つかるハズです。

PCスペック不足を疑うべき2つのサイン

このような症状が現れたらPCスペック不足のサインです。

  • プレビュー表示が遅い・重すぎる
  • 書き出しに時間がかかる

上記の不満点が気になるならPC買い替えのサインです。

DeNoise AI 快適度診断チェック

まずは、現在お使いのパソコンでTopaz DeNoise AIの「快適度チェック」をおこないましょう。

「Standardモード」を選択して、処理時間を計測します。

  • 書き出し時間が5分以上 → ストレスMAX PC買い替え必至!
  • 書き出し時間が3分以上 → PC買い替え予備軍?
  • 書き出し時間が1分以内 → 快適 
  • 書き出し時間が30秒以内 → 神の領域 ※12万円クラスのPC導入で実現可能

お使いのカメラが2000万画素クラスなら楽々クリアできると思いますが、6000万画素クラスになると一気にハードルが高くなります。

参考までに、ニコンD850の4500万画素の場合、12万円クラスのPCを厳選すれば「Standardモード」で神認定の約4秒で処理できますよ!

DeNoise AIのシステム要件

TopazLabs公式サイトでTopaz DeNoise AIのシステム要件(最小スペック)が公開されています。

Topaz DeNoise AI ※2023年8月現在
最小
CPU IntelまたはAMD
2013年以降に発売されたAVX対応プロセッサー
システムメモリ 12GB(15GB以上推奨)
グラフィックボード NVIDIA GTX 900以上(VRAM:4GB)
AMD Radeon 400以上(VRAM:4GB)
Intel UHD 600以上(システムRAM 12GB)
ディスク

システム要件は「10年前のPCでも動作しそう」と期待が膨らみますが、実際は劇重です!

体験版を試した時点で「重い・遅い・もっさり」の洗礼を浴びるはずです。

PC選びで優先すべき項目

Topaz DeNoise AIのPC依存度
・CPUの重要度 ★★★☆☆
・グラフィックボードの重要度 ★★★★★
・メモリの重要度 ★★★★☆
・SSDの重要度 ★★★☆☆

Topaz DeNoise AIは、運用する過程で「プレビュー」と「画像書き出し」の動作が重くなりがちです。快適に運用するためには「プレビューをにいかに高速表示できるか?」がPC選びの核心になります。

※プレビューの初回表示は時間がかかる傾向です。2回目以降の速度を重視して計測しました。

2回目以降のプレビューの表示時間は、独自検証の結果、グラフィックボードの性能が高いほど高速表示できることが判明しました。NVIDIA GeForce GTX 1660 SUPERとRTX 3060を比較した場合、書き出し時間&プレビュー時間ともにRTX 3060の圧勝です。ピンポイントでコストを投入するなら、グラフィックボードから強化すべきでしょう。

RTX 3060
GPU書き出し時間(TIFF 16Bit)
GTX 1660 SUPER
GPU書き出し時間(TIFF 16Bit)
Standardモード 8秒 45秒
2回目以降のプレビュー 一瞬 一瞬〜最大2秒中盤

メモリは、8GB RAMでは役不足です。6100万画素のデータを扱う時には16GB RAM以上の搭載が望ましいです。また、PhotoshopやLightloomと併用する場合、Photoshopが10GB以上消費することがあり、32GB RAMを搭載しても決して無駄になることはありません。

GPU処理を選択時、CPUはほとんど利用しないので6コア12スレッド以上あれば十分。

SSDは、M.2 MVMe Gen3以上を選択すれば問題ないでしょう。

軽快に動作する推奨CPスペック
  • CPU:Intel Core i5 または Ryzen 5以上
  • グラフィックボード:NVIDIA GeForce RTX 3050以上
  • SSD:500GB 以上
  • メモリ:16GB RAM 以上

このくらいのスペックがあれば「Topaz DeNoise AI」を快適に運用できます。

DeNoise AI 検証

私が現在使用中のRAW現像用PCスペック

  • CPU:AMD Ryzen 5 4500
  • マザーボード:MSI  B550 PRO-VDH WIFI
  • グラフィックボード:NVIDIA GeForce RTX 3060 ※VRAM 12GB
  • SSD:2TB
  • メモリ:32GB RAM
  • 電源:650W 80PLUS

CPUは、世代の古い低スペックですが、6コア12スレットあるのでPhotoshopやLightloom Classicも快適に動作します。グラフィックボードは、ミドルクラスのRTX 3060を選択しました。BTOパソコンなら12万円程度から購入できるコスパ志向のスペックです。

検証1 AMD Ryzen 5 4500+RTX 3060

SONY α7RV(6100万画素)とEOS1DX MarkIII(2010万画素)のRAWデータに、Topaz DeNoise AI処理を施したときの書き出し時間を計測しました。

※書き出し形式は、Photoshopからのインポート&エクスポートで利用するTIFF 16ビットです。

▶︎▶︎ 絶大のGPU処理効果 2回目以降のプレビュー表示も1秒以内で快適動作!

DeNoise
Ver 3.7.2
6100万画素RAW
書き出し時間(TIFF 16Bit)
2010万画素RAW
書き出し時間(TIFF 16Bit)
GPU処理時 CPU処理時 GPU処理時 CPU処理時
Standard 8秒 1分03秒 2秒 未検証
Ciear 36秒 36秒 12秒 未検証
Low Light 12秒 1分10秒 4秒
Severe Noise 5秒 58秒 2秒 未計測
RAW 6秒 1分18秒 2秒 未検証

※2023年8月時点

設定画面で「GPU処理」を選択すると、CPU処理に比べて5〜10倍近く高速に書き出せました。Ryzen 5 4500の性能不足を危惧する人も多いですが、まったく問題ありません。

検証2 AMD Ryzen 5 4500+GTX 1660 SUPER

CPUは、AMD Ryzen 5 4500のまま、グラフィックボードをエントリークラスのGTX 1660 SUPERに換装して再度書き出し時間を計測すると・・・

▶︎▶︎ GPU処理効果は少なく2回目以降のプレビュー表示が気になる時がある

DeNoise
Ver 3.7.2
6100万画素RAW
書き出し時間(TIFF 16Bit)
2010万画素RAW
書き出し時間(TIFF 16Bit)
GPU処理時 CPU処理時 GPU処理時 CPU処理時
Standard 45秒 1分04秒 16秒 未検証
Ciear 38秒 37秒 13秒 未検証
Low Light 55秒 1分13秒 19秒
Severe Noise 43秒 1分00秒 15秒 未計測
RAW 43秒 1分15秒 16秒 未検証

※2023年8月時点

GTX 1660 SUPERは、RAW現像PCの定番グラフィックボードとして紹介されていますが、GPU処理を選択した時、書き出し時間はRTX 3060より格段に遅くなりました。

GTX 1660 SUPERの問題点は、2回目以降のプレビュー表示は概ね快適ですがモードによっては遅くなることがあります。RTX 3060は2回目以降は1秒以内で表示されますが、GTX 1660 SUPERは最大2秒近くかかります。
検証3 AMD Ryzen 7 PRO 4750G(参考値)

最後にAMD Ryzen 7 PRO 4750G(8コア16スレット)で書き出し時間を計測しました。CPU内蔵GPU(Radeon Graphics 8コア)のポテンシャルはいかに?

▶︎▶︎ CPU内蔵GPUでも及第点に収まる場合もあるかも

6100万画素RAW
書き出し時間(TIFF 16Bit)
DeNoise AI
Ver 3.7.2
内蔵GPU処理時 CPU処理時
Standard 19秒 55秒

※2023年8月時点

Ryzen 5 4500+GTX 1660 SUPERより圧倒的に高速動作しました。2回目以降のプレビュー時間も最大1秒なのでサクサクと動作します。

RTX 3060 VRAM 12GB
費用対効果と結論
  • GTX 1660 SUPER → RTX 3060:追い金15,000円〜20,000円で書き出し時間が1/5程度まで短縮可能
結論
▶︎ グラフィックボードの性能がプレビュー表示速度に大きく寄与
▶︎ プレビュー表示速度は画素数が少なってもあまり短縮しない
▶︎ CPU性能はミドルクラスで十分
▶︎ メモリは単独起動時に16GB、Abobe併用時は32GB欲しい
金をかけるならグラフィックボードに投資しろ!

ちゃんまさ監修 おすすめクリエーターPC

Topaz DeNoise AIやRAW現像ソフトを相性と相性の良いパソコンを、独自検証結果を考慮して厳選しました。買うべきパソコンはコレです!

一枚ずつ丁寧に現像する人向けのPCチョイス

Ryzen 5 5500 × GeForce RTX 3060 12GB VRAM

メーカー ツクモBTOパソコン
G-GEARシリーズ
OS Windows 11 Home
CPU AMD Ryzen 5 5500
メモリ 16GB (8GB×2)
グラフィックボード GeForce RTX 3060
12GB VRAM
ストレージ 1TB (NVMe)
価格 134,800円(税込)〜

ツクモ販売ページ▶︎ G-GEAR GA5A-B230/B2

メリット デメリット
・コスパで選ぶならコレ
・Ryzen 5 5500搭載
・RTX 3060 12GB VRAM搭載
・MSI製B550-A 
PRO採用
・80PLUS GOLD電源
・ケースデザインが保守的
・PCIe規格が3.0

最安値モデルはCPUにRyzen 5 4500を採用するモデルが多いですが、このモデルはワンランク上のRyzen 5 5500を搭載。6100万画素RAWデータにアドビAIノイズ処理をおこなった場合の時間は40〜30秒、4500万画素なら25〜15秒を目指せるスペックです。グラフィックボードが12GB VRAM搭載モデルなのでAI画像生成のStable Diffusionも動作します。

マザーボードはB550-A PRO、電源は80PLUS GOLDを採用します。大量書き出ししないことを前提にCPUをチョイスし、性能に妥協することなくコストを低減しました。

数年後、保証が切れた時にCPUをRyzen 5 5600XやRyzen 7 5700Xに交換すれば、延命を図ることができます。

おすすめカスタム
メモリ32GB換装 +12,100円
RTX 4060 / 8GB換装 +11,000円
ID-COOLING製CPUクーラー(SE-224-XTS/静音FAN)+5,500円

RAW現像の大量書き出しも早い

RAW現像&写真編集に最適化されたモデル

Ryzen 5 5600X × GeForce RTX 3060 12GB VRAM

メーカー ツクモBTOパソコン
G-GEARシリーズ
OS Windows 11 Home
CPU AMD Ryzen 5 5600X
メモリ 16GB (8GB×2)
グラフィックボード GeForce RTX 3060
12GB VRAM
ストレージ 1TB (NVMe)
価格 143,800円(税込)〜

ツクモ販売ページ▶︎ G-GEAR GA5A-D230/B
※「カスタム・お見積」ボタンからRTX3060をカスタム選択

メリット デメリット
・高クロックのRyzen 5 5600X搭載
・RTX 3060 12GB VRAM搭載
・MSI製B550-A PRO採用
・80PLUS GOLD電源
・ケースデザインが保守的

私が現在使用中の「Ryzen 5 5600X × GeForce RTX 3060」の組み合わせです。動作が重くなりがちなLigitroom Classicもレスポンス良く作業できます。高クロックのRyzen 5 5600Xを選択することでLigitroom ClassicでRAW現像した6100万画素データ100枚を2分30秒程度で書き出せます。

マザーボードはB550-A PRO、電源は80PLUS GOLDを採用します。

おすすめカスタム
メモリ32GB換装 +12,100円
RTX 4060 / 8GB換装 +8,800円
ID-COOLING製CPUクーラー(SE-224-XTS/静音FAN)+5,500円

RAW現像以外に動画編集も快適作業

レンダリング性能を重視した用途にも対応

Ryzen 7 5700X × GeForce RTX 4060ti 8GB VRAM

メーカー ツクモBTOパソコン
G-GEARシリーズ
OS Windows 11 Home
CPU AMD Ryzen 7 5700X
メモリ 16GB (8GB×2)
グラフィックボード GeForce RTX 4060ti
8GB VRAM
ストレージ 1TB (NVMe)
価格 169,100円(税込)〜

ツクモ販売ページ▶︎ G-GEAR GA5A-D230/B

メリット デメリット
・8コア16スレットのRyzen 7 5700X搭載
・RTX 4060ti 8GB VRAM搭載
・MSI製B550-APRO採用
・80PLUS GOLD電源
・ケースデザインが保守的
・動画重視ならCPUクーラーを強化したい

CPUに8コア16スレットのRyzen 7 5700Xを搭載。CPU単体ではPhotoshopやLightroom Classicの処理はさほど向上しませんが、GeForce RTX 4060tiを組み合わすことで6100万画素RAWデータのAIノイズ処理が30〜20秒、4500万画素が20〜10秒を目指せるスペックです。レンダリング性能重視のDxOソフトウェアや動画書き出しの性能向上を期待できます。

マザーボードはB550-A PRO、電源は80PLUS GOLDを採用します。

おすすめカスタム
メモリ32GB換装 +12,100円
ID-COOLING製サイドフロー式CPUクーラー SE-914-XT-BASIC-V2 
+5,500円

Ryzen 7 5700X × GeForce RTX 4060ti 8GB VRAM

メーカー マウスコンピューター
NEXTGEARシリーズ
OS Windows 11 Home
CPU AMD Ryzen 7 5700X
メモリ 16GB (8GB×2)
グラフィックボード GeForce RTX 4060ti
8GB VRAM
ストレージ 1TB (NVMe)
価格 169,800円(税込)〜

マウスコンピューター販売ページ▶︎ NEXTGEAR JG-A7G60

メリット デメリット
・8コア16スレットのRyzen 7 5700X搭載
・RTX 4060ti 8GB VRAM搭載
・B550チップセット
・水冷CPUクーラー

CPUに8コア16スレットのRyzen 7 5700Xを搭載。CPU単体ではPhotoshopやLightroom Classicの処理はさほど向上しませんが、GeForce RTX 4060tiを組み合わすことで6100万画素RAWデータのAIノイズ処理が30〜20秒、4500万画素が20〜10秒を目指せるスペックです。レンダリング性能重視のDxOソフトウェアや動画書き出しの性能向上が期待できます。

マザーボードはB550、CPUクーラーは水冷式を標準採用します。

おすすめカスタム
メモリ32GB換装 +15,400円

DeNoise AIのよくある質問

普通のPCとクリエーターやゲーミングPCの違いは?

家電量販店で売っている「普通のPC」とクリエーターPCやゲーミングPCは、性能が違います。普通のPCでTopazDeNoise AIを動かすことは、けっこう無理なことなのです。

いわゆる高性能なグラフィックボードの有無が決定的な違いになります。専用グラフィックボードが搭載されていると、動画編集、3Dモデリング、AI画像生成などクリエイディブな作業が快適におこなえるようになります。

CPUメーカーと構成は?

インテル:Core i9 > Core i7 > Core i5 > Core i3
AMD: Ryzen 9 > Ryzen 7 > Ryzen 5 > Ryzen 3

数字が大きくなるほど高性能ですが「価格・消費電力・発熱量」が比例して大きくなります。

グラボ非搭載でも快適に動作する?

Topaz DeNoise AIは、CPUのみで処理することが可能ですが、快適に作業するならグラフィックボードは必須です。

最新のGPU内蔵CPU(RyzenのAPU内蔵CPU)なら、6000万画素でも高速に書き出せます。

メモリは16GBで大丈夫?

Topaz DeNoise AIは、Sharpen AIほどメモリを圧迫するほど使用しない印象です。

  • Topaz DeNoise AIを単独で使用する場合:16GB以上を推奨
  • PhotoshopやLightloomからインポート&エクスポートする場合:32GB以上を推奨
  • メモリ搭載量を増やしても書き出し時間は短縮できません。

PhotoshopやLightloomがメモリを10GB以上消費することがあるので、併用する場合は要注意です。

CPUとグラフィックボード どっちを重視すべき?

Topaz DeNoise AIの処理時間は、グラフィックボード性能が大きく左右します。予算が許す限り、GeForce RTX 3000番台の導入をすすめします。

CPUは、初期設定でGPU処理を選択するため、ほとんど使用しません。実売1万円クラスのAMD Ryzen 5 4500でも十分なポテンシャルを発揮します。

デスクトップとノート どっちがおすすめ?

デスクトップPCは、後からパーツ交換できるメリットがあります。数年後に性能不足を感じた時、グラフィックボードやCPUをアップグレードして延命策が計れます。

ノートPCは、CPU、GPU、メモリがマザーボードにハンダ付けされた製品が多く、物理的にパーツ交換ができません。また、モニター性能が劣悪な場合、正確な色を表示できない別の問題と直面します。

モニター選択自由度が高い点も、デスクトップPCのメリットが大きくなります。

デスクトップPCは周辺機器が別途必要!?

デスクトップPCは、一般的に「モニター、キーボード、マウス」は別売りです。すでにデスクトップPCを運用中で、PC本体だけを買い換える場合は周辺機器を流用できますが、新規購入する場合「+α」の予算が必要です。

 

 

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