Text/Photo:ちゃんまさ
2024年4月12日、Topas LabsはTopaz Photo AIの最新版「バージョン3.0.0」をリリースしました。Topaz Photo AI 3.0は、フィルターの選択および設定をオリジナルプリセットとして保存できるようになり、他写真への適用や大量の写真へプリセットを適用することで処理時間の短縮を実現しました。海外のソフトウェアは、言語表記が英語のみということもあり敷居が高く思われがちですが、初めての方でも扱えるように、操作方法を写真付きで解説します。記事に目を通してもらえれば「Topaz Photo AI 凄い!」と実感してもらえるはず。
導入前の検討資料として活用していただけると幸いです。
2024年2月、同社Sharpen AIとDeNosise AIがTopaz Photo AIに統合されることが発表されました。それにともない、Sharpen AIとDeNosise AIは開発および販売が終了しました。
Topaz Photo AI価格 ▶︎ 199ドル
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- Topaz Photo AI 3の新機能
- Topaz Photo AI 2024年3月の作例
- Topaz Photo AI 3.0 無料体験版 の入手方法
- 情報が収集されている!?
- Topaz Photo AI の概要
- Topaz Photo AI 3.0 が凄いと言われる理由
- Topaz Photo AI 3.0 の 新機能・改良点
- Topaz Photo AI 3.0 被写体と相性
- Preserve Text の期待度
- デザインや印刷用途にも使える
- Topaz Photo AI 3.0 のレビュー
- Topaz Photo AI 3.0 の使い方
- AUTOPILOT による自動調整
- 各エフェクトの操作方法
- Topaz Photo AI 3.0 の価格
- Topaz Photo AI 3.0 の日本語
- Topaz Photo AI 3.0 の疑問を解決
- Topaz Photo AI 3.0 プラグイン
- Topaz Photo AI 3.0 推奨パソコンスペック
- システム要件
- アップデート情報
- まとめ
Topaz Photo AI 3の新機能
このバージョンでは、Photo AI のクリエイティブな可能性が解放され、オリジナルプリセットの保存&適用、拡フィルター拡張機能の適用順序を変更可能、フィルター設定画面の自由な移動、RAWファイルの明度とカラーバランスの補正など、Topaz UIを使用して、独自のワークフローを作成できるようになりました。
●オリジナルプリセットの保存と再利用が可能
●フィルター設定画面が移動可能
●フィルター拡張機能の適用順序を変更可能
●RAWデータのカラーバランスと明度調整が可能
Topaz Photo AI 2024年3月の作例
カメラ:α9III レンズ:FE600mmF4 GM OSS
シャッター速度:1/3200秒 絞り:f4.0 ISO:8000
※スライダーを左右に動かし比較できます。
Topaz Photo AI 3.0 無料体験版 の入手方法
Topaz Photo AI無料体験版 ▶︎ Topaz Labs公式サイト
Topaz Photo AIは、無料体験版が用意されています。
公式サイトにアクセスし、Topaz Photo AI無料体験版ダウンロードリンクをクリックし、Eメールアドレスを入力して「Get free downloadボタン」を押すると、Windows用またはMac用を自動判別し、インストーラーがダウンロードされます。指示に従いお使いのパソコンにインストールし、起動時に「Free Trial」をクリックすると試用できます。
使用期限は設けられておらず全機能を試用できますが「データ保存不可」の制限が設けられています。
体験版と製品版のソフトウェアは共通のため、ソフトウェア購入後、起動時にアクティベートすれば製品版として継続利用できます。
無料体験版で確かめたいこと
Topaz Photo AI体験版をパソコンにインストールしたら、下記の設定を確認しましょう。
Preferencesを確認
Edit →General → Processingを開きます。AI Processorの項目に【Auto】と表示されているはずです。タブを開きグラフィックボード名が表示されることを確認します。
●CPU名のみ表示される場合 → 処理が遅い可能性あり。
情報が収集されている!?
Topaz Photo AIで作業中、LANのアクセスランプが頻繁点灯し、外部通信していることに気づきました。LANケーブルを抜いてもソフトウェアは正常に動作します。どうやら匿名の使用状況が送信されているようです。
初期設定で停止する方法を発見したのでご紹介します。
Windows・Mac
【Edit】→【Preferences】→【Privacy】
Anonymous Usage Tracking → OFFにする(匿名の使用状況送信を停止)
Topaz Photo AI の概要
Topaz Photo AI 3.0 は、AIを活用した「ノイズ除去技術・シャープネス向上技術・スケールアップ技術・顔修正技術」など8つの効果を1アプリに融合した機能特化型ソフトウェアです。
これらのエフェクトは、PhotoshopやLightroom classicの品質を上回るものが多く、写真画質の向上に大きく寄与します。
Topaz Photo AI 3.0 の運用は、RAW現像ソフト(CameraRAW・Lightroom classic・PhotoLab・Capture Oneなど)との併用が前提になります。
8つの画像処理技術を1つに融合
上図は、Topaz Photo AI 3.0 の効果や処理を図形化したものです。画像データをエクスポートするとオートパイロットが写真品質を独自解析し、最適なエフェクトの選別とパラメーターの自動調整をおこなってくれます。
上級者は、エフェクトやパラメーターを独自設定できる「完全マニュアル操作」もできます。
Remove Noise | → ノイズ処理 |
Sharpen | → シャープネス処理 |
Adjust Lighting | → 明るさ調整 |
Balance Color | → カラーバランス調整 |
Remove | → 画像の一部を消去 |
Recover Faces | → 顔の画像修復 |
Preserve Text | → テキストを維持した画像処理 |
Upscale | → 画像拡大処理 |
メリットとデメリット
▶︎メリット AI処理が決まれば高品質ば画像に仕上がる
AIを活用した「シャープネス処理・ノイズ処理・顔修復機能・アップスケーリング処理」は、写真品質の向上に大きく寄与します。販売価格(199ドル)は決して安価といえませんが、価格に見合う感動を体験できるはずです。カメラマンはもちろん、写真や図形を扱うデザインやDTP業務においても絶大な効果を期待できるはずです。
▶︎デメリット 高性能なパソコンが必要
AIを活用するソフトウェエア全般に共通することですが、PCスペックが低いと快適な動作は望めません。Topaz Photo AIを快適に扱うためには高性能グラフィックスボードが必要です。
Topaz Photo AI 3.0 が凄いと言われる理由
Topaz Photo AI 3.0 は、今回の大型アップデートで、ディープラーニング技術を活かした「さらなる画質向上」「解像度の向上」「初心者にも優しい自動調整機能」など、既存機能が大幅に改善。色被りや明るさを補正する機能がJPEGなど(RAW非対応)で利用できます。
また、処理速度の向上も見逃せません。
AIを活用した自動調整機能
AIを活用した画像処理エンジンは、写真データの対象(被写体や顔)や状態(ノイズやボケレベル)を自動的に判別し、画像品質の向上に効果的なエフェクトとパラメーターを自動設定します。
エフェクトの選択やパラメーター調整を手動調整したい上級者向けに、オートパイロット機能をOFFすることもできます。
▶︎メリット
ソフトウェアを初めて使う初心者でも、Topaz Photo AI 3.0 を導入した即日に一定水準以上の高品質で処理できます。
最高レベルのシャープネス能力
Topaz Photo AIが搭載するSharpenは、従来のシャープネス処理とは異なり、品質不良の原因(手ブレやピンボケ)を特定し、個別のシャープネス処理を施します。
超望遠レンズやテレコン併用で失った解像度や手ブレを解析し、AIが何百万枚以上の写真修復から学習した記憶を活かし、AIが欠損ピクセルを修復することでディテール情報を予測し、解像度を最高水準レベルまで引き上げます。
▲サンプル画像
α7RV + FE 600mm F4 GM OSS + SEL14TC ISO 320
トンビの飛翔シーン(2023/10/06撮影)
効果を比較
比較写真です。Sharpen Standard(Standard v2は現在Standardに名称変更されました) 処理後は、くちばしの質感や羽毛の精細感が向上しました。
鮮明でクリアなノイズ処理
高ISO撮影時の輝度ノイズやカラーノイズ除去にAIを活用することで、ベールを脱いだようなクリアで鮮明な画像を生成します。また、画像のディテールとノイズの違いを正確に判断し、魔法のようなノイズフリーと解像度を両立します。
ただし、RAWデータのノイズ除去は、個人の主観になりますが競合ソフトに劣る印象です。
▲サンプル画像
α7III + FE 24-105mm F4 G OSS ISO 3200
ヤワラート(2019/11/30撮影)
効果を比較
α7IIIは、ISO3200で撮影しても高感度ノイズが少ないカメラです。それでもジュース後方のダンボールや手前の看板にカラーノイズと輝度ノイズが発生します。Remove Noise Normal処理後は、ノイズを消すことができました。
不鮮明な顔をリアルに復元
2023年に導入された画期的な Face Recovery AI は、低解像度やピントの甘い写真から「顔」を自動判別し、AIエンジンが目、口、鼻、髪の毛などを考慮した処理をおこない、失ったディテールを引き上げます。
▲サンプル画像
α7III + FE 85mm F1.8 ISO 400
バンコクオートサロン(2019/12/12撮影)
効果を比較
ピントが外れた状態です。一般的にはシャープネス処理で救済しますが、粒子感やエッジが荒れて満足な結果が得られません。Face Detectionを適用すると、顔のパーツを認識した処理が行われ、まつ毛も肌の質感もリアルに救済できました。
文字を考慮した処理
AIを活用した画像処理は、パラメーターを強く設定すると文字が崩れがちです。Preserve Textは、エフェクトと併用することで、文字の崩れを抑えることができます。
AI系処理で文字を保護できる機能は、Topaz Photo AIが世界初になります。
効果を比較
Sharpenのみの処理は「救助用」の日本語フォントが認識できないレベルまで崩れました。Preserve Textを併用することで、日本語が認識できるレベルで処理されました。
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Topaz Photo AI 3.0 の 新機能・改良点
Topaz Photo AI 2.4で採用された機能や変更点を紹介します。
一新されたUIと作業の流れ
写真をインポートするとオートパイロットが動作します。画像がAI解析され、最適なフィルターが操作パネルに表示されます。パラメーターは下記要素を考慮して自動設定されます。
- ファイルの種類
- メタデータ、ISO、カメラ情報、レンズ情報など
- ノイズの重大度と種類
- 被写体の検出とぼけレベル
- 人間の顔と顔の質
- 画像サイズと解像度
AIが写真の要素を自動判別し、AIが最適な処理方法を選択します。ただし、AIによるモデル選択やパラメーター値が必ず正しいとは限りません。
思い通りの仕上がりが得られないときは、AIにより自動選択されたフィルターを削除したり、AIにより自動選択されなかったフィルターを手動で適用し、パラメーターを自分好みに調整できます。
Topaz Photo AI 3.0 被写体と相性
Topaz Photo AI3.0 と相性の良い被写体
Topaz Photo AI 3.0 と相性の良い被写体は、画像に文字を含まないものと相性が良い傾向です。
また、高速シャッターやレンズ解放F値が暗く高ISOを頼らずを得ない超望遠レンズを活用するシーンで絶大効果を発揮します。
Preserve Text の期待度
Topaz Photo AI 2でPreserve Textが搭載され、AIが苦手としてきた文字を含む被写体も気にならないレベルで処理できるように進化しました。
車両にスポンサーロゴが貼られたレーシングカーは、バージョン1時代は相性の悪い被写体でしたが、Preserve Textの搭載により違和感なく処理できるようになりました。
・街中の写真(看板が入るもの)
デザインや印刷用途にも使える
Topaz Photo AI 3.0 のUpscale機能は、デザイナーの武器になると信じています。ネット普及に伴い、依頼主から提供される写真サイズが年々小さくなりがちですよね。
Webや動画用途なら問題ありませんが、商業印刷においては「画素数が足りない問題」に直面します。そのような時、画像劣化を最小限度に抑えつつ拡大処理できるTopaz Photo AI 2は、最大の武器になるはずです。
Topaz Photo AI 3.0 のレビュー
Sharpen Standard は最高レベルの性能
▲サンプル画像
α7III + FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS ISO 400
四日市コンビナート(2020/6/28撮影)
効果を比較
Topaz Sharpen AI時代から愛用中ですが、以前はエッジに偽色が付着しやすい傾向でしたが、バージョンアップにより気にならなくなりました。Photoshopのシャープ処理は、パラメーターを強く設定するとハロが目立ちますが、Sharpenはハロの発生を最小限度に抑えることができます。
とくにAIモデル「Standard」は、最高レベルのシャープネス性能を引き出せます。個人的な主観ですが、テレコン装着時の補正と相性が良いと思います。
Remove Noise はディテールが際立つ進化
Topaz DeNoise AIは、ノイズ除去が強力すぎ「塗り絵感」を感じましたが、バージョンアップ後は立体感を損なわず、意図的にノイズを残すこともできます。
究極のノイズ処理という意味では、DxO PureRAWに一歩及ばないよいうのが個人的な主観ですが、Topaz Photo AI 2は週単位でバージョンアップされています。AIモデル「RAW Normal」のセットアップ次第では、DxOの性能に迫る可能性を秘めています。
Face Detection は顔を自動認識して実用レベルに修復
顔の修復機能は、解像度が劣る小さな画像でもAIが顔の各パーツを認識して、驚愕レベルで修復してくれます。
Stable Diffusionで作成したAI画像生成の拡大処理に効果を期待できそうです。
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Topaz Photo AI 3.0 の使い方
Topaz Photo AI 3.0 は、バージョンアップにより操作画面が大幅に変更されました。というわけで、バージョン3.0.0を使い、基本的な操作方法を解説します。
画像の取り込み
▲ソフトウェアを起動し、作業画面を開きます。写真ファイルをドラック&ドロップします。
操作パネルの解説
Topaz Photo AI 3.0 は、最初にAIが作動し、合計8つのエフェクトから「実際に使用するエフェクト」のみが表示される仕様に変更されました。
ただし、柔軟さを備えており、エフェクトを削除したり追加することが可能です。最初は戸惑うかもしれませんが、基本的な操作方法に変わりありません。使い込めば慣れるはずです。
AUTOPILOT による自動調整
画像を読み込むと、AIが画像内容を解析します。プレビュー画面内にAUTOPILOTの進行状況が表示されます。
AIが有効と判断したエフェクトが自動選別され、操作画面に表示されます。同時にパラメーターも自動調整されます。
自動選別されたエフェクトの背景(グレーの部分)をクリックすると、詳細画面が表示されます。適用されたAIモデルやパラメーター値を確認できます。
AIによる自動設定値で満足な結果が得られない時は【AIモデルの変更】や【パラメーターの手動調整】をおこない、自分好みに調整できます。
自動選別されたエフェクトが不要と判断したときは、ゴミ箱ボタンをクリックすると消去できます。
任意のエフェクトを追加したいときは【Add Enhancement】ボタンをクリックし、エフェクト一覧を表示します。適用したいエフェクトをクリックすると有効化できます。
※データ形式(RAWやJPEG)などによって、表示されないエフェクトもあります。
各エフェクトの操作方法
Remove Noise の使い方
Remove Noiseは【ノイズ除去】を担当するエフェクトです。
元画像がRAW形式の場合とそれ以外の形式(JPEG・TIFF)の場合で表示画面が異なります。
RAWデータに適用されるAIモデルとパラメーター
設定 | パラメーター |
RAW Nomal 標準的なノイズ処理 |
Strength(ノイズ除去の強さ) 1〜100 Minor Deblur(シャープネス調整) 1〜100 |
RAW Strong ノイズが多い時に効果的な処理 |
Strength(ノイズ除去の強さ) 1〜100 Minor Deblur(シャープネス調整) 1〜100 |
ヒント Minor Deblurは、Sherpen使用時は使用しない。
Jpeg・TIFF形式などに適用されるAIモデルとパラメーター
設定 | パラメーター |
Nomal 標準的なノイズ処理 ※圧縮ノイズ除去にも有効 |
Strength(ノイズ除去の強さ) 1〜100 Minor Deblur(シャープネス調整) 1〜100 Original Detail(元画像の混合具合) 1〜100 |
Strong ノイズが多い時に効果的な処理 |
Strength(ノイズ除去の強さ) 1〜100 Minor Deblur(シャープネス調整) 1〜100 Original Detail(元画像の混合具合) 1〜100 |
Extreme 激しいノイズに効果的な処理 ※ディテールを犠牲 |
Strength(ノイズ除去の強さ) 1〜100 Minor Deblur(シャープネス調整) 1〜100 Original Detail(元画像の混合具合) 1〜100 |
ヒント Minor Deblurは、Sherpen使用時は使用しない。
高度な処理
Edit Subjectをクリックして、マスクの自動選択および手動選択もできます。
Sharpen の使い方
Sharpenは【シャープネス向上】を担当するエフェクトです。
一般的なシャープネス処理とは異なり「手ぶれ、被写体ぶれ、フォーカスのずれ」などの写真修復に効果的です。
AIモデルとパラメーター
設定 | パラメーター調整 |
Standard 標準的なシャープネス処理 |
Strength(シャープネスの強さ) 1〜100 Minor Denoise(シャープ化に伴うノイズを除去) 1〜100 |
Strong 強力なシャープネス処理 |
Strength(ノイズ除去の強さ) 1〜100 |
Lens Blur ピンボケや解像度の低いレンズに適したシャープネス処理 |
Strength(シャープネスの強さ) 1〜100 Minor Denoise(シャープ化に伴うノイズを除去) 1〜100 |
Motion Blur 手ブレの適したシャープネス処理 |
Strength(シャープネスの強さ) 1〜100 Minor Denoise(シャープ化に伴うノイズを除去) 1〜100 |
ヒント Minor Denoiseは、強いシャープネス処理を掛けた時のエッジノイズなどを和らげます。輝度ノイズ除去ではありません。
高度な処理
Edit Subjectをクリックして、マスクの自動選択および手動選択もできます。
Recover Faces の使い方
Recover Facesは【顔の画像修復】を担当するエフェクトです。
「低解像度の顔・遠くからの撮影で顔が小さい」などの写真修復に効果的です。
パラメーター
設定 | パラメーター調整 |
Strength | Strength(フェイスリカバリーの強さ) 1〜100 |
ヒント Recover Facesを鮮明に撮影されたポートレートや焦点がずれた顔の写真に適用すると、違和感が生じることがあります。
高度な処理
1枚の写真に複数人写っている時は【Selection】をクリックして、顔を選択できます。
AIが顔を自動認識すると黄色い枠で表示されます。不要な顔の選択エリアをクリックするとグレー表示になり選択から外れます。【Close】ボタンをクリックすると決定されます。
Preserve Text の使い方
Preserve Textは【文字を綺麗に表示】するためエフェクトです。
AI処理により文字の形が崩れる場合に有効です。
▶︎方法1 Preserve Textを画像全面に適用する方法
下段のSelect AIIボタンをクリックすると写真全体がマスク適用範囲として設定されます。
画像全体がマスク選択(赤部分)されたらApplyボタンをクリックします。
AIモデルを選択して、パラメーターを調整します。
AIモデルとパラメーター
Low Resolution 小さな文字の最適化に効果的 |
Strength(文字保護の効き具合) 1〜100 |
Noisy / Compressed ノイズが多い・圧縮ノイズが多い場合に最適化 |
Strength(文字保護の効き具合) 1〜100 |
▶︎方法2 Preserve Textを選択部分のみに適用する方法
Select Noneボタンをクリックすると任意の場所のみにマスクを適用できます。
ブラシ選択ツールのAddボタンをクリックします。円形ブラシが表示されるのでBursh Sizeのパラメーターを調整し、希望の大きさに設定します。文字を保護したい部分を振り潰したらApplyボタンをクリックします。擦りすぎた時は、Subtractボタンに切り替え消去します。
その後、AIモデルを選択して、パラメーターを調整します。
※円形ブラシを利用したマスク処理は、高レベルのパソコンスペックを必要とします。低スペックのパソコンでは、追従性が極端に悪くなることがあります。
Upscale & Resize の使い方
Upscale & Resize は【画像サイズの拡大縮小】を担当するエフェクトです。
写真の精細度を保ったまま最大600%まで拡大できます。
AIモデルとパラメーター
設定 | パラメーター |
倍率指定 | 倍率を数値で指定 倍率を「2倍・4倍・最大」で指定 倍率を「ピクセル単位」で指定 |
Standard 標準的な写真 |
Minor Denoise(圧縮ノイズなどの軽減) 1〜100 Minor Deblur(ボケ軽減) 1〜100 Fix Compression(圧縮ノイズ軽減) 1〜100 |
High Fidelity 元画像に忠実 |
Minor Denoise(圧縮ノイズなどの軽減) 1〜100 Minor Deblur(ボケ軽減) 1〜100 Fix Compression(圧縮ノイズ軽減) 1〜100 |
Graphics GC画像や図形 |
Minor Denoise(圧縮ノイズなどの軽減) 1〜100 Minor Deblur(ボケ軽減) 1〜100 |
Low Resolution 低解像度・圧縮ノイズが多い写真 |
Minor Denoise(圧縮ノイズなどの軽減) 1〜100 Minor Deblur(ボケ軽減) 1〜100 |
ヒント Minor Denoiseは、補完処理時のエッジノイズなどを和らげます。輝度ノイズ除去ではありません。Minor DeblurとSharpen併用はシャープネスが過剰になります。
保存方法
作業画面右下にある「Save Imageボタン」をクリックします。
Export Settingsの画面が開きます。保存場所やファイル形式などを指定します。
右下の「Saveボタン」をクリックすると画像が保存されます。
FILENAME 保存ファイル名 |
標準設定はファイル名に「-topaz」が追加されます。 |
SAVE TO 保存先 |
Original Folder 元画像と同じフォルターに保存 Browse 保存フォルダーを指定する |
FORMAT 保存形式 |
画像ファイル形式 JPEG = 品質レベルを1~100の範囲で設定可能 PNG = 圧縮レベルを0〜9の範囲で設定可能 TIFF = 圧縮方法・8/16bitを設定可能 DNG |
Topaz Photo AI 3.0 の価格
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Topaz Photo AI 3.0 は、同社公式サイトで絶賛販売中です。
※家電量販店の店頭や通信販売(Amazonなど)では販売されていません。
価格
販売元のTopaz Labs社はアメリカ企業のため、購入時の通貨はドル決済になります。
価格は199ドルです。日本円に換算すると約2万9500円(円ドルレート148円で算出)になります。
Topaz Photo AI 1年間のアップデート権利付 | 199ドル |
アップデート価格 1年間のアップデート権利付 | 99ドル |
Topaz Photo AI 3.0 の発売日は、2024年4月12日です。
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1年間アップデート権利付きの買い切り
Topaz Photo AIは、購入後1年間の更新権利付きの「買い切りタイプ」です。
購入後1年が経過すると更新できなくなりますが、更新期間中にリリースされたバージョン(上図オレンジ期間)を使い続けたり、ソフトウェアをダウンロードできます。契約解除と同時にソフトウェアが使用できなくなるサブスクリプション契約より、ユーザーに優しい仕組みといえます。
仮に半年間は更新をせず、魅力的なバージョンがリリースされた時に有償更新(99ドル)すれば、再度1年間バージョンアップできます。
ライセンス
ライセンスは、2台のパソコンで使用できます。Windows用とMac用のどちらも使用できます。
2台のパソコンをアクティベートした状態でパソコンを買い換えた時は、使用しないパソコンのライセンスを削除することで新規PCを有効化できます。
※アクティベートにはネット環境が必要です。
1ライセンス(永久) ※1年経過以降のバージョンアップは有償です。 |
2台のコンピュータで同時使用可能 |
Topaz Photo AI 3.0 の日本語
操作メニューが英語表記で日本語非対応
Topaz Photo AI 2は、UIが多言語表示には対応しておらず、操作画面は全て英語表記になります。
個人が作成したメーカー非公認の日本語化パッチも発見できませんでした。
知識があれば、海外ソフトの日本語化パッチの制作は不可能ではないようです。自己責任ですが。
Topaz Photo AI 3.0 の疑問を解決
編集機能が無い
Topaz Photo AIは「シャープネス処理・ノイズ除去・画像拡大」に特化したソフトウェアです。RAW現像ソフト(PhotoshopやLightroom classic)のような、高度な画像編集機能は搭載されていません。
購入方法がわかりづらい
Topaz Labsのソフトウェアのネット購入するやり方を、別ページでわかりやすく解説しています。
Topaz Photo AI 3.0 プラグイン
Plugins | Adobe Lightroom Classic Photoshop&Photoshop Element Capture One Apple Photos |
Topaz Photo AI 3.0 推奨パソコンスペック
CPU:Ryzen 7 5800X グラフィックスボード:RTX 4070Ti 12GB VRAM
Topaz Photo AI v2.4.1
初回プレビュー時間を独自検証
お願い:検証により得た独自データなので、コピペ流用を控えてもらえると嬉しく思います。
Ryzen 7 5800X RTX 4070Ti |
SONY α7RIV 6100万画素RAW |
NIKON D850 4500万画素RAW |
CANON EOS1DX MarkIII 2010万画素RAW |
|||
GPU処理 | CPU処理 | GPU処理 | CPU処理 | GPU処理 | CPU処理 | |
初回プレビュー 顔あり |
13.3秒 | 22.6秒 | 9.6秒 | 11.9秒 | 5.5秒 | 12.8秒 |
初回プレビュー 顔なし |
11.4秒 | 11.4秒 | 12.0秒 | 15.3秒 | 6.5秒 | 9.0秒 |
ちゃんまさ独自テストの結果 ※2024年3月
Topaz Photo AIの初回プレビューが完了するまでの処理時間を独自検証しました。わかったことは、強力なGPUを搭載すると処理時間が速くなります。ただし、高速化できるカメラがあればそれほど速くならないカメラもあります。
書き出し時間を独自検証
Ryzen 5 5800X RTX 4070Ti |
SONY α7RIV 6100万画素RAW |
NIKON D850 4500万画素RAW |
CANON EOS1DX MarkIII 2010万画素RAW |
|||
GPU処理 | CPU処理 | GPU処理 | CPU処理 | GPU処理 | CPU処理 | |
顔なし Jpeg書き出し |
6.0秒 | 5.8秒 | 計測中 | 計測中 | 計測中 | 計測中 |
顔なし TIFF16bit書き出し |
5.4秒 | 5.8秒 | 計測中 | 計測中 | 計測中 | 計測中 |
顔なし DNG書き出し |
19.5秒 | 2:51.4秒 | 計測中 | 計測中 | 計測中 | 計測中 |
ちゃんまさ独自テストの結果 ※2024年3月
Topaz Photo AIの書き出し時間を独自検証しました。
書き出し形式がJPEGやTIFFの場合は、CPU出力もGPU出力も誤差範囲の違いでしたが、DNG形式の時はGPU出力が圧倒的に高速でした。CPU処理と比べて8倍近く高速化できたので、Topaz Photo AIを実用的に運用するにはGPU付きパソコンが必須ですね。
Topaz Photo AI推奨 おすすめパソコン
Topaz Photo AIにおすすめのパソコンは、グラフィックボード付きPCです。BTOパソコンなら「ゲーミングPCの15万円クラス」があれば、書き出し時間を10倍近く高速化できます。
家電量販店で販売している「CPU内蔵GPU」タイプは絶対購入しないでください。
初期プレビュー時間の長さは、ソフトウェアの仕様のため、パソコン性能で大幅短縮するのは難しい状況です。今後のバージョンアップに期待しましょう。
システム要件
Topaz Photo AIは、システム要件で「メモリ32GB」搭載を推奨しています。最小メモリは12GBです。
メモリ容量が少ないと「プレビューに時間がかかる」「書き出しに時間がかかる」「作業中に固まる」などのデメリットが生じやすくなります。
快適に動作する推奨システム構成は、システムメモリ32GB、グラフィックカードのVRAMは8GB以上。NVIDIA RTX 3000以上が推奨なので、動画編集ソフト並みのハードが必要です。
最低システム
Windows ※2024年3月現在 | ||
最小 | ||
OS | Windows10 /11 | |
CPU | Intel 2013年以降(AVX instructions) AMD 2013年以降(AVX instructions) |
|
システムメモリ | 16GB | |
グラフィック | NVIDIA GTX 980Ti 以上 4GB VRAM AMD Radeon 570 以上 6GB VRAM Intel UHD 600 Graphics 以上 16GB RAM |
macOS Intel ※2024年3月現在 | ||
最小 | ||
OS | Big Sur 11以降 | |
CPU | Intel(AVX instructions) | |
システムメモリ | 16GB | |
グラフィック | 2GB VRAM |
macOS Silicon ※2024年3月現在 | ||
最小 | ||
OS | Big Sur 11以降 | |
CPU | Appleシリコンプロセッサー | |
システムメモリ | 8GB | |
グラフィック | Appleシリコンプロセッサー |
アップデート情報
2024年3月29日、Topaz Labsは、Topaz Photo AI最新版「バージョン2.4.2」をリリースしました。購入後1年以内の正規ユーザーは無償アップデートできます。
2.4.1 からの変更履歴
- 機能拡張のための有効/無効切り替えを追加
- 強化履歴全体に対する処理を追加
- アップスケーリング時にプレビュー領域を調整するための設定を追加
- Fuji X100VIカメラからの画像のエクスポートのサポートを追加
- 大規模なバッチのアップロード速度が大幅に向上
- Windowsでアプリ内インストーラーが動作しない問題を修正
- エクスポートの最後に発生するクラッシュを修正
- Upscale で「現在の設定を適用」を使用する場合の問題を修正
- ようこそ画面の壊れたヘルプガイドのリンクを修正
- 間違ったデータを表示するプラグインの寸法ダイアログを修正
- 右クリックメニューが間違った設定ページにリダイレクトされる問題を修正
- Lensfunの自動アップデート
まとめ
私は、Sharpen AIを中心に単独利用してきましたが、Topaz Photo AIのバージョン2.0.0リリース以降は、完全に Photo AIのみを利用するようになりました。シャープネス処理に関しては、Sharpen AIバージョン4.1よりTopaz Photo AIバージョン3.0 の方が高品質です。
Topaz Labs 公式ショップ
- Topaz Labs公式
- Photo AI 199ドル
- Gigapixel AI 99.99ドル
コメント