Text & Photo ちゃんまさ
今まで写真中心の活動をしてきたため、照明機器はストロボ中心に揃えてきましたが、YOUTUBEチャンネルを開設してから動画撮影の機会が増え、LEDライトが欠かせなくなりました。現在使用中のLEDライトは、10年前に購入したAputure製品を愛用中ですが、フラットタイプなので光量不足が気になります。
動画の場合、フレームレートの兼ね合いでシャッタースピードを1/60秒以下に設定できず、写真撮影のようなスローシャッターで露出を稼ぐ方法が使えません。光量不足は高ISO設定で対応する必要があり、高感度ノイズが増加します。
そこで今回、安価な価格で大光量が得られるLEDライトの導入を決意。ネット検索すると、Godoxブランドの「Litemons LA150D」が良さそうな予感。購入するまでの経緯や商品レビューを紹介します。
メリット
●安価で大光量が得られる
●色被りが少ない
●1.4kgの軽量設計
デメリット
●冷却ファンが気になることも
●光が中心に寄りがち
LEDライトを購入した経緯
新しいLEDライトの導入目的は、屋内でYOUTUBE撮影とブログ記事の商品撮影をおこなうことです。
ボーエンズマウントを介してソフトボックスを装着でき、グリッドを装着した状態でも大光量が得られることを条件とします。
現在使用中のLEDライトは、Aputureのフラットタイプなので大光量が得られず、S-LOG3撮影時はISO3200まで上げる必要があります。当然、高感度ノイズ特性が悪化し、ソフトウェアでノイズ低減処理を行う手間が増えます。
また、ライトボックスを装着した状態でトップ光として運用するため、本体重量は軽量なほど好都合です。
これらを考慮すると、購入すべきライトは、価格が安価で、ソフトボックスを装着した状態でもS-LOG3撮影時にISO800撮影でき、本体重量が軽量なことが条件になります。
バイカラー、RGB、5600K固定、フラットの4タイプあり
現在発売中のLEDライトは、下記の4タイプに分類できます。
色温度固定式
色温度をデーライトの5600Kに固定したスタンダードな製品です。発光素子が5600Kのみで構成されるため、最大光量が得られるメリットがあります。価格も安価な傾向です。
色温度可変式(バイカラー)
色温度を電球色から白光色まで可変できる製品です。発光素子が、電球色と白光色で構成されているため、5600Kは、電球色と白光色のミックス光で再現します。そのため、色温度固定式に比べ、5600K設定時の最大光量が低下する恐れがあります。価格は、色温度固定式より割高です。
RGB発光式
発光素子にRGB発光タイプを採用した最新機種です。光の三原色のミックス光で発光するため、電球色や白昼色はもちろん、カラフルな発光もできます。色被りを微調整できる製品もあるようです。ただし、価格設定は、高価になりがちです。
フラット式
小さなLED電球をフラット面に敷き詰めたタイプです。大量の小型LEDが同時発光するため、映り込みが汚くなるデメリットがあります。価格は安価な傾向です。本格的なライトボックスを装着できない欠点があります。
LEDタイプの違いによる個性の違い
色温度可変式やRGB仕様のメリット
現在、LEDライトで人気の高い製品は、色温度が調整できるバイカラータイプです。色温度をダイヤル操作で可変できる点が最大のメリットです。また、最新技術のRGBタイプは、360度のカラー発光できる特徴があります。
バイカラーは色被り補正が面倒!?
LEDライト全般に言えることですが、光源にグリーン被りやマゼンタ被りなど、少なからず色被りがあります。
色温度固定式は、5600Kに対して色補正をおこなえば対処できます。スタジオ撮影する場合、一度設定すれば以後変更する必要がないので、色温度固定式は色被り補正が安易です。
ところが、色温度可変式のバイカラーは、2800Kと6500KのLEDをミックスして色温度を可変する仕組みなので、2800Kと6500KのLEDそれぞれに色被りがあります。さらにミックスされることで、色被り補正の難易度が増します。この調整が面倒なんですよね。
RGB発光式は、グリーン被りやマゼンタ被りを電子補正できる機種もあるようですが、先進技術なので高価です。今後、技術が普及すれば、さらなる性能向上や低価格化が期待できるため、今購入するのは時期早々といえます。
Godox Litemons LAシリーズの商品選択
比較検討の上、コストパフォーマンスに優れるGodox Litemons LA150Dを、購入候補に選定しました。
高出力のGodox Litemons LA200Dもあります。
Godox Litemons LAシリーズのバリエーション
Godox Litemons LAシリーズは、合計4種類のラインナップで展開中です。出力が異なるLA150とLA200の2タイプあり、それぞれに色温度可変式のバイカラー(Bi)と色温度固定式(D)があります。仕様表は、下記の通りです。
LA150Bi | LA150D | LA200Bi | LA200D | |
パワー | 230W | 190W | 230W | 190W |
色温度 | 2800~6500K | 5600K | 2800~6500K | 5600K |
重量 | 1.4kg | 1.4kg | 1.4kg | 1.4kg |
最大光量
光量は、付属のリフレクターを装着した状態で、光源から1m離れた場所で測定した数値になります。公式サイトでは、LA200Biの詳細情報が掲載されていませんが、製品マニュアルに記載されていたのでデータを公表します。
LA150Bi | LA150D | LA200Bi | LA200D | |
リフレクターなし 1m 5600K |
5080Lux | 7030Lux | 6970Lux | 8670Lux |
リフレクターあり 1m 5600K |
66600Lux | 84800Lux | 79200Lux | 101000Lux |
光量的には、LA200Dがもっとも明るいです。ただし、バイカラーのLA200Biは、5600K時の光量が6970Luxにとどまり、LA150Dと明るさが逆転します。そのため、色温度可変式にこだわらず大光量を望むなら、LA150Dの方がコストパフォーマンスに優れます。
LA150Dを選択した理由
色温度可変式にこだわらず大光量を望むなら、コストパフォーマンスはLA150Dに軍配が上がります。経済的にプラス1万円の出費が気にならないなら、LA200Dを導入するのがベストな選択になります。
私的には、LA200Dの導入は予算オーバーなので断念。明るさの点で、もっともコスパが良い、LA150Dを購入しました。
Godox Litemons LA150D開封
商品元箱はこんな感じ。アマゾンで購入しましたが、元箱に伝票が貼られて届きました(涙)
梱包状態はこんな感じ。
製品本体は、発泡スチロールで厳重に梱包されています。
内容物は、LEDライト本体、リフレクター、外部電源、電源コード、電源変換プラグ、電源固定ゴムバンド、電源固定ワイヤー、マニュアルなど。繊維製カラーフィルターや電源変換プラグは、販売店のオマケだと思われます。
付属の電源コードは、アース付き3ピン仕様ですが、2ピン変換プラグが付属します。
ライトスタンドに装着するとこんな感じ。
LED本体に、付属のリフレクターを装着しました。
外部電源は、電源固定ゴムバンドと電源固定ワイヤーを使い、ライトスタンドに吊り下げることができます。スタンドの重りとして活用すれば、安定性が向上します。
背面の操作部分はこんな感じ。色温度は5600K固定。光量調整は右側のDIMダイヤルを回し、0〜100%の範囲で1%刻みで調整できます。FXダイヤルは、点滅等の発光パターンを設定する時に使用します。
Godox Litemons LA150Dの色温度
セコニックのスペクトルメーターC700を使い、出力値ごとの色温度を計測しました。
出力 | LA150D ディフレクターなし | LA150D ディフレクターあり |
20% | 5549K | 5641K |
40% | 5578K | 5671K |
60% | 5622K | 5688K |
80% | 5630K | 5733K |
100% | 5623K | 5745K |
色温度は、公称値の5600K前後で安定しています。ただし、標準ディフレクターを装着すると、色温度が100Kほど高くなる傾向です。
Godox Litemons LA150Dの色被り
セコニックのスペクトルメーターC700を使い、出力値ごとの色被りを計測しました。
出力 | LA150D ディフレクターなし | LA150D ディフレクターあり |
20% | 0.3G | 0.4G |
40% | 0.4G | 0.4G |
60% | 0.4G | 0.4G |
80% | 0.4G | 0.5G |
100% | 0.4G | 0.5G |
色温度は、0.4G前後で安定しています。出力値を変更しても、安定している印象です。
Godox Litemons LA150Dのファンノイズ
騒音メーター使い、ファンノイズを計測しました。
Godox Litemons LA150D本体から30cmの距離でノイズ計測。光量100%で32dB前後でした。ファン回転数の一定のようです。本体から1m離れた場所で測定すると30dB以下でしたので、通常の収録では気にならないレベルです。
本体上部の排気口直近でノイズ計測。光量100%時に43dB前後でした。ファン騒音はそれなりに聞こえるので、本体上部にマイクを設置するのは避けたほうがよさそうです。
配光
Godox Litemons LA150Dの配光パターは、中央に集中した印象があり、付属のリフレクターを装着すると顕著に現れます、この辺りが、エントリーモデルの弱点といえそうです。弱点を補って使うことが、Godox Litemons LA150Dを使いこなすコツになりそうです。
その点、Godox Litemons LA150Dはボーエンズマウントに対応するため、光を拡散するライトボックスを装着できます。ライトボックスは、内部に拡散シートを装着できるタイプを購入すれば、中心寄りの配光パターンを改善できるかもしれません。
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