【独自検証】Photoshopが快適に動くPCスペックは?おすすめのパソコンを紹介

Mac

検証協力:じゃんかすパンダ Text/Photo:ちゃんまさ

2024年現在、Adobe Photoshopを快適に作業するためのPCスペックは、急速に引き上げられています。

その要因となるAIを活用したノイズ除去やスーパー解像度フィルターは、情報処理をGPU(グラフィックスボード)に任す傾向があり、スペック不足で編集作業に苦労するケースが急増中です。

作業前のノイズ処理に1分以上待たされたらイライラMAXじゃないですか!

このブログ記事では、フォトグラファーに最適なAdobe Photoshop向けPCを購入するときに、絶対におさえるべきポイントとおすすめ商品を紹介します。

検証データに裏付けされた「究極コスパ重視のクリエイティブPCの選び方」を徹底解説していますので、パソコン買い替えに興味のある人は、ぜひチェックしてくださいね。

注意:家電量販店で店頭販売しているPCはコスパが悪いのでおすすめしません。記事を読んでいただければ自分に最適なBTOパソコンが見つかるハズです。

PCスペック不足を疑うべき4つのサイン

このような症状が現れたらPCスペック不足のサインです。

  • AIノイズ除去の処理に3分以上かかる
  • 初期設定画面でGPU支援を選択できない
  • Camera RAWの動作が重い
  • 頻繁にフリーズする

上記の項目が該当したらPC買い替えのサインです。

Photoshop 快適度診断チェック

現在お使いのパソコンでフォトショップの「快適度チェック」をおこないましょう。

Camera RAWの「ノイズ除去」を適用し、処理時間を計測します。

  • 処理時間が5分以上 → ストレスMAX PC買い替え必至!
  • 処理時間が3分以上 → PC買い替え予備軍?
  • 処理時間が1分以内 → 快適 ※12万円クラスのPC導入で実現可能
  • 処理時間が30秒以内 → 神の領域 ※20万円クラスのPC導入で実現可能

2000万画素クラスのRAWデータなら楽々クリアできると思いますが、6000万画素クラスになると一気にハードルが高くなります。

Photoshopのシステム要件

メーカー公式ページから、Photoshopのシステム要件(※Windows)を抜粋しました。

Photoshop ※2025年6月現在 メーカー公式:システム要件ページ
最小 推奨
CPU Multicore Intel®、AMD、または WinARM プロセッサー
システムメモリ 8GB 16GB
AVX AVX2 をサポートする Intel または AMD CPU
SSE SSE 4.2 以上をサポートする Intel または AMD プラットフォーム
グラフィックスカード
  • DirectX 12(機能レベル 12_0以降)をサポートしているGPU
  • 1.5GBのGPUメモリ
  • 7年未満の新しいGPU。製造元のwebサイトにある最新のドライバーを使用してください。7年以上前のGPUはテストしていません。
  • DirectX 12(機能レベル 12_0 以降)をサポートしているGPU
  • 4K以上のディスプレイの場合は 4GBのGPU メモリ
ディスク 10GBのハードディスク空き領域 100GBのハードディスク空き領域
高速内蔵SSD
仮想ディスク用の個別の内蔵ドライブ
インターネット 必要なソフトウェアのライセンス認証、サブスクリプションの検証およびオンラインサービスの利用には、インターネット接続および登録が必要 †

Photoshopのシステム要件は、めちゃくちゃハードルが低い印象ですね。グラフィックボードも10年前のもので動きそう(笑

GPU必須のエフェクトが増加中

Photoshopは、パソコンにGPUが搭載されていないと動作しないフィルターが急増中です。また、GPU支援により高速処理できるフィルターもあります。

GPU支援により高速化できる機能

  • アートボード
  • ぼかしギャラリー ※OpenCL
  • Camera Raw
  • 画像サイズ
  • ぼかし(レンズ)
  • ニューラルフィルター
  • フォーカスの選択
  • 選択およびマスク ※OpenCL
  • スマートシャープ ※OpenCL

GPU支援なしでは動作しない機能

  • 3D
  • 概要
  • フリックパン
  • 油彩
  • 遠近法ワープ
  • レンダリング – フレイム、ピクチャフレームおよびツリー
  • スクラブズーム
  • 滑らかなブラシサイズ変更
NVIDIAで推奨グラフィックボードが紹介
効果 推奨グラフィックボード
・RTX で高速化する「ニューラルフィルター」は、AI のパワーで「写真の復元」などの複雑な調整を実現します。NVIDIA Research の研究に基づくスマートポートレイト フィルター。

・RTX が高速化する「スーパー解像度」は、AI を使用して従来の手法より高品質に画像をアップスケール。

・ぼかしギャラリー、オブジェクト選択、ゆがみ、スマート シャープ、遠近法ワープなど、GPU により高速化される 30 以上の 機能により、写真家やアーティストが画像を簡単に修正や調整することが可能。

GeForce RTX 4050

NVIDIA RTX A1000

NVIDIAとは、世界最大のGPUメーカーです。そのNVIDIAは、Photoshopの推奨グラフィックスカードに「GeForce RTX 4050以上のモデル」を指定しています。

CPUは高性能でも本領を発揮できない

メーカー公式ページで興味深い情報を発見

Adobe公式サイト「Photoshopのハードウェア設定とオペレーティングシステムの最適化 最新更新日:2023年5月24日」のページに記載された情報を引用します。

Photoshopは一般にプロセッサーのコア数が多いほど高速に実行でき、一部の機能ではコア数の増加の効果が他の機能に比べて顕著です。ただし、複数のプロセッサーコアは利点を逓減させます。コアを多く使用するほど、各追加コアから得られる利点が減ります。したがって Photoshop は、4個のコアを持つコンピューターより16個のコアを持つコンピューターで実行したほうが4倍高速に実行できるというわけではありません。ほとんどのユーザーにとって、6個を超えるコアによってもたらされるパフォーマンスの向上はコストに見合うものではありません。

この文章を読み解く限り、Photoshopに最適なCPUは、現状6コアで十分ということ。速さを求めるなら「6コア+クロック周波数が高いもの」が狙い目になります。マルチコア性能を追求しても、本来のポテンシャルを発揮できない可能性があります。

Photoshop 処理時間を検証

私が現在業務用途で使用中のRAW現像用PCスペック

  • CPU:AMD Ryzen 6 5800X
  • マザーボード:ASRock B550M Steel Legend
  • グラフィックボード:NVIDIA GeForce RTX 4070 Ti ※VRAM 12GB
  • SSD:2TB
  • メモリ:32GB
  • 電源:750W 

CPUは、世代の古いスペックですが、8コア16スレットで動作するため、PhotoshopやLightloom Classicでも快適に動作します。グラフィックボードは、ミドルハイクラスのRTX 4070 Tiを選択中です。

検証1 AMD Ryzen 5 4500+GTX 1660 SUPER

SONY α7RV(6100万画素)、NIKON D850(4500万画素)、EOS1DX MarkIII(2010万画素)のRAWデータに、PhotoshopのAIフィルターを適用した時の変換時間を計測しました。

グラフィックボードをエントリークラスのGTX 1660 SUPERに換装して、ノイズ除去の処理時間を計測しました。

▶︎▶︎ GTX 1660 SUPERは相性が悪い!?

GTX 1660 SUPER
GPU支援
SONY α7RIV
6100万画素RAW
NIKON D850
4500万画素RAW
CANON EOS1DX MarkIII
2010万画素RAW
RAWディテール 8秒 5秒 3秒
ノイズ除去 1分58秒 1分06秒 39秒
スーパー解像度 23秒 5秒 3秒

う〜ん、期待外れな印象。新規購入はお勧めしません。

※2023年8月時点

検証2 AMD Ryzen 5 4500+RTX 3080

▶︎▶︎ RTX3080は、GTX1660Sより16倍高速化!

RTX 3080
GPU支援
SONY α7RIV
6100万画素RAW
NIKON D850
4500万画素RAW
CANON EOS1DX MarkIII
2010万画素RAW
RAWディテール 未検証 未検証 未検証
ノイズ除去 15秒 未検証 未検証
スーパー解像度 未検証 未検証 未検証

※2023年8月時点

グラフィックボード最強クラスのRTX 3080 VRAM 16GBで6100万画素RAWデータをノイズ除去すると、RTX 3060の約2倍速い15秒程度で終了しました。GTX 1660 SUPERと比較すると約8倍高速です。Ryzen 5 4500の性能不足も問題ありません。NIKON D850なら10秒以下、 EOS1DX MarkIIIなら一桁秒が狙えるはずです。

ただし、RTX 3080は、10万円台(※2023年8月時点)から購入できますが、速さと引き換えに消費電力が大きくなります。電気代が高騰している昨今、コスパの点ではイマイチな印象です。

検証3 AMD Ryzen 7 PRO 4750G

AMD Ryzen 7 PRO 4750G(8コア16スレット)で変換時間を計測しました。CPUにGPUを内蔵するタイプですね。

CPU単体の性能は、Ryzen 5 4500より2割ほど高速です。内蔵GPU(Radeon Graphics 8コア)のポテンシャルはいかに?

▶︎▶︎ CPU内蔵GPUの性能はPhotoshop AI系フィルターには完全な役不足

RTX 3060
GPU支援
SONY α7RIV
6100万画素RAW
NIKON D850
4500万画素RAW
CANON EOS1DX MarkIII
2010万画素RAW
RAWディテール 10秒 6秒 3秒
ノイズ除去 5分35秒 3分01秒 1分50秒
スーパー解像度 39秒 23秒 12秒

※2023年8月時点

CPU内蔵GPUは、グラフィック性能が低いため、ノイズ除去の処理はGTX 1660 SUPERより2倍以上遅くなりました。設定設定のパフォーマンスを確認すると「GPUは限定的〜」の記載があったため、十分なポテンシャルを発揮できなかった可能性もあります。

家電量販店で販売している大半の製品は、CPU内蔵GPU搭載機だけに、選択候補から外したいですね。

検証4 CPUをAMD Ryzen 5 5600X+RTX 3060

▶︎▶︎ CPUを高クロックタイプに変更

RTX 3060
GPU支援
SONY α7RIV
6100万画素RAW
NIKON D850
4500万画素RAW
CANON EOS1DX MarkIII
2010万画素RAW
RAWディテール 4,2秒 3.1秒 2.0秒
ノイズ除去 29.8秒 16.4秒 10.6秒
スーパー解像度 12.1秒 7.2秒 4.6秒
検証5 Intel core i5 13400K+RTX 3060

▶︎▶︎ Intel CPUはRAWディテールとスーパー解像度が速い

RTX 3060
GPU支援
SONY α7RIV
6100万画素RAW
NIKON D850
4500万画素RAW
CANON EOS1DX MarkIII
2010万画素RAW
RAWディテール 2.9秒 2.3秒 1.4秒
ノイズ除去 29.6秒 16.8秒 10.2秒
スーパー解像度 6.2秒 4.2秒 2.6秒

Intel core i5 13400Kは、Ryzen 5 5600Xと比較するとノイズ除去は同等性能、スーパー解像度が高速になりました。ただし、多用するのはAIノイズ除去なので、コストが高いcore i5 13400Kは不利な印象です。

検証6 AMD Ryzen 5 5600X+RTX 3070

▶︎▶︎ GPUをワンランクアップグレードすると速度向上

RTX 3060
GPU支援
SONY α7RIV
6100万画素RAW
NIKON D850
4500万画素RAW
CANON EOS1DX MarkIII
2010万画素RAW
RAWディテール 3.9秒 2.8秒 1.8秒
ノイズ除去 22.3秒 12.8秒 8.0秒
スーパー解像度 11.2秒 7.1秒 4.2秒

6100万画素のAIノイズ処理が22秒まで短縮されました。

検証7 Intel core i5 13400K+RTX 3080

▶︎▶︎ Intel CPUとハイスペックGPUは速い

RTX 3060
GPU支援
SONY α7RIV
6100万画素RAW
NIKON D850
4500万画素RAW
CANON EOS1DX MarkIII
2010万画素RAW
RAWディテール 2.3秒 2.1秒 1.5秒
ノイズ除去 15.5秒 8.8秒 5.6秒
スーパー解像度 4.8秒 3.4秒 5.6秒

Intel core i5 13400Kは、Ryzen 5 5600Xと比べ、ノイズ除去は同等性能、スーパー解像度が高速な傾向です。ただし、多用するのはAIノイズ除去なので、コストが高いcore i5 13400Kは不利な印象です。

検証8 AMD Ryzen 5 5600X+RTX 4070 Ti

▶︎▶︎ Ryzen 5 5600XでもRTX 4070 Ti装着によりAIノイズ除去が高速化!

RTX 3060
GPU支援
SONY α7RIV
6100万画素RAW
NIKON D850
4500万画素RAW
CANON EOS1DX MarkIII
2010万画素RAW
RAWディテール 3.9秒
ノイズ除去 13.7秒
スーパー解像度 11.2秒

Intel core i5 13400Kと比較すると、RAWディテールやスーパー解像度のタイムが伸びないですが、AIノイズ除去は13秒台になりました。

検証9 AMD Ryzen 7 5800X+RTX 4070 Ti

私の現在のメインPCです。AMD Ryzen 7 5800X+RTX4070 Tiでテストしました。(検証中です)

▶︎▶︎ Ryzen 7 5800XでもRTX 4070 Ti装着によりAIノイズ除去が高速化!

RTX 3060
GPU支援
SONY α7RIV
6100万画素RAW
NIKON D850
4500万画素RAW
CANON EOS1DX MarkIII
2010万画素RAW
RAWディテール 3.7秒
ノイズ除去 13.5秒
スーパー解像度 10.7秒
Ryzen 5 5600X(6コア)と大差ありません。アドビが公言している通り「6コアで十分」ということが検証結果からも確認できました。

Photoshopに最適な真のスペック

  • コア数 = CPUに8コア程度で十分
  • クロック周波数 = シングル性能が高いはど有利 ←重要項目
  • メモリ動作クロック = クロック周波数が高いほど有利(レイテンシは割愛)
  • メモリ容量 = 16GB以上 ←重要項目
  • グラフィックスカード = GeForce RTX 4060以上 ←重要項目

コスパの良いパソコン選びは、CPUは8コア程度に抑えてシングル性能を重視。グラフィックスカードは、CPU内蔵ではなく、独立したGPUを搭載したモデルで「GeForce RTX 4060以上」を搭載していること。

このマシンスペックを選択すれば、今後3年間は安心して使えるマシンが手に入ります。

フォトショップが軽快に動作する推奨CPスペック
  • CPU:Intel Core i5 または Ryzen 5以上
  • グラフィックボード:NVIDIA GeForce RTX 4060以上
  • SSD:500GB 以上
  • メモリ:16GB RAM 以上
費用対効果

優先順位:グラフィックボード >> メモリ >> CPU  SSD

推奨グラフィックボード: RTX 4060 VRAM 8GB

結論
▶︎ RTX4060でAI系フィルターの変換時間が高速化できる
▶︎ CPU性能は6コア程度の高クロックタイプを推奨
▶︎ CPU内蔵GPUはニューラルフィルターの処理には役不足
▶︎ メモリは単独起動時に16GB、プラグイン併用時は32GB欲しい
金をかけるならRTX4060以上のグラフィックボードを購入すべき!

ちゃんまさ監修 おすすめクリエーターPC

BTOパソコンの中でコスパの良いAMD Ryzen 5000番台CPU搭載モデルを軸にセレクトしました。アドビは公式に「6コアCPUが最高のポテンシャルを発揮する」と公表しており、6コアモデル以上の高クロックCPU&グラフィックボード搭載モデルを厳選しました。

また、PhotoshopやLightroom Classicは、AI系エフェクトや書き出し時にGPU支援が動作するため、ミドルクラスのCPU+GPUを組み合わせた高速処理を重視。予算に余裕があるなら最新スペックを導入すれば高速化できますが、カメラ購入等で資金が枯渇気味のフォトグラファーの懐事情も考慮しました。

注意喚起
現在、インテル13・14世代CPUに不具合が見つかり、大問題に発展しています。CPUに不具合が生じた時も、インテルは海外企業なので対応が面倒です。現在、インテル13・14世代CPU搭載機は買い控える状態にあり、AMD Ryzen搭載機の購入を推奨します。

RAW現像&写真編集に最適な基本モデル

2025年6月時点のブログ管理人オススメのBTOパソコンを紹介します。

Ryzen 7 5700X × GeForce RTX 4060

写真現像用PCをハイコスパで購入するなら、Ryzen 7 5700X搭載機が狙い目。

Ryzen 7 5700Xは数世代前のCPUですが、GPUを搭載すればAIノイズ除去も不自由なく処理できるポテンシャルを発揮します。

CPUソケットが旧型のAM4形状のため最新CPU(AM5ソケット)は装着できませんが、GPUを最新型に換装することはできます。Ryzen 7 5700X搭載機は、とても高コスパな仕様と言えます。

※マススコンピューターは、独自にCPU交換やGPU交換すると製品保証が切れ、サポートが受けられなくなります。また、交換作業には専門知識が必要で、トラブルを自己解決する必要があります。

メーカー マウスコンピューター
NEXTGEARシリー
OS Windows 11 Home
CPU AMD Ryzen 7 5700X
メモリ 16GB (8GB×2)
グラフィックボード GeForce RTX 4060
8GB VRAM
ストレージ 1TB (NVMe)
価格 164,800円(税込)〜

マウスコンピューター販売ページ▶︎ NEXTGEAR JG-A7G60

メリット デメリット
・8コア16スレッドのRyzen 7 5700X搭載
・RTX 4060(8GB VRAM)搭載
・背面USB 3.2 Gen2(10Gbps、Type-A・Type-C)搭載
・B550チップセットマザーボード採用
・240mm水冷CPUクーラー標準装備
・3年間センドバック修理保証付き
・ケースファン4基搭載(簡易水冷用の2基を含む)
・750W 80PLUS BRONZE電源搭載
・とくになし

Ryzen 5 4500搭載モデルは、ブログ管理人も過去に使用していましたが2025年時点では古さが隠し切れず、今から新規購入するのはお勧めできません。その点、Ryzen 7 5700X搭載機は、独立したGPUを搭載したモデルであれば、PhotoshopのLightroom Classicの写真編集からHD動画編集まで、不満なく作業できます。

マザーボードはB550チップセット搭載モデルを採用し、電源は750W 80PLUS BRONZE認証を標準搭載します。注目すべきは、CPUクーラーに240mm簡易水冷を標準搭載している点。これにより、ブーストクロックの低下が抑えられるというメリットがあります。

懸念点は、VRAM容量が8GBと少ない点。現時点では問題なくAI処理できますが、近年AIモデルの大容量化しているため、今後足りなくなる恐れ(=GPU処理速度の低下)が予想されます。そのため、このモデルは、導入コストを最優先したい人にオススメの製品になります。

個人的な考えですが、Ryzen 7 5700X搭載機に新規投資すべき金額は、最大20万円までです。それ以上投資できるなら、AMD Ryzen 7 7700Xなどの「AM5ソケット」搭載機を選択すべきだと思います。

Ryzen 7 5700X + GeForce RTX 5060Ti(VRAM16GB)搭載モデル 189,800円(税込)~NEXTGEAR JG-A7G6T

VRAM16GBを搭載するこのモデルを選択すると、今後普及することが考えられる大容量AIモデルをVRAMにコピーでき、GPU処理速度の低下を防げる期待が高まります。コストが許すなら、14,300円の追加料金を捻出して、メインメモリの32GB化もお勧めします。

数年後のカスタムを考慮するならコレ

Ryzen 7 7700X × GeForce RTX 5070

将来性を考慮して写真現像用PCを選ぶなら、AMDの現行ソケット「AM5」に対応したRyzen 7 7700X搭載機が狙い目。CPUが1世代前の中級グレードになりますが、写真現像を高速処理できるポテンシャルを発揮します。

マザーボードがCPUソケット「AM5」であるため、高性能なCPUに交換する「独自カスタム」により、長く使うことができます。

※CPU交換やGPU交換は、製品保証が切れる可能性があります。保証期間終了後のカスタムを推奨します。また、交換作業には専門知識を必要とします。

メーカー ツクモBTOパソコン
G-GEARシリーズ
OS Windows 11 Home
CPU AMD Ryzen 7 7700X
メモリ 32GB (16GB×2)
グラフィックボード GeForce RTX 5070
12GB VRAM
ストレージ 1TB (NVMe)
価格 ¥247,800(税込)〜

ツクモ販売ページ G-GEAR プレミアムミドルタワー GE7A-L251/BH2

メリット デメリット
・8コア16スレッドのRyzen 7 7700X搭載
・RTX 5070(12GB VRAM)搭載
・背面USB 3.2 Gen2x2(20Gbps、Type-Cポート)搭載
・B650チップセットマザーボード採用
・ID-COOLING製ヒートパイプ式CPUクーラー標準装備
・電源クラス定格850W
・1年間保証付き
・1TB Kingston OM8PGP41024Q-A0

PhotoshopやLightroom ClassicからHD動画編集まで、不満なく作業できるスペックです。

マザーボードにはB650チップセット搭載のASUS TUF GAMING B650-PLUS WIFI (ATX)を採用し、SSDは1TB Kingston OM8PGP41024Q-A0を搭載しています。

電源容量は850Wと余裕があり、将来的にグラフィックボードはRTX 5080あたりまで換装できます。

ただし、CPUクーラーは、標準搭載のID-COOLING製でも問題ありませんが、オプションのDeepCool製AK400が1,100円アップで選べるので、私なら迷わずオプション装着します。SSDも、追加料金を3,300円支払い、ランダム速度の速い「すると思います。

最新CPU搭載モデルを購入するならコレ

Ryzen 7 9700X × GeForce RTX 5070 Ti

写真現像用PCの最強クラスを最新CPUで構築するなら、Ryzen 9000番台CPUとnVIDIA製グラフィックボードを搭載したモデルが候補になります。

Ryzen 7 9700X搭載機は、低電力かつオールマイティーに高い性能を発揮します。より高性能なCPUも発売されていますが、PhotoshopやLightroom Classicで使用する限り8コア16スレットで十分であり、用途が写真現像なら速度的に大差ありません。さらに、クラフィックボードにRTX5070Tiを選択すれば、VRAMが16GB搭載されているため大容量AIモデル処理や4K動画編集において、今後5年間は使えるスペック(技術革新がない限り)と言えるでしょう。

CPUソケットが最新型のAM5のため、自作PCの知識があれば、将来CPU交換によりスペックアップを図ることができます。

※CPU交換やGPU交換は、製品保証が切れる可能性があります。保証期間終了後のカスタムを推奨します。また、交換作業には専門知識を必要とします。

メーカー ツクモBTOパソコン
G-GEARシリーズ
OS Windows 11 Home
CPU AMD Ryzen 7 9700X
メモリ 32GB (16GB×2)
グラフィックボード GeForce RTX 5070Ti
16GB VRAM
ストレージ 1TB (NVMe)
価格 ¥299,800(税込)〜

ツクモ販売ページ G-GEAR プレミアムミドルタワー G-GEAR GE7A-M251/BH

メリット デメリット
・8コア16スレッドのRyzen 7 9700X搭載
・80PLUS GOLD認証 CWT製 GPW850S5 (定格850W)
・RTX 5070 Ti(16GB VRAM)搭載
・背面USB 3.2 Gen2x2(20Gbps、Type-Cポート)搭載
・B650チップセットマザーボード採用
・ID-COOLING製ヒートパイプ式CPUクーラー標準装備
・1年間保証付き
・CPUクーラーをランクアップしたい
・1TB Kingston OM8PGP41024Q-A0

PhotoshopやLightroom Classicから4K動画編集まで、不満なく作業できるスペックです。RTX5070Tiは、デュアルエンコーダーを搭載しているので動画編集でもポテンシャルを期待できます。

マザーボードにはB650チップセット搭載のASUS TUF GAMING B650-PLUS WIFI (ATX)を採用。標準電源は80PLUS GOLD認証(定格850W)を搭載し、数年後のカスタムにも対応できます。

ただし、CPUクーラーは、標準搭載のID-COOLING製でも問題ありませんが、オプションのDeepCool製AK400が1,100円アップで選べるので、私なら迷わずオプション装着します。SSDも、4,400円アップでランダムリードアクセスの速いcrucial T500 1TBに変更可能。私なら、この2アイテムをカスタムします。

Photoshopのよくある疑問

流行りのCopilot+ PCは?

CPUにAI専用処理エンジン(NPU)を搭載したパソコンが「Copilot+ PC」として販売中です。一見、PhotoshopのAI系エフェクトが高速処理できそうですが、2024年9月現在では対応していません。

2024年9月時点、Copilot+ PCを購入してもPhotoshop環境ではポテンシャルを発揮できません。

普通のPCとクリエーターPCやゲーミングPCの違いは?

家電量販店で売っている「普通のPC」とクリエーターPCやゲーミングPCは、性能が違います。普通のPCでもPhotoshopは動作しますが、話題のAI系フィルターの処理は想定していません。

CPUメーカーと構成は?

インテル:Core i9 > Core i7 > Core i5 > Core i3
AMD: Ryzen 9 > Ryzen 7 > Ryzen 5 > Ryzen 3

数字が大きくなるほど高性能ですが「価格・消費電力・発熱量」が比例して大きくなります。

インテルならCore i5以上、AMDならRyzen 5以上のCPUを選択すれば問題ありません。

グラフィックスカード非搭載でも動作する?

Photoshopは、CPUのみでも処理できますが、快適に作業するなら独立したグラフィックボードが必須です。

CPUにGPUを内蔵する製品(Intel Iris xe)などは、用途がYoutubeを閲覧する程度ならまったく問題ありませんが、Photoshopや動画編集用途では、要求スペックを満たせません。家電量販店で進められても絶対に買ってはいけません。

メモリは16GBで大丈夫?

とりあえず16GB搭載がマスト。予算があれば32GB、それ以上の搭載は過剰投資になります。

  • Photoshopを単独使用する場合:16GB以上を推奨
  • プラグインでエクスポートする場合:32GB以上を推奨

メモリ8GBで6100万画素のRAWデータを扱うと、速度が極端に遅くなる恐れがあります。Photoshopはメモリを10GB以上消費することがあるので、併用する場合は32GB以上が必須です。

ただし、必要以上増やしても速度向上は見込めません。

CPUとグラフィックボード どっちを重視すべき?

CPUが2世代モデル以内かつ6コア以上のスペックがあれば、グラフィックスボードの購入に予算を投資することをおすすめします。

デスクトップとノート どっちがおすすめ?

デスクトップPCは、後からパーツ交換できるメリットがあります。数年後に性能不足を感じた時、GPUやCPUをアップグレードして延命策が計れます。

ノートPCは、内蔵バッテリーの寿命が製品寿命になるため長期運用は不向きです。

デスクトップPCは周辺機器が別途必要!?

デスクトップPCは、一般的に「モニター、キーボード、マウス」は別売りです。すでにデスクトップPCを運用中で、PC本体だけを買い換える場合は周辺機器を流用できますが、新規購入する場合「+α」の予算が必要です。

 

この記事を書いた人
ちゃんまさ

雑誌編集部勤務を経て、個人制作会社を設立。30年以上にわたり雑誌取材、企業案件、TV番組の撮影・ディレクションに従事。現在はカメラ・レタッチ・動画編集などの実務情報を発信中。
ソニーイメージングプロサポート(SIPS)会員/ニコンプロフェッショナルサービス(NPS)会員。
業務で実際に使用してきた機材をベースに、現場視点で信頼性あるレビューをお届けします。

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