SC-PX1Vがついに発売決定! 旧型からの進化を考察する

スポンサーリンク
プリント

製品購入前の注意

製品に付属するインクはセットアップで使い果たします。プリンター本体+「交換インクと排インクタンク」を購入する必要があり、このプリンタの性能維持するにはランニングコストが掛かります。

ランニングコスト(本体・交換インク・廃インクタンク・用紙の総額)を考慮すると、L版1500枚印刷時の単価は、1枚あたり80円ぐらいになります。その点を納得されてから購入することをお勧めします。

約5年ぶりのフルモデルチェンジ

エプソンのインクジェットプリンターの中で「プロ〜ハイアマチュアのフォトグラファー」に絶大な人気を誇るプロセレクションシリーズ。

その最新型が、2020年7月9日に発売された「SC-PX1V」です。旧型からの進化を中心に情報をまとめてみました。

旧製品のスペックのおさらい

SC-PX7VII A3ノビ対応の顔料8色インク機

 

画像引用:エプソン https://www.epson.jp/products/pro/

プロセレクションシリーズのエントリーモデル。用紙サイズはA3ノビに対応し、顔料8色インクを採用する。ブラックインクは、フォトブラック(光沢紙用)とマットブラック(つや消し用紙用)の2色用意するが、マットブラックはブルーインクと同スロットを使用するため、ブルーインクを使用する場合はマットブラックは使用できません。ツヤ消し印刷時にはブルーインクが使えない上、インク交換時に大量のインクを消耗するという残念な仕様です。

インクは全色顔料インクのため長期保存に優れ、耐オゾン性35年、耐光性80年、アルバム保存200年。5760×1440dpi、最小インクサイズ1.5plの高精細プリントを実現する。

販売日は、2015年10月。市場価格の最安値は59,000円前後(2020年6月時点)でした。廃インクタンク交換は修理扱いになります。

SC-PX3V

 

画像引用:エプソン https://www.epson.jp/products/pro/

プロセレクションシリーズの高品位モデル。用紙サイズはA2ノビに対応し、新開発のEpson UltraChrome K3インク(顔料8色)を採用する。黒色のフォトブラックとマットブラックは専用カートリッジに装着できるが、印刷時はどちらかを選択して使用する。

インクは全色顔料インクのため長期保存に優れ、耐オゾン性60年、耐光性60年、アルバム保存200年を実現。2880×1440 dpi、最小インクサイズ3.5plの高精細プリントを実現する。

販売日は、2015年5月。市場価格の最安値は112,000円前後でした。廃インクタンク交換は修理扱いになります。

SC-PX5VII

 

画像引用:エプソン https://www.epson.jp/products/pro/

プロセレクションシリーズの高品位モデル。用紙サイズはA3ノビに対応し、新開発のEpson UltraChrome K3インク(顔料8色)を採用する。黒色のフォトブラックとマットブラックは専用カートリッジに装着できるが、印刷時はどちらかを選択して使用する。

インクは全色顔料インクのため長期保存に優れ、耐オゾン性60年、耐光性60年、アルバム保存200年を実現。5760×1440dpi、最小インクサイズ2plの高精細プリントを実現する。

販売日は、2015年5月。市場価格の最安値は68,000円前後でした。廃インクタンク交換は修理扱いになります。

性能比較

新発売 SC-PX1V(SC-PX1V)と旧型機の主な仕様
型式 用紙サイズ インク L版印刷コスト
税別
発売時期 市場最安価格(税込)
2020年6月時点
SC-PX1VL A2ノビ 顔料 9色(96)
5760×1440dpi
最小1.5pl
18.9円 2020年7月 158,200円前後
価格com
SC-PX1V A3ノビ 顔料 9色(97)
5760×1440dpi
最小1.5pl
18.9円 2020年9月予定 89,100円前後
価格com
型式 用紙サイズ インク L版印刷コスト
税別
発売時期 市場最安価格(税込)
2020年6月時点
SC-PX7VII A3ノビ 顔料 8色(ラベンダー)
5760×1440dpi
最小1.5pl
21.7円 2015年10月 59,000円前後
SC-PX3V A2ノビ 顔料 8色(89)
2880x1440dpi
最小3.5pl
16.9円 2015年5月 112,000円前後
※在庫限り
SC-PX5VII A3ノビ 顔料 8色(竹)
5760×1440dpi
最小2pl
18.9円 2014年11月 68,000円前後
※在庫限り

SC-PX1シリーズは、旧型のPX3VおよびPX5VIIの基本コンポーネンツを流用。PX7VIIのヘッド技術、解像度、最小インク、青色インクを継承しならがノズル部分を10色分に拡大した機種だと思われます。

SC-PX1V(SC-PX1V)のメリット箇条書き

●インクの切り替えが不要に!
SC-PX1Vシリーズは、従来機は光沢とつや消し印刷する場合、インクを切り替える必要がありました。SC-PX7VIIでブルーインクを使用する場合も同様です。

SC-PX1Vシリーズは、インク全色に専用ノズルが割り振られているためインク交換する必要がなくなり、清掃に伴うインク消費を抑えることができます。

デメリットとして、インク清掃のため大量のインクを消費しました。

●新型インクに進化!
インクは顔料インクを採用。新開発Epson UltraChrome K3Xインク(顔料9色)に変更され、ブルー領域の階調表現と黒濃度が向上しました。

●廃インクタンクが取り替え可能!
従来機種は、排インクタンクが満タンになるとエラー表示され、修理対応による交換作業が必要でした。工賃や送料の総額は2万円ぐらいの出費が必要です。

SC-PX1Vシリーズは、廃インクタンクが自分で交換できるようになりました。費用は2,000円ぐらいで済みます。

廃インクタンク品番 SCMB1 ※価格は約2,000円です。

●大幅な小型を実現!
SC-PX1Vシリーズは、本体サイズが従来機種より1サイズ小さくなりました。

70%小型化

●その他メリット
Wi-Fiの5GHz対応・出力時間の短縮・モニタサイズが大型化

SC-PX1V(SC-PX1V)の残念な点・・・

●印刷コストが高い
SC-PX1Vシリーズは、発表当時に印刷コストが発表されませんでしたが、つい最近ようやく発表されました。

L版印刷コスト:18.9円(税別) ※SC-PX7VIIは21.7円

高コスト体質に変わりありませんね。

コストを重視するならEP-50VAやEP-30VAが狙い目ですね。

SC-PX1Vの交換インクはIC10CL97ですが、10色セットの価格は22,000円前後の出費を覚悟する必要があります。印刷可能枚数は不明です。

SC-PX1VLとはインク品番が異なります。SC-PX1VL用インクは大容量化されているようですが、印刷コストは変わりありません。(印刷コストが下がると思ったのですが・・・)

実際に運用すると、10色あるので毎月のようにインクを買い足す必要があると思われます。

印刷コストを試算

インク 最大用紙サイズ L版印刷コスト
(税別)
新型SC-PX1VL 顔料インク9色 ※10色(96) A2ノビ 18.9円
新型SC-PX1V 顔料インク9色 ※10色(97) A3ノビ 18.9円
SC-PX3V 顔料インク8色 ※9色(89) A2ノビ 16.9円
SC-PX5VII 顔料インク8色 ※9色(竹) A3ノビ 18.9円
SC-PX7VII 顔料インク8色 ※9色(ラベンダー) A3ノビ 21.7円
EP-50VA 染料インク6色(ヨット) A3ノビ 12.7円
EP-30VA 染料インク6色(ヨット) A4 12.7円
EP-50V 染料インク6色(ソリ) A3ノビ 12.7円

SC-PX1Vは、インクを10色同時に交換すると約22,000円のコストがかかります。廉価プリンター本体が購入できる価格が必要です。

SC-PX1Vと旧型SC-PX5VIIをスペック比較

▶︎ 用紙

用紙サイズ
SC-PX1V L判、KG、2L判、ハイビジョン、六切、四切、A6縦~A3ノビ縦
郵便ハガキ、郵便往復ハガキ
レーベル印刷
SC-PX5VII L判、KG、2L判、ハイビジョン、六切、四切、A6縦~A3ノビ縦
郵便ハガキ、郵便往復ハガキ
レーベル印刷

用紙サイズは両機種ともA3ノビに対応する。新型はディスクレーベルプリント印刷が可能に。

▶︎ インク

インク
SC-PX1VL Epson UltraChrome K3Xインク(顔料9色)
フォトブラック、マットブラック、シアン、ビビッドマゼンタ、イエロー、ライトシアン、ビビッドライトマゼンタ、グレー、ライトグレー、ディープブルー
SC-PX5VII Epson UltraChrome K3インク(顔料8色)
フォトブラック、マットブラック、シアン、ビビッドマゼンタ、イエロー、ライトシアン、ビビッドライトマゼンタ、グレー、ライトグレー

インクは新開発Epson UltraChrome K3Xインク(顔料9色)に変更され、ブルー領域の階調表現と黒濃度が向上した。また、プリンタードライバーに色調表現を繊細にコントロールできる「モノクロ写真モード」を装備する。

▶︎ インクの切り替え

インクの切り替え
SC-PX1VL 切り替えなし
SC-PX5VII フォトブラックとマットブラック切り替え

インクについては、旧型はフォトブラックとマットブラックについて印刷時にどちらかを選択して使用したが、新型はシームレスに使用できるように改善された。

▶︎ 解像度と最小インク

SC-PX1VL 5760×1440dpi 最小1.5pl
SC-PX5VII 5760×1440dpi 最小2pl

解像度は両モデルとも5760×1440dpiで違いはないが、最小インクサイズが2plから1.5plへ細粒化された。

▶︎ 本体サイズ

使用時の外形寸法・重量
SC-PX1VL 515×368×185(mm) 約12.6kg
SC-PX5VII 616×369×228(mm) 約15.0kg

旧型にくらべて体積比70%の小型化を実現。重量も2.4kg軽量化された。

▶︎ 出力時間

出力時間
SC-PX1VL 約44秒L判写真用紙<光沢> 約3分17秒A3ノビ写真用紙<光沢>
SC-PX5VII 約2分33秒A3ノビ写真用紙<光沢>

印刷時間は、L版は旧型が非公開のため検証できず、A3ノビサイズで44秒の短縮を実現した。

▶︎ ネットワーク

ネットワーク
SC-PX1VL 10BASE-T/100BASE-TX、USB、IEEE802.11b/g/n/a/ac (Wi-Fi 5)
Wi-Fi Direct対応
SC-PX5VII 10BASE-T/100BASE-TX、USB、 IEEE802.11b/g/n
Wi-Fi Direct対応

新型はWi-Fi® 5GHzにも対応し、電波干渉が起きにくく安定した通信が可能になる。Wi-Fi Directは両モデルともに対応する。

▶︎ モニタサイズ

ネットワーク
SC-PX1VL 4.3型タッチパネル
SC-PX5VII 2.7型タッチパネル

旧型の2.7型タッチパネルに対して新型は4.3型タッチパネルへ向上した。

▶︎ 廃インクタンク

ネットワーク
SC-PX1VL 交換式メンテナンスボックス採用
SC-PX5VII 修理対応

廃インクエラーが出た時、ユーザーが廃インクボックスを交換できるように改善。地味に嬉しいい改善ポイントです。

結局SC-PX1Vとはどんな機種か?

ノズルやインクはSC-PX7VIIの性能を継承。画期的な進化はありませんが、正常進化を遂げたプリンタといえそうです。

旧SC-PX7VIIのネガの部分

  • ブルーインクとマットブラックが共用できない
  • 廃インクタンク交換が修理扱いで高価
  • ディスク印刷できない

これらのネガの部分を潰し、小型化5GHz対応ディスク印刷の対応などを盛り込んだ機種がSC-PX1Vシリーズと言えそうです。

L版印刷コストは、SC-PX7VIIの21.7円から18.9円に安くなりましたが、SC-PX3Vの16.9円に劣る点は残念です。

長期運用した場合のトータルコストは、排インクタンク交換費用が大幅に軽減できるため、5年間使った場合、2万円節約できそうです。インク交換時、ノズル洗浄の消費も減るので、インクを頻繁に取り替えていた人には大幅なコスト削減が望めそう。

まとめ

SC-PX1Vは、発売直前に延期が発表されケチがつきました。SC-PX1VLは再延期が発表されました。しかし、写真品質のプリンタは、選りすぐりできない状況です。Macユーザーはとくに!!!

エプソンのモデルチェンジは5年ぐらいなので、発売と同時に購入すれば、現行機種を5年間使えます。このあたりは、1年で旧製品になる廉価機とは異なります。

コメント

  1. あやかす より:

    SC-PX7VIIもSC-PX5VIIもCDレーベル印刷できますよ。
    PX3VなどのA2サイズはできなかったので、PX1VLでCDレーベル印刷ができるようになったのは嬉しい改良ですね。

    • Chan-masa Studio Chan-masa Studio より:

      あやかすさん
      レベル印刷の件、ご教示ありがとうございます。感謝です!

タイトルとURLをコピーしました