【Mac延命術】Mac mini 2018+eGPUで画像処理ソフトが快適動作

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Mac

Text/Photo:ちゃんまさ

画像処理アプリの動作が劇重だったのでM2 Mac miniの購入を検討していましたが、お蔵入りしていたeGPUを繋いでみたらサクサク動作! 結論を先に述べると、GPUを使用する画像処理アプリと相性抜群。ソフトウェアによってはM2に迫るポテンシャルを発揮します。これから新規購入するならM2 Mac購入がベストな選択ですが、何らかの理由でintel Macを使わないといけない人に「刺さってくれたら・・・」と願い、情報をシェアします。

写真レタッチは「GPU処理の時代」へ

写真撮影を趣味や業務で扱う人にとって、画像処理をおこなう「パソコン」は必要不可欠な存在です。従来の写真系ソフトウェアは、動画編集や3Dほど処理が重くないので「もっさり感」さえ我慢すれば、マシンスペックが古くてもある程度使用することができました。というのも、このジャンルは長年Adode一強であり、CPU性能の劣るパソコンでも不満を感じず作業できたからです。

ところが、画像処理のジャンルは、近年新興アプリが急増中です。Luminar AI、PhotoLab、PureRAW、Sharpen AIなどのアプリは、PhotoshopやLightroomを凌ぐ「一芸」を持っており、Adode製品と併用するのが常識になりつつあります。

これらの新興アプリは、作業処理が重いと言われます。理由は、演算処理にGPUを積極活用し、高速化が図られているからです。2023年、画像処理を取り巻くパソコン環境は「GPU必須」と断言できます。

旧世代内蔵GPUは最新アプリに役不足

私が愛用中のMac mini 2018は、inliel Core i7(3.2GHz)を搭載した6コア12スレッド(CTO)モデルです。GPUは、CPU内蔵のintel UHD Graphics 630で、グラフィック性能は芳しくありません。Photoshopはストレスなく動作しますが、GPU処理前提のアプリはまともに動作しません。

MacOSでeGPUをテスト

MacOSX10.14はアプリが正常動作しない不具合

MacOSX10.14.6は、Apple公式で「eGPU対応」がアナウンスされています。しかし、PureRAWやSharpen AIの初期設定で、手持ちのeGPU「RADEON RX Vega 54」を選択しても、GPUが利用される気配がありません。「情報を見る」で「外部GPUを使用する」にチェックを入れると、クラッシュすることもあります。

macOS13でeGPUのポテンシャルが発揮!

下記の条件で再テストしました。

マシン:Mac mini 2018
OS:macOS13(TB3接続の外部NVMe SSDから起動)
GPU:RADEON RX Vega 54(Razer Core X)

Thunderbolt 3接続のNVMe SSDを接続し、macOS13をインストール。外部ディスクから起動する方法を採用しました。するとRADEON RX5700XTをあっさり認識しました。

macOS13は、電源を入れるだけでeGPUを認識します。

PureRAWやSharpen AIの初期設定で「RADEON RX Vega 54」を選択し、画像処理を行うと圧倒的に高速動作するようになりました。

ソニーα7RV 非圧縮RAW(約120MB)の処理時間を測定
Mac mini 2018
macOS13
CPU処理 eGPU+RX Vega 56
Sharpen AI
Motion Blur Normal
書き出し形式:DNG
5分30秒 38秒
Sharpen AI
Too Soft Normal
書き出し形式:DNG
1分43秒 未計測
PureRAW
DeepPRIME XD
書き出し形式:DNG
20分経過時点で断念 1分14秒
PureRAW
DeepPRIME
書き出し形式:DNG
4分05秒 26秒

※Mac mini 2018は、内蔵GPU優先で処理するとCPU優先より遅くなるため、参考値として「CPU処理」を選択しました。

高性能GPUは宝の持ち腐れ!?

さらなる時間短縮を目指し、知人にRadeon RX6800とRX5700XTを借用し、追加の検証テストをおこないました。RX6800交換による爆速を期待しましたが・・・。

結果は最大10秒ほど高速化できました。しかし、 RX6800は旧世代の製品ですがハイスペックGPUのため、中古で妥協しても膨大なコストがかかります。費用対効果がよくないわけなんです。

eGPU+Radeon RX5700XTのポテンシャルは?
Mac mini 2018
macOS13
CPU処理 eGPU+RX RX5700XT
Sharpen AI
Motion Blur Normal
書き出し形式:DNG
5分30秒 35秒
Vega56より3秒短縮化
Sharpen AI
Too Soft Normal
書き出し形式:DNG
1分43秒 27秒
PureRAW
DeepPRIME XD
書き出し形式:DNG
20分以上
1分02秒
Vega56より12秒短縮化
PureRAW
DeepPRIME
書き出し形式:DNG
4分05秒
19秒
Vega56より7秒短縮化

ちなみに、PhotoLab6からのDeepPRIME XD(書き出し形式:DNG)の書き出し時間は、約50秒です。PhotoLab6は、プレビューが激重で有名ですが、eGPU+RX RX5700XTを装着することでサクサクで動作します。

というわけで、Radeon RX5700XTの中古品を「諭吉さん2人」で分けてもらいました。

Razer Core Xに装着するとこんな感じ

Razer Core Xに収納できるGPUサイズは、横幅31cm前後まで。Radeon RX5700XT(SAPPHIRE NITRO)は、無事に収めることができました。

eGPUの消費電力
アイドル時 高負荷時
RX5700XT 23W前後 PureRAW:140〜170W
Sharpen AI:240〜260W
RX Vega 56 32W前後 PureRAW:100〜130W
Sharpen AI:220〜240W

高負荷時の消費電力は、Vega56が省電力でした。しかし、待機電力は設計が新しいRX5700XTの方が省電力な結果でした。200Wを超えるのは、画像処理時や書き出し時のみで、通常はアイドル電力付近で推移してます。

※M1/2 Mac miniは、最大負荷時でも100W以下。eGPU併用やWindows機と比較して圧倒的に省電力です。

macOSで使用できるGPU

Appleサイトで、MacOSで使用可能なGPU一覧が公開されています。

macOS Catalina 10.15.1 以降 AMD Radeon RX 5700、5700 XT、5700 XT 50th Anniversary
macOS Monterey 12.1 以降 AMD Radeon RX 6600 XT
macOS Big Sur 11.4 以降 AMD Radeon RX 6800、6800 XT、6900 XT
AMD Radeon RX Vega 64、Vega Frontier Edition Air、Radeon Pro WX 9100
AMD Radeon RX Vega 56
AMD Radeon RX 470、RX 480、RX 570、RX 580、Radeon Pro WX 7100

グラフィックカード用に推奨されるThunderbolt 3拡張ボックス

  • Sonnet eGFX Breakaway Box 650W4
  • Razer Core X

eGPUの速さはM2 Mac miniに劣る現実

ここまでeGPUにより高速化できることをご紹介しました。しかしデメリットもあります。

M2シリコンを搭載した最新Mac miniの方が高速な場合があります。eGPUボックスやGPUを購入する予算で、M1 Mac miniなら購入できるので頭が痛いです。また、eGPUの併用は、電気代が高くなる可能性があります。

私のような「Mac OSX 10.14環境を残さないといけない理由」がない限り、アップルシリコン搭載機の購入を推奨しますが、私はM3チップが登場するまで、Mac mini 2018+eGPUで延命するつもりです!

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