【独自検証】Lightroomが快適に動くPCスペックは?おすすめのパソコンを紹介

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Mac

検証協力:じゃんかすパンダ Text/Photo:ちゃんまさ

RAW現像の定番ソフト「Adobe Lightroom Classic」は、フォトグラファーにとってRAW現像や写真編集に欠かせないソフトですよね。PCへの負担が少ないソフトなので古いパソコンを使い続けている人も多いのではないでしょうか?

ところが、AIを活用したスーパー解像度が搭載された頃から状況が一変。「1枚処理するのに5分以上かかる・・・」という不満の声をよく聞くようになりました。

そこで、最新Lightroom Classicの処理時間を独自検証し、PCスペックと処理時間の関係を調査。どのようなPCスペックがあれば話題の人気機能「RAWディテール・スーパー超解像・ノイズ除去」が軽快に動作するか調べてみました。

「どんなPCを買えばいいの?」や「どこで買えばいいの?」という初心者の方にも、コスパ重視の選び方やおすすめパソコンを紹介しますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

注意:家電量販店で店頭販売しているパソコンはコスパが悪いのでおすすめしません。記事を読んでいただければ自分に最適なBTOパソコンが見つかるハズです。

パソコンのスペック不足を疑うべき5つのサイン

このような症状が現れたらスペック不足のサインです。

  • AIノイズ除去の処理に5分以上かかる
  • 高画素データを扱うと動作がもっさり
  • かすみ除去のスライダー反応が悪い
  • 頻繁にフリーズする
  • 初期設定画面でGPU支援を選択できない
  • Lightroom Classicのバージョン6を使い続けている

上記項目が該当したらパソコン選びの失敗または買い替えサインです。

Lightroom 快適度診断チェック

まずは、現在お使いのパソコンでライトルームクラシックの「快適度チェック」をおこないましょう。

「ノイズ除去」の処理時間を計測します。

  • 処理時間が5分以上 → ストレスMAX PC買い替え必至!
  • 処理時間が3分以上 → PC買い替え予備軍?
  • 処理時間が1分以内 → 快適 ※12万円クラスのPC導入で実現可能
  • 処理時間が30秒以内 → 神の領域 ※20万円クラスのPC導入で実現可能

2000万画素クラスのRAWデータなら楽々クリアできると思いますが、6000万画素クラスになると一気にハードルが高くなります。

参考までに、ニコンD850の4500万画素の場合、12万円クラスのPCを厳選すれば「AIノイズ除去」処理で神認定の10秒前後で処理できるようになりますよ!

Lightroomのシステム要件

メーカー公式ページでLightroom Classicのシステム要件(※Windows)を調べました。

Lightroom Classic ※2023年8月現在 メーカー公式:システム要件ページ
最小 推奨
CPU IntelまたはAMDの64ビットマルチコアプロセッサー
SSE 4.2以降の2GHz以上
システムメモリ 8GB 16GB
GPU DirectX 12以上をサポート
2GBのGPUメモリ
DirectX 12以上をサポート
4GBのGPUメモリ
ディスク 4GBの空き領域があるハードディスク

システム要件は、すごくハードルが低く、グラフィックボードも10年前のもので動きそうな印象ですね。実際は、このスペックのパソコンでは快適な作業はおこなえません!

NVIDIAは、スタジオドライバー紹介ページに推奨グラフィックボードが紹介されています。ミドルクラスのグラフィックボードを推奨していますね。

効果 推奨グラフィックボード
・RTXおよびAI によって高速化される「RAWディテール」で、高解像度のRAW画像のカラーディテールを改善
・RTX対応の「スーパー解像度」は、AIを使用して従来の手法より高品質に画像をアップスケール。
・RTXおよびAIによって「空を選択」と「被写体を選択」機能での、ボタンをクリックだけによる複雑なマスクを簡単かつ高速に作成。
・画像処理がGPUで高速化され、特に4K以上の解像度のディスプレイで、調整時の応答性が劇的に向上。

GeForce RTX 4050

NVIDIA RTX A1000

AI系フィルターの処理時間を検証

私が業務用途で使用中のRAW現像用PCスペック

  • CPU:AMD Ryzen 5 4500
  • マザーボード:MSI  B550 PRO-VDH WIFI
  • グラフィックボード:NVIDIA GeForce RTX 3060 ※VRAM 12GB
  • SSD:2TB
  • メモリ:32GB RAM
  • 電源:650W 80PLUS

※NVIDIA Studio Driverを使用

CPUは、世代の古い低スペックですが、6コア12スレットで動作するため、 Lightroom Classicでも快適に動作します。グラフィックボードは、ミドルクラスのRTX 3060 VRAM 12GBを選択。

BTOパソコンなら12万円程度から購入できるコスパ志向のスペックです。

検証1 AMD Ryzen 5 4500+GTX 1660 SUPER

SONY α7RV(6100万画素)、NIKON D850(4500万画素)、EOS1DX MarkIII(2010万画素)のRAWデータに、Lightroom ClassicのAIフィルターを適用した時の変換時間を計測しました。

グラフィックボードをエントリークラスのGTX 1660 SUPERに換装して、ノイズ除去の処理時間を計測しました。

▶︎▶︎ GTX 1660 SUPERは相性が悪い!?

GTX 1660 SUPER
GPU支援
SONY α7RIV
6100万画素RAW
NIKON D850
4500万画素RAW
CANON EOS1DX MarkIII
2010万画素RAW
RAWディテール  15秒 10秒 7秒
ノイズ除去 2分05秒 1分12秒 46秒
スーパー解像度 30秒 21秒 14秒

う〜ん、期待外れな印象。新規購入するのはお勧めしません。グラフィックボードは、GeForce RTX 4050以上を購入するのが間違いなさそうです。

※2023年8月時点

検証2 AMD Ryzen 5 4500+RTX 3060

▶︎▶︎ RTX 3060装着でAI系フィルター変換時間が大幅短縮できる

RTX 3060
GPU支援
SONY α7RIV
6100万画素RAW
NIKON D850
4500万画素RAW
CANON EOS1DX MarkIII
2010万画素RAW
RAWディテール 10秒 5秒 4秒
ノイズ除去 36秒 23秒 17秒
スーパー解像度 16秒 10秒 6秒

※2023年8月時点

RTX 3060を装着してGPU支援を選択するとノイズ除去の処理時間が大幅短縮。GTX 1660 SUPERより4倍近く高速です。

Ryzen 5 4500の性能不足を危惧する人も多いですが、まったく問題ありません。

検証3 AMD Ryzen 7 PRO 4750G

最後にAMD Ryzen 7 PRO 4750G(8コア16スレット)で処理時間を計測しました。CPUにGPUを内蔵するタイプですね。

CPU単体の性能は、Ryzen 5 4500より2割ほど高速です。内蔵GPU(Radeon Graphics 8コア)のポテンシャルはいかに?

▶︎▶︎ CPU内蔵GPUの性能は AI系フィルターの処理には完全な役不足

RTX 3060
GPU支援
SONY α7RIV
6100万画素RAW
NIKON D850
4500万画素RAW
CANON EOS1DX MarkIII
2010万画素RAW
RAWディテール 20秒 11秒 8秒
ノイズ除去 5分33秒 3分01秒 1分53秒
スーパー解像度 46秒 29秒 19秒

※2023年8月時点

CPU内蔵GPUは、グラフィック性能が高くないため、ノイズ除去の処理はGTX 1660 SUPERよりも2倍以上遅くなりました。

家電量販店で販売している大半の製品は、CPU内蔵GPU搭載機なので「RAWディテール・スーパー超解像・ノイズ除去」の処理時間を重視するなら、選択候補から外したいですね。

パソコン選びで優先すべき項目

 Lightroom ClassicのPC依存度 ※AI処理を重視
・CPUの重要度 ★★★☆☆
・グラフィックボードの重要度 ★★★★★
・メモリの重要度 ★★★★★
・SSDの重要度 ★★★☆☆

Lightroom Classicは「いかにAI系フィルターで高速処理できるか?」がパソコンの選び方の核心になります。

「RAWディテール・スーパー超解像・ノイズ除去」の処理時間を独自検証すると、NVIDIA GeForce GTX 1660 SUPERとRTX 3060を比較した場合、変換時間に4倍の差が現れることが判明しました。予算に限りがあるなら高性能なグラフィックボードに集中投資するのが得策です。CPU内蔵GPUは、Lightroom ClassicのAI系フィルターには荷が重すぎる結果でした。

メモリは、8GB RAMでは役不足です。6100万画素のデータを扱う時には16GB RAM以上の搭載が望ましいです。Lightroom Classic単体で10GB以上消費することがあり、プラグインソフトにエクスポート&インポートするなら32GB RAMを搭載しても決して無駄になることはありません。

CPUは6コア12スレッド以上あれば十分。

SSDは、M.2 MVMe Gen3以上を選択すれば問題ないでしょう。

Lightroom Classicが軽快に動作する推奨CPスペック
  • CPU:Intel Core i5 または Ryzen 5以上
  • グラフィックボード:NVIDIA GeForce RTX 3050以上
  • SSD:500GB 以上
  • メモリ:16GB RAM 以上
RTX 3060 VRAM 12GB
LightroomはPhotoshopより動作が重い!?

併用する機会が多いLightroom ClassicとPhotoshopですが、動作の印象はLightroom Classicが若干重く感じます。「RAWディテール・スーパー超解像・ノイズ除去」の処理時間も、Photoshopより長くなります。

軽快さを重視するならCPU、処理時間を重視するならクラフィックボードの性能をワンランクアップするのも有効です。ただし、同時にPhotoshopの性能も向上するので、同じ感覚に仕上げることはできません。

費用対効果

優先順位:グラフィックボード  メモリ >> CPU  SSD

推奨グラフィックボード: RTX 3060 VRAM 12GB以上

結論
▶︎ RTX3060でAI系フィルターの変換時間が高速化できる
▶︎ CPU性能はミドルクラスで十分
▶︎ CPU内蔵GPUはAI系フィルターの処理には役不足
▶︎ メモリは単独起動時に16GB、プラグイン併用時は32GB欲しい
金をかけるならRTX3060以上のグラフィックボードを購入すべき!

Lightroom Classic おすすめクリエーターPC

RTX3060搭載の期間限定特価品 | AeroStream RM7A-E223/B

メーカー ツクモBTOパソコン
AeroStreamシリーズ
OS Windows 11 or 10 Home
CPU AMD Ryzen 5 5500
メモリ 16GB (8GB×2)
グラフィックボード GeForce RTX 3060
12GB VRAM
ストレージ 512GB (NVMe)
価格 119,000円(税込)

ツクモ販売ページ▶︎ AeroStream RM7A-E223/B Ryzen 5 5500 × RTX3060 期間限定特価

2023年9月15日(金)10:00までの期間限定販売
メリット デメリット
  • 期間限定の最強コスパ
  • Ryzen 5 5500搭載
  • 6000万画素RAWを高速処理できる
  • ケースデザインが保守的
  • PCIe 3.0

最安値の価格帯モデルはCPUにRyzen 5 4500を採用するモデルが多いですが、このモデルはワンランク上のRyzen 5 5500を搭載。BTOパソコンなので、メモリ32GB搭載を+12,100円でカスタム可能です。

RTX4060Ti搭載のLEDモデル | G-GEAR Aim GB5J-J231/BRGB

メーカー ツクモBTOパソコン
G-GEAR Aimシリーズ
OS Windows 11 or 10 Home
CPU Intel Core i5 13500
メモリ 32GB (16GB×2)
グラフィックボード GeForce RTX 4060 Ti
8GB VRAM
ストレージ 1TB (NVMe)
価格 199,800円(税込)

ツクモ販売ページ▶︎ G-GEAR Aim GB5J-J231/BRGB Core i5-13500 × RTX4060Ti 期間限定特価

2023年9月15日(金)10:00までの期間限定販売
メリット デメリット
  • 最新CPU&グラボ搭載
  • 人気のガラスパネル&LED搭載
  • 32GB RAM標準装備
  • WiFiは別途オプション購入

最新スペックのCPUとグラフィックボードを搭載したモデル。メモリ32GBと1TBストレージを標準装備するため、RAW編集はもちろん、動画編集も余裕でこなせます。サイドパネルはガラス製なので、LED照明を楽しめます。

RTX4060搭載の静音仕様 | Silent-Master NEO B550A Mini

メーカー @Sycom
Silent-Master NEOシリーズ
OS Windows 10 Home
CPU AMD Ryzen 5 5600
メモリ 8GB (8GB×1)
グラフィックボード GeForce RTX 4060
8GB VRAM
ストレージ 512GB (NVMe)
価格 187,330円(税込)

@Sycom販売ページ▶︎ Silent-Master NEO B550A Mini Ryzen 5 5600 × RTX4060 期間限定価格

2023年10月1日までキャンペーン割引中
メリット デメリット
  • 静音を重視したパーツ選定
  • Ryzen 5 5500搭載
  • 最新GeForce RTX 4060搭載
  • メモリ増設必須

私はMacとWindowsを使用していますが、静音性についてはMacの圧勝です。Silent-Master NEOシリーズは、Windowsパソコンでありながら静音性にこだわった製品です。クーラーファンにNoctua製を厳選し、ノイズを最小限度に抑えるCoolerMaster Silencio S400ケースに収めることで不快なファンノイズを低減します。

CPUは、シングルスレッド性能に定評があるRyzen 5 5600を装備。メモリが標準8GBなので増設必須です。メモリ16GBは+2,820円、32GBは+8,450円で増設できます。

Lightroom Classicのよくある質問

普通のPCとクリエーターやゲーミングPCの違いは?

家電量販店で売っている「普通のPC」とクリエーターPCやゲーミングPCは、性能が違います。普通のPCでもLightroom Classicは動作しますが、話題のAI系フィルターの処理に時間がかかります。

Lightroom Classicに最適なパソコンを購入することで、汎用パソコンで5分以上かかる処理が数秒まで短縮できます。

いわゆる高性能なグラフィックボードの有無が決定的な違いです。専用グラフィックボードを搭載すると、動画編集、3Dモデリング、AI画像生成などクリエイディブな作業が快適におこなえるようになります。

CPUメーカーと構成は?

インテル:Core i9 > Core i7 > Core i5 > Core i3
AMD: Ryzen 9 > Ryzen 7 > Ryzen 5 > Ryzen 3

数字が大きくなるほど高性能ですが「価格・消費電力・発熱量」が比例して大きくなります。

インテルならCore i5以上、AMDならRyzen 5以上のCPUを選択すれば問題ありません。

グラボ非搭載でも快適に動作する?

Lightroom Classicのみでも処理できますが、快適に作業するならグラフィックボード必須。

CPU内蔵GPUの性能は期待はずれでしたので新規購入するなら候補から外しましょう。

メモリは16GBで大丈夫?
  • Lightroom Classicを単独使用する場合:16GB以上を推奨
  • プラグインでプラグインにエクスポートする場合:32GB以上を推奨
  • メモリ搭載量を必要以上増やしても書き出し時間は短縮できません。

メモリ8GBで6100万画素のRAWデータを扱うと、速度が極端に遅くなる恐れがあります。Lightroom Classicはメモリを10GB以上消費することがあるので、併用する場合は32GB以上が必須です。

CPUとグラフィックボード どっちを重視すべき?

CPUは、実売1万円クラスのAMD Ryzen 5 4500+ディテールクーラーでも十分なポテンシャルを発揮します。

Lightroom Classicの処理時間は、グラフィックボード性能が大きく左右します。予算が許す限り、GeForce RTX 3060以上の導入をすすめします。

デスクトップとノート どっちがおすすめ?

デスクトップPCは、後からパーツ交換できるメリットがあります。数年後に性能不足を感じた時、GPUやCPUをアップグレードして延命策が計れます。モニター選択自由度が高い点も、デスクトップPCのメリットが大きくなります。

ノートPCは、CPU、グラフィックボード、メモリがマザーボードにハンダ付けされた製品が多く、物理的にパーツ交換ができません。また、モニター性能が劣悪な場合、正確な色を表示できない別の問題と直面します。

デスクトップPCは周辺機器が別途必要!?

デスクトップPCは、一般的に「モニター、キーボード、マウス」は別売りです。すでにデスクトップPCを運用中で、PC本体だけを買い換える場合は周辺機器を流用できますが、新規購入する場合「+α」の予算が必要です。

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