Topaz Video AIは、アメリカに本社を構えるTopas Labs社が開発・販売をおこなうソフトウェアで、とても素晴らしく高性能な製品です。特筆すべきは、昔のDVD映像やVHSのアナログ映像を、AI処理により見違えるほど高品質化できる点が挙げられます。
業務用途でも活躍中のTopaz Video AIが、2023年10月17日、新UI採用や機能性を向上させたTopaz Video AI 4を発表しました。一部AIモデルがNVIDIAのTensorRTを使ったAI処理に対応し、処理速度が約50%高速化するなど、着実な進化を遂げました。
といわけで、バージョンアップの詳細や、多くの人が戸惑うであろう英語表記のUIを克服するため、操作画面の日本語訳を掲載。購入前の疑問や不安を解消する「操作マニュアル&購入ガイド」を目標に記事作成しました。
このブログ記事がTopaz Video AI 4導入のきっかけになれば嬉しく思います。
Text:ちゃんまさ
- Topaz Video AI 4.2.0リリース
- Topaz Video AI はどんなソフトウェア?
- Topaz Video AI 4がリリース
- Topaz Video AI 4 の価格
- Topaz Video AI の基本機能
- Topaz Video AI の使い方
- プレビュー設定
- Topaz Video AIのおすすめ設定
- Topaz Video AIの高速化
- Topaz Video AI のメリット・デメリット
- Topaz Video AI の日本語化
- Topaz Video AI の機能
- Topaz Video AI 無料版(体験版)の入手方法
- Topaz Video AI無料体験版で確かめたいこと
- Topaz Video AIの購入方法
- Topaz Video AI のライセンス
- Topaz Video AI のよくある質問
- 最新アップデート情報
- まとめ
Topaz Video AI 4.2.0リリース
2024年2月28日、Topaz Video AI最新版「バージョン4.2.0」をリリースしました。バージョンアップの目玉機能は下記になります。
●Davinci Resolveのプラグインをリリース(ベータ版)
Topaz Video AI は、バージョン4.2.0よりDavinci ResolveのOpenFXプラグインとして利用できるようになりました。この最初のリリースには、WindowsとmacOSの両方のすべての拡張モデルと Motion Deblurが含まれています。
●フレーム補間モデルに「Aion」を追加
高解像度入力に対するより正確な動き推定し、重複フレームのない真の16 倍スローモーションを実現。ApolloやChronosと比較した場合、アーティファクトとゴーストが減少します。
Topaz Video AI はどんなソフトウェア?
Topaz Video AIは、編集前の撮影素材にAIを駆使した品質改良処理をおこない、高品質な動画素材を生成する「機能特化型ソフトウェア」です。進化の過程で、旧名称「Topaz Video Enhance AI」から新名称「Topaz Video AI」へ変更されました。
個人で楽しむDVDや過去に録画したVHS映像を高画質フルHDに変換したり、最新カメラで収録した映像のシャープネスを高めたり、高感度ノイズを除去することができます。
Topaz公式ショップ リンクはこちらから
Topaz Video AI 4がリリース
新機能や変更点
複数AIモデルを同時比較できる新型UI採用
Video AI v4は、プレビューを生成するためのまったく新しいシステムを搭載しました。この新しいインターフェイスにより、合計24種類のAIモデルのうち任意の2つを直接比較でき、サイドバイサイド、スライドオーバー、オーバーレイビューで設定を微調整して、最適な設定をアシストします。
※v4.0.6から、オリジナル映像と1つのAIモデルを比較できるようになりました。
刷新された新型UIフィルターアイコン
UIの変更に加えてVideo AI v4はコンテンツ用の画面上のスペースがさらに拡大された新しい外観を採用しました。右側のパネルは、小さなディスプレイでのスクロールを回避し、モニターの高さを有効に活用できるように再加工されました。
精度が向上した新しい2xスケールモード
・Nyx モデルは、もともとバージョン3.5.0でリリースされましたが、現在はv2更新され、2xアップスケールモードが含まれます。
・Nyx v2は、高解像度入力を扱う場合の精度がさらに向上し、ノイズとディテールを正確に分離できます。撮影監督は自信を持って高 ISOで撮影し、プロダクショングレードの夜間ショットを簡単に生成できます。
追加
・TensorRT互換GPUとの組み合わせで、書き出し速度が50%高速化できます。
・AMD7000シリーズGPUおよび700シリーズ統合グラフィックス用のAV1エンコーダーに対応
Topaz Video AI 4 の価格
Topaz Video AI 4は、Topaz Labs公式SHOPから299ドルで販売中です。家電量販店やAmazonなどでは販売されていません。
Topaz Video AI | 価格 299ドル |
Topaz Video AI の基本機能
Topaz Video AIは、最新AI技術を活用した「映像アップスケール」「映像品質強化」「フレーム補完」「手ぶれ補正」「インターレース除去」などの機能を搭載。映像の高品質化に絶大な効果を発揮します。
Topaz Video AI 処理イメージ
Topaz Video AI 4の作業の流れを図形化しました。映像素材をインポート後「プリセットの選択」→「プリセットを使用しないときは画像サイズやフレームレート設定」→「プレビューで結果を確認しながら調整」→「指定コーデックで書き出し」の流れになります。
Topaz Video AI の使い方
Topaz Video AI 4の作業画面です。おもに「各種設定・画面切り替えとプレビューレンダリング・書き出し設定」を操作します。
基本プリセットによる簡単設定
Topaz Video AIには、映像サイズやフレームレートの細かな設定を簡素化したプリセットが用意されています。初心者は、目的別に用意されたプリセットを選択すれば面倒な映像サイズやフレームレート設定が自動化できます。
上級者向けに、プリセットを使用しない完全マニュアル運用も可能です。
基本プリセットの設定項目
None | プリセットを利用しない ※上級者向け |
4x slow motion | 元映像を4倍スローに補間変換 |
8x slow motion | 元映像を8倍スローに補間変換 |
Auto crop stabilization | 自動クロップありで手ぶれ補正 |
Convert to 60 fps | フレームレートを60fpsに変換 ※59.94fpsではないので要注意! |
Deinterlace footage and upscale to HD | インターレース映像をFHDプログレッシブに変換 |
Upscale to 4K | 元映像を4Kサイズに拡大 ※フレームレートは維持 |
Upscale to 4K and convert to 60 fps | 元映像を4Kサイズ拡大し、フレームレートを60fpsに変換 ※59.94fpsではないので要注意! |
Upscale to HD resolution | 元映像を高解像FHDに拡大 |
Videoの設定項目
画像サイズとフレームレートを設定する設定項目です。
フレームレート
・デジタル地上波テレビ = 1,440×1,080のインターレース 29.97fps(下)※テレビ側で1,920×1,080へ補間
・アナログ地上波テレビ = 640×480のインターレース 29.97fps(上)
・4Kテレビ = 3,840×2,160や4,096×2,160のプログレッシブ
・DVD = 720×480のインターレース 29.97fps(上)など
・Blu-ray = 1,920×1,080のインターレース 29.97fps(下)など
・Youtube = 何でもあり
変換後、動画編集ソフトで編集する場合は「タイムラインと同じ設定」に合わせます。
input | 元映像のサイズとフレームレートが自動表示 |
Output Resolution | 映像処理後の映像サイズ ※プルダウンで変更可能 |
Framr Rate | 処理後のフレームレート ※プルダウンで変更可能 |
Stabilization AI の設定項目
Stabilization AIは、手ブレが気になる映像に使用します。
Full Frame
画角を維持しながら、足りない部分を自動生成する方式で手ぶれを軽減します。プレビュー生成・書き出し時間とも処理時間が長くなります。
Auto Crop
画像をクロップ(拡大)することでイメージサークルを確保し、手ブレを軽減する一般的な方法です。プレビュー生成・書き出し時間とも高速処理できます。
通常はOFFですが、ボタンをONにすると機能します。
Strengthで手ブレ効果を高めることができますが、ブレ幅が大きすぎると中央復帰で画像がカクつくことがあります。
Method | 処理方法を選択 ・Full Frame =フレームを維持しながら防振効果を高める ・Auto Crop = クロップして防振効果を高める |
Strength | 手ぶれ補正の効き具合を調整 |
Rolling Shutter | ローリングシャッター歪みを軽減 ※Apply Correctionにチェックを入れる |
Jittery Motion | 不安定や動きを軽減 ※Apply Correctionにチェックを入れる |
Motion Deblur AI の設定項目
動きの速いシーンでのシャッタースピードの低下による影響を軽減します。
通常はOFFですが、ボタンをONにすると機能します。
AI Model | Themis |
Frame Interpolation AI の設定項目
フレームレート変更にともなう本来存在しないフレームを予測補間します。
おもに、スロー映像を制作するときに使用しますが、フレーム補間により存在しないフレームを生成できるため、24Pから60Pへの高品質な変換にも利用できます。
通常はOFFですが、ボタンをONにすると機能します。
Slow Motion | スロー倍率を設定 ・0x〜16xまで設定可能 |
AI Model | AIモデルを選択 ・Apollo = スローモーション変換時に、前後フレームの情報を元に存在しないコマを予測して、オリジナルのコマを生成します。 ・Apollo Fast = Apolloの処理速度を優先したバージョン ・Chronos = 24Pから60Pへの変換など、複雑なフレーム補間に対応 ・Chronos Fast = Chronosの処理速度を優先したバージョン ・New Aion = 重複フレームのない真の16倍スローモーションを実現 |
Duplicate Frames | 重複フレームの除去 ※Replaceにチェックを入れる |
Sensitivity | 感度 |
Enhancement AI の設定項目
元映像の品質が劣る場合、映像の拡大・ノイズ除去・高精細化などのAIによる高品質処理をおこないます。
Video Typeは、元映像の仕様を「プログレッシブ映像・インターレース画像のプログレッシブ化・インターレース除去せずにプログレッシブ化した映像」から選択します。
Video Type | Progressive | Interlaced | Interlaced Progressive |
選択したVideo Typeにより、使用できるAI Modelが変化します。
AIモデルの種類
・高画質映像をさらに高品質化 → Nyx-GQ Denoise
・ノイズ除去とシャープネス → Artemis-Denoise/Sharpen
・スケールアップ → Gaia-Upscle HQ
・顔の修正 → Iris–Face/LQ-MQ・Iris LQ・Iris MQ
・インターレース除去 → Dione DV・Dione TV・Dione Dehalo
・古いインターレース除去と顔の修正 → iris LQ・Iris MQ
Progressive | |
AI Model | ・Proteue-Enhance MQ 標準的なモデル。元画像が低品質〜中品質の映像用で、ノイズ低減に優れています。・Iris–Face/LQ-MQ LQ=Iris V1、MQ=Iris V2(TensorRT対応)。 元画像が低品質〜中品質な映像用で、輝度ノイズと圧縮ノイズのノイズ低減、顔修復に効果的です。・Nyx-GQ Denoise 1x、2xに対応 元画像が高品質な映像用で、ディテールを保ちながら輝度ノイズを低減します。 ・Artemis-Denoise/Sharpen 全ての品質に対応。ノイズ除去、シャープネス向上、圧縮ノイズを低減します。 ・Gaia-Upscle HQ 元画像が高品質、CQ映像用。アップスケールに最適。 ・Theia-Details/Fidelity 4つのパラメーターを使用して、きめ細かく制御できます。 |
Interlaced | |
AI Model | ・Dione DV インターレース収録されたデジタル映像のインターレーズ除去、スケールアップに効果的です。・Dione TV インターレース収録された古いテレビ映像のインターレーズ除去、スケールアップに効果的です。・Dione Dehalo インターレース収録されたアナログ映像のハロとフリンジ除去に特化したモデルです。 ・Iris LQ 元画像が低品質な映像用。ノイズ・圧縮ノイズ・顔修復に効果的 ・Iris MQ 元画像が中品質な映像用。ノイズ・圧縮ノイズ・顔修復に効果的 |
Interlaced Progressive | |
AI Model | ・Dione Robust インターレース映像を誤ってプログレッシブ化した映像に効果的・Dione Robust Dehalo インターレース映像を誤ってプログレッシブ化した映像のハロとフリンジ除去に特化したモデルです。 ・iris LQ 元画像が低品質な映像用。ノイズ・圧縮ノイズ・顔修復に効果的 ・Iris MQ 元画像が低品質な中品質な映像用。ノイズ・圧縮ノイズ・顔修復に効果的 |
AI Modelごとに専用パラメーターが表示されます。パラメーターは選択したVideo TypeやAI Modelにより異なります。
Add Noise | 0〜10 |
Recover Detail | 0〜100 |
Grain の設定項目
画像処理時に。粒子の量と大きさを追加します。
Amount | 1〜10 |
Size | 1〜5 |
プレビュー設定
Topaz Video AIは、バージョン4からデフォルト状態で2つのAIモデルの品質をプレビュー表示できるようになりました。
しかし、2つのAIモデルをプレビューするにはレンダリングに時間がかかります。バージョン4.0.7からオリジナル映像と1つのAIモデルを比較できるモードが採用されました。こちらを利用する方が時間短縮に繋がるので方法を紹介します。
プレビュー方法の切り替えは「Comparison Mode」をクリックしてOFF(グレーアウトした状態)にします。そうすることで、左画面にオリジナル映像、右画面にAIモデル適用後の映像を表示され、効果を比較できます。
また、バージョン4.0.7から採用された「Looping」をクリックしてON(チェックが表示された状態)にすると、プレビューレンダリングされた領域を繰り返し再生できます。
Topaz Video AIのおすすめ設定
▼ アナログテレビやDVD映像(インターレース)をFHD60P化したい場合
Presets | None |
Video | Output Resolution設定 → 1920×1080 Frame Rate設定 → 59.94FPS |
Stabilization AI | 任意 |
Motion Deblur AI | 任意 |
Frame Interpolation AI | OFF |
Enhancement AI | 【Interlaced】 → Dione Dehalo ※顔を重視する場合 → Iris LQ・Iris MQ |
▼ デジタルテレビやブルーレイ映像(インターレース)をFHD60P化したい場合
Presets | None |
Video | Output Resolution設定 → 1920×1080 Frame Rate設定 → 59.94FPS |
Stabilization AI | 任意 |
Motion Deblur AI | 任意 |
Frame Interpolation AI | OFF |
Enhancement AI | 【Interlaced】 → Dione DV・Dione TV ※顔を重視する場合 → Iris MQ |
▼ Youtube映像(プログレッシブ)を高画質化したい場合
Presets | None |
Video | Output Resolution設定 → 1920×1080 Frame Rate設定 → 29.97 または 59.94FPS |
Stabilization AI | 任意 |
Motion Deblur AI | 任意 |
Frame Interpolation AI | OFF |
Enhancement AI | 【Progressive】 ノイズを軽減 → Nyx-GQ Denoise ノイズ軽減と高精細化 → Artemis-Denoise/Sharpen 顔を高品質化 → Iris–Face/LQ-MQ |
▼ Youtube映像(プログレッシブ)を拡大したい場合
Presets | None |
Video | Output Resolution設定 → 1920×1080 ・3,840×2,160 Frame Rate設定 → 29.97 または 59.94FPS |
Stabilization AI | 任意 |
Motion Deblur AI | 任意 |
Frame Interpolation AI | OFF |
Enhancement AI | 【Progressive】 映像を拡大 → Gaia-Upscle HQ |
Topaz Video AIの高速化
Topaz Video AIは、事務用途の安価なパソコンでは快適に処理できません。グラフィックボードを搭載したゲームPCやクリエイティブPCが必須です。
Topaz Video AI 4.0.2から、NVIDIAのTensorRTを使ったAI処理に対応し、処理速度が最大50%高速化されました。TensorRTが搭載されるグラフィックボードは、NVIDIA GeForce RTX 2000番以降のモデルになります。新規購入するならGeForce RTX 4000番台でTensorRTコア数・VRAM容量・メモリバススピードが高速なモデルを導入するのがベストです。
MacとTopaz Video AI 4の相性は、現時点では良くありません。
AIモデルと処理時間
処理時間は、使用するAIモデルによって大きく異なります。複数のAIモデルを試し、処理後の品質に大差ないなら処理スピーが速いモデルを選択するのが実践的です。
パソコンスペックと処理時間の目安をネットから抜粋しました。
1920× 1080 |
Ryzen 9 7950X GeForce RTX 4090 |
Core i9-14900K GeForce RTX 4090 |
Ryzen 7 5800X GeForce RTX 4080 |
Ryzen 5 5600X GeForce RTX 3070 |
Artemis | 約45 fps | 約39 fps | 約30 fps | 約13 fps |
Iris | 約44 fps | 約39 fps | 約32 fps | 約13 fps |
Proteus | 約40 fps | 約33 fps | 約21 fps | 約12 fps |
Gaia | 約15 fps | 約15 fps | 約10 fps | 約4 fps |
Nyx | 約18 fps | 約17 fps | 約12 fps | 約5 fps |
もっとも高速なのはAremisとIrisで、PC環境で逆転することがあります。NyxとGaiaは、処理時間が2〜3倍遅くなるので、長尺映像の適用は注意が必要です。
フレーム補間と処理時間
もっとも高速なのはAremisとIrisで、PC環境で逆転することがあります。NyxとGaiaは、処理時間が2〜3倍遅くなるので、長尺映像の適用は注意が必要です。
愛用PCのベンチマーク
Topaz Video AI v4.2.1 (計測日:2024年3月21日)
Ryzen 7 5800X + RTX4070Ti + DDR4 32GB
コスパを重視するならRyzen 7 5800X+GeForce RTX 4070Tiあたりが良さそうです。
Topaz Video AI のメリット・デメリット
○ メリット
・業務レベルの品質
・過去映像を高品質化できる
・きめ細かに設定できる
・契約が切れても使用できる
✕ デメリット
・価格が高価
・4K処理は動作が重い
・高性能PCが欲しくなる
Topaz Video AIを使った動画素材のノイズ除去・スケールアップ・シャープネス向上などの品質は、現時点のトップクラスの性能といえます。
デメリットは、処理が重く事務用PCを使った運用は実用的ではありません。本格的に運用するなら30万円以上の映像処理特化型PCが欲しくなります。高価な点がデメリットと思われがちですが、業務用ソフトの品質がこの価格で導入できることは驚きのレベルでもあります。
Topaz Video AI の日本語化
Topaz Video AIは、アメリカ企業が開発したソフトウェアのため、UIの多言語表示に対応していません。そのため、Topaz Video AI 4の操作画面を日本語表示することはできません。※2023年11月時点
ネット検索しましたが、個人が製作した日本語パッチも流通していない状況です。
Topaz Video AI の機能
アップスケーリング機能
▲SD映像のフルHD化、フルHD映像からの4K化など、画質向上処理にAI技術を活用したアップスケーリングを実現します。最大8Kまで変換可能。
主な用途
フルHD(1,920×1,080)や4Kのタイムラインに、昭和・平成時代にSD(720×480)やHDV(1280×720)映像を挿入する時に活用できます。
インターレース除去機能
▲インターレース除去機能は、地上波テレビ用に収録した1080i映像から走査線(インターレース)を取り除き、高品質なプログレッシブ映像に変換します。
主な用途
プログレッシブ設定のタイムラインに、昭和・平成時代に撮影したHDVやAVCHDで撮影した1080i映像を挿入するときに活用できます。
モーション補完機能
▲モーション補完機能は、30P収録した映像の60P化、スローモーションで欠損するコマを安易なフレーム合成ではなく隣接するフレームから独自生成しながら変換できます。30P収録した映像から4倍スロー化などもできます。
主な用途
所有するミラーレス一眼がフルHD60P収録までしか記録できなくても120P化することで30Pタイムラインで4倍スロー再生ができます。また、30Pから60P化することで、ヌルヌル感を引き出せます。
手ぶれ補正機能
▲手ぶれ補正機能は、手ブレが目立つ映像に対してAIを活用したデジタル補正をおこない、クロップを最小限度に抑えた補正ができます。
主な用途
運動会の撮影、歩きながらの撮影、望遠撮影など、フレームが安定しない時にスタビライザー効果で映像を安定化します。
古い映像の復元機能
▲古い映像の復元機能は、SD映像などの映像に対して、複数のAIモデルを駆使した修復をおこない、映像品質を高めます。
主な用途
昭和時代のVHSテープで収録した映像の修復などに有効的です。
アニメーションの品質向上機能
▲アニメーションの品質向上機能は、SDなどの古いアニメーション映像に対して、複数のAIモデルを駆使した修復をおこない、映像品質を高めます。
主な用途
セル画時代のアニメーションの輝度ノイズや粒子感を除去し、高品質な画質に改良できます。
Topaz Video AI 無料版(体験版)の入手方法
Topaz Video AIは、Topaz Labsの公式サイトで無料版(体験版)を提供中で、購入前に全機能および全コーデックで書き出しできます。
Topaz Video AI無料版(体験版)は、アカウント作成やカード情報を登録することなく、メールアドレスを記入するだけで誰でもソフトウェアをダウンロードできます。
試用期間等は設けられていません。また、使用できる回数に制限がないため、バージョンアップが発表された時に再度ダウンロードして、お使いのPC環境で動作テストできます。
ただし、無料版(体験版)は、出力した映像にウォーターマーク(Topaz Labsロゴの透かし)が入る制限があります。
▲公式ウェブサイトの「Try for free」ボタンをクリックします。
▲入力画面が表示されます。メールアドレスを入力して「Get free download」ボタンをクリックすると、ダウンロードが自動的に始まります。
インストーラーのダウンロード場所
Windows
【エクスプローラー】→【ダウンロードファイル】内に保存されます。
Mac
【移動】→【ダウンロード】で表示されるダウンロードフォルダ内に保存されます。
▲ダウンロードされたフォルダをクリックするとインストーラーが起動します。画面に表示される指示に従いソフトウェアをインストールします。
▲ソフトウェアを起動するとアクティベート画面が表示されます。「Free demo」ボタンをクリックすると試用版として起動します。
Topaz Video AI無料体験版で確かめたいこと
Topaz Video AI無料版(体験版)をパソコンにインストールしたら、下記の設定を確認します。
PreferencesでGPUの作動状況を確認
File → Preferences → Processingを開きます。AI Processorの項目にAutoと表示されています。タブを開きグラフィックボード名が表示されることを確認します。
●GPU名が表示される場合 → CPUとGPUで処理するため高速処理できます。
Topaz Video AIの購入方法
Topaz Video AIの販売は、家電量販店等でパッケージ販売は行われておらず、Topaz公式ショップからネット購入・決済することになります。
Topaz公式ショップは、すべて英語表記なので初めての方には敷居が高いですが、下記に要点をまとめた「購入マニュアル」を作成しました。この手順でTopaz Video AI正規版が購入できるので、ご安心ください。
注意点は、Topaz Video AIのアクティベートにはネット通信できる環境が必須です。また、1週間に1度のペースでアップデートが入り、大容量データをダウンロードする必要があるのでため、データ上限が定められたスマホ経由のテザリングでは容量を消費します。光回線等のネット環境があるとスムーズです。
Topaz Video AI | 価格 299ドル |
決済方法
決済はクレジットカードまたはPayPalによる決済が必要です。
購入時に必要なもの
購入時にメールアドレスを登録します。メールアドレスはソフトウェアのアクティベートで使用するので、捨てアドレスは使用せず現在使用中のアドレスを登録します。
※インターネット環境が必須です。
購入マニュアル
▲Topaz公式ショップにアクセスします。Video AIの下に配置された「Buy for $299」ボタンをクリックします。
▲入力フォームが開きます。ソフトウェア購入に必要な個人情報と決済情報を入力します。
Email address | 登録するEメールアドレスを入力します。アクティベートで使用します。 |
Last name | 苗字 ※ローマ字入力 |
First name | 名前 ※ローマ字入力 |
Country/Region | Japan |
Postcode/ZIP | 郵便番号 ※〒マークは不要 |
Town/City | chiyoda,chiyoda-ku ※千代田区千代田の場合 |
Prefecture | Tokyo ※東京都の場合 |
Street address | 1−1−1 ※1丁目1の1の場合 |
Phone | 電話番号を入力 ※任意です |
Credit CardまたはPayPal | 支払方法を選択する。PayPalとPayPayは異なります。 |
Credit or debit card | クレジットカード番号と有効期限を入力する ※備考欄のチェックを入れる |
「Plece order for $299」ボタンをクリックすると、クレジットカード決済され、登録したメールアドレスに決済情報やパスワードが届きます。
購入前の注意事項
Topaz Video AIは、とても高性能な反面、ハイクラスのPCスペックを必要とします。とくに、数年以内に販売された高性能なグラフィックボードが搭載されていないと、映像処理に一晩要することになります。FHDから4Kにアップスケールするような用途では10万円以上の最新グラフィックボードが搭載されていることが必須です。
実用的な運用を目指すなら、WindowsはGeForce RTX3000番台のビデオカード搭載モデル、MacはM1プロセッサー以降の搭載モデルが必要です。ただし、Topaz Video AIは、GeForceに最適化されているため、Macで処理をおこなうと十分なポテンシャル(処理が遅い)を発揮できない傾向にあります。
購入前には必ず無料試用版をインストールして、現在使用中のPCでTopaz Video AIが正常動作することを確認しましょう。Topaz Video AIの素晴らしさを体感できたら、PC購入も検討したいところ。
Topaz Video AI のアクティベート方法
無料体験版をインストール済みの場合、正規版としてそのまま利用できます。
▲インターネットに接続した状態でソフトウェア起動するとアクティベート画面が表示されます。「Activate」ボタンをクリックします。
※インターネット環境が必須です。
▲ブラウザが起動し、Topaz公式ホームページにアクセスします。メールアドレスと購入時に届いたパスワードを入力するとアクティベートされます。
Topaz Video AI のライセンス
Topaz Video AIは、サブスクリクションではない「買い切り」です。購入すると1年以内のAIモデの追加やメジャーアップグレードがあっても無償でバージョンアップできます。
一度購入すれば永久利用可能
Topaz Video AIを購入すると、1年間の無償アップグレード権利と、無償アップグレード期間中にリリースされた全バージョンを永続利用できます。無償アップグレード期間が過ぎても、ライセンスは失効しません。
▶︎無償アップグレード期間中
例)2022年4月1日にソフトウェアを購入した場合、翌年の3月31日までの1年間、無償アップデートできます。
▶︎無償アップグレード失効後、有償アップデートしない場合
例)2023年4月1日以降はアップデートできなくなりますが、無償アップデート終了時点のバージョンを永続利用できます。パソコン買い替えに伴い新規インストールが必要な時は、無償アップデート期間中の全バージョンをダウンロードできます。
▶︎無償アップグレード失効後、途中から有償アップデートした場合
例)無償アップグレード失効後、契約しない期間を経て、再度有償アップグレードしたときは、購入日から1年間の無償アップデートが有効になります。再インストールする場合、無償アップデート期間中の全バージョンをダウンロードできます。ただし、無償アップグレード失効期間中にリリースされたバージョンはダウンロードできません。
対応OSはクロスライセンス付与
Topaz Video AIは、1ライセンスでWindows用とMac用の両OSで使用できます。
インストールできる台数
Topaz Video AIは、2台のパソコンで使用できます。3台目以降のPCは、使用しないPCライセンスを無効化することでアクティベートできます。
Topaz Video AI のよくある質問
購入サイトがすべて英語表記
Topaz Video AIは、販売ルートが公式ウェブサイトのみに限定されているため、家電量販店などで購入することはできません。
メーカーのTopaz Labs社はアメリカの企業なので、すべて英語表記の環境から購入することになります。購入時、名前や住所など英語入力が求められます。
▶︎対策
「Topaz Video AIの購入方法」の項目で、購入時に必要な英語入力例を記載しました。微力ですが真似するだけで購入できるはずなのでご活用ください。
UI(操作画面)がすべて英語表記
Topaz Video AIは、ソフトウェアに多言語機能が搭載されておらず、操作画面はすべて英語表記になります。
▶︎対策
すべて英語なので最初は戸惑うかもしれません。しかし、作業自体は、決まった操作の「反復」なので、経験を積めば抵抗感は薄れます。
編集機能がない
Topaz Video AIは、動画編集機能は備えておらず、別途「Premiere Pro・DaVinci Resolve・FCPX」などのソフトウェアを組み合わして運用します。
▶︎対策
別途動画編集ソフトが必要です。
カスタマーサポートが英語対応
メーカーサポートは英語によるコミュニケーションになります。
▶︎対策
サポートは、基本的にメールによる英語対応になります。カスタマーサービスは複数人いるのでスタッフにより対応は異なりますが、日本語翻訳のテキストを添付してくれる気が利く人も在籍します。英語で返信されても、テキストをネット翻訳すれば意味は理解できるので問題ありません。
私は何度もサポートを利用しましたが、経験的に「質問事項を日本語作成したものと、ネット機械翻訳で英訳したものを両方添付する」という方法で落ち着いています。「やあ、ちゃんまさ〜」といった感じのラフな会話が続きます(笑
日本語テキストのみの送信は絶対NGです。相手のPC環境で文字化けが発生し、解読できない恐れがあるからです。
Topaz Labsのカスタマー対応は飛躍的速く返事がもらえる印象です。日本の上場企業よりも断然スピーディーな対応で好印象です。ただし、エラー発生時にログデータの送信を求められた時などは、解析に時間がかかり回答が遅れることがあります。
マイナス14時間の時差がある
アメリカ(テキサス)の本社と日本は時差があり、日本時間を基準にした場合、アメリカ(テキサス)はマイナス14時間になります。
▶︎対策
時差を考慮したコミュニケーションが必要です。週末〜休日を挟むと、日本の月曜午前はアメリカの日曜日なのでタイムロスが生じます。焦りは禁物です。
クーポンによる割引は?
クーポンコードによる割引販売は、2023年9月時点、Topaz Labs社の販売方針により一切おこなわれていません。
セールは?
不定期ですが、Tpaaz公式サイトで期間限定セールが開催されています。
最新アップデート情報
2024年3月27日、Topaz Labsは、Topaz Video AI最新版「バージョン4.2.2」をリリースしました。購入後1年以内の正規ユーザーは無償アップデートできます。
4.2.1 からの変更履歴
- DaVinci Resolve OpenFXプラグインに2xおよび4xアップスケーリングを追加
- デインターレース 2xが1xに上書きされるプリセットの問題を修正
- バッチ処理で1つのビデオのみがエクスポートされる問題を修正
- 最小トリム長を1秒から6フレームの時間に更新
- 強化と 2 番目の強化における一貫性のないモデルラベルを修正
- ProRes が2つのコーデックラベルを報告する問題を修正
- 環境設定ウィンドウを開くと無限にスタックしてしまうバグを修正
- mkvコンテナと互換性のない設定を削除
- Prob4リセットされるインターレース モデルを修正
- Apollo Fast による出力のジッターを修正
- OpenVINO の更新: 互換性のある Intel デバイスのパフォーマンスがより確実に
まとめ
Topaz Video AIは、最新AI技術を活用した動画素材の品質改良をおこなうソフトウェアです。動画制作の現場でも活躍中です。
ただし、高度な演算処理をおこなうため、高性能パソコンが必須です。とくにRTX3060以上のグラフィックボードを搭載していないと、快適に処理することは困難です。
フレーム補完によるハイスピード処理は、用途がハマると効果的です。動画制作を本格的に始めるなら、価格は高価ですが導入しても後悔することはないでしょう。
Topaz Video AI | 価格 299ドル |
コメント
『Topaz Video AIは、2台のパソコンで使用できます。3台目以降のPCは、使用しないPCライセンスを無効化することでアクティベートできます』
ライセンスの無効化ができるなんて知りませんでした。
まだライセンスを購入したての頃に低スペックのPCにインストールしてしまい、ライセンスを1つ無駄にしてしまったと思っていました。
しかしながらアプリ上やアカウントページのどこを探しても無効化の手続きができそうな場所が見つかりません。
可能でしたら、その手順を教えていただけますと助かります。
3台目のパソコンでアクティベートすると、現在アクティベート済みのパソコンが表示されるので、使用しないパソコンを無効化すると新しいパソコンが有効化されるはずです。
早速のご返信ありがとうございます。
どうりで探しても出てこないわけですね。よく分かりました。