ソニーα7iii 仕事で2年間使って見えた長所と弱点を本音レビュー

カメラ

みなさん、どもっ!

ソニーα7iiiが発売されたのは2018年3月23日、筆者はこのカメラを発売日当日にソニーストアで購入。二年間、メインカメラとして写真撮影から動画まで、あらゆる制作業務で使用しました。

晴れの日も雨の日も。暑い日も寒い日も。サーキットで24時間酷使したこともありました。α7iiiは万能機だけに、廉価な販売価格を実現するため切り捨てられた部分があります。クルマで例えるなら「プロボックスやハイエース」のような存在。

2年間、使い続けたからこそわかるソニーα7iiiの「長所」と「弱点」を、いち制作者の独り言としてまとめてみました。

あくまでも個人的な感想です。

 

ソニーストア

α7iiiカメラレビュー 良い点

筆者がα7iiiを二年間使って感じたことは、デメリットよりもメリットが上回ることです。旧型にくらべてバッテリーの持ちが劇的に向上し、モードダイヤルのロック機能がない点も使いやすい。

筆者のような動画撮影する者にとっては、モードダイヤルのワンクリックだけでスローモーション撮影できる点は賞賛に値します。

まさに、ミラーレス一眼の革命児ですね。

旧型と比べてバッテリー寿命が飛躍的に伸びた

ソニー第二世代のカメラ(α7IIやα6500など)は、バッテリーに「NP-FW50」というタイプを使用していました。麻雀牌ぐらいの大きさで容量が小さく、動画撮影を1日行うためには5本以上ストックしていないと不安になるぐらいバッテリーが持ちませんでした。

α7iiiは、ユーザーの要望に応えるべく新型バッテリー「NP-FZ100」を搭載。弱点だったバッテリーライフの短さを改善しました。写真撮影ならバッテリー1本で1日撮影できるようになりましたし、動画撮影も2本あれば1日余裕で収録できるようになりました。

動画撮影時の発熱警告が表示されなくなった

4K撮影を目的にα6300を購入しましたが本体の発熱ぶりに驚きました。使い捨てカイロぐらい熱くなるんですよ。動画撮影を続行すると、液晶モニターに「発熱警告」が表示され、さらに続行すると強制終了する問題を抱えていました。α6500は、すぐに停止することはありませんでしたが温度警告は表示されていました。

その点、α7iiiは、万全の対策が施されたようで、4K撮影や120Pで撮影しても、温度警告されなくなりました。真夏の撮影を2度経験しましたが強制終了は発生せず、信頼性が飛躍的に向上しました。

望遠レンズでもAFが高速動作する

α7iiiと同時期にFE100400 F4.5-5.6 GM OSSを購入しました。AF性能は、さほど期待してなかったのですが、動きものにも高速で合致します。AF性能については、当時のミラーレス機の中ではダントツでした。

画質についてもGMのロゴに恥じないクリアで緻密な描写に仕上げられています。AF性能と画質が良いので「1.4倍テレコンバーター」が実用的に使用でき、撮影フィールドを広げてくれました。現在はFE200−500mmF6.3 G OSSが発売され状況が変化しましたが、動画撮影ならFE100400 F4.5-5.6 GM OSS+1.4倍テレコンバーターの組み合わせの方が使い勝手が良いと思います。

 

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α7iiiカメラレビュー 改善してほしい点

α7iiiを2年間使い続けた過程で、SDカード関連の不安定な挙動にヒヤヒヤしながら撮影した時期がありました。しかし、メーカー開発陣がファームウェア更新で対策を施してくださったおかげで、SDカード関連のトラブルは発生しなくなりました。

しかし、本体ソフトウェアアップデートVer.3.10を適用した時、すべてのレンズでマニュアルフォーカス時のピント拡大機能が作動しなくなりました。解決法が見つからない状態で使い続けていたら、ある日突然、作動するように・・・。少なからず不安定な箇所は残っているようです。

α7iiiを使いこなす秘訣は、カメラマンがカメラに合わすこと。そうすることでイライラは解消できます。

その他「改善できたらなぁ」を思うことを、メモ帳がわりに書き出してみました。

ストロボ撮影時、オートプレビュー画像の色味が実画像と異なる

α7iiiでストロボ撮影した時の写真を「オートプレビュー」で書くんすると、実際の撮影データとホワイトバランスが大きく異なります。サムネールの色調と実画像の色調がかけ離れている時があります。この点が改善されると「いいな〜」と思います。

マルチインターフェースシューの信頼性と雨害

ソニーαのストロボは、独自のマルチインターフェースシューを採用しています。細かな通信線を経由して外部マイクの電源供給や音声通信をおこなうことができます。しかし、あまりにも繊細なので、雨が少しでも侵入すると腐食してトラブルが発生するそうです。

私は雨に濡らしたことがありませんが、一時的な接点不良によりストロボや外部マイクを「社外品」と誤認識し、警告表示されることが2度ありました。サポートのアドバイスで接点をアルコールで清掃すると症状が出なくなりました。撮影前の清掃は欠かせません。

撮影素子にゴミが付着しやすい

α7iiiの撮影素子は、シャーター幕が常時開いた状態なのでゴミが侵入しやすい傾向です。写真撮影は、万が一ゴミが付着しても画像処理で修正できますが、動画素材は全損になる可能性があります。

対策法は、エアーダスターを常に持ち運ぶこと。「朝一、レンズ交換時、昼、休憩時間」など、空いた時間にゴミのチェックが欠かせません。意外な盲点が、ボディキャップ裏面に付着した埃。キャップの裏側も、しっかり清掃する必要があります。これだけ配慮しても不安が残ります。

AF測距時の絞り制限撤廃とクロスセンサー化を熱望

動き物を撮影する時、位相差AFが作動する絞り値を厳守しなくてはならないソニー独自の掟があります。α9は、特定のレンズと組み合わすことで回避できますが、普及モデルは解決法がない状況です。

動画撮影は「実絞り」で収録するので仕方ありませんが、写真撮影時だけで構いませんので「AF作動時の絞り値上限」を設定できないでしょうか。ニコンは必要以上に絞らないのですよね?

それと、暗所AF性能が芳しくありません。写真撮影時だけで構いませんので「開放測距モード」の搭載や「クロス位相差センサー」は採用できないでしょうか? 中央1点のみでも構いませんので対策していただけると嬉しですね。ピントが測距エリアを無視して全域で合致する点も・・・

まとめ

α7iiiを2年間使用して感じた私なりの「良い点」と「改善して欲しい点」をまとめてみました。地方のカメラマンの「寝言」です(笑

 

α7iiiは、コストパフォーマスに優れた大ヒットモデルです。動画性能や写真画質は「α9」を凌駕していると思います。

近い将来、α7IVが発売されると思いますが、α9iiやα7RIVのモデルチェンジから考察すると「リアルタムトラッキング」が搭載される程度の小変更に抑えられるかもしれません。

α7IVは購入すると思いますが、α7iiiはスーパーサブ機として使い続けると思います。

α7iiiは本当に良いカメラです!

 

最後までお読み頂きありがとうございます

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