【独自検証】Lightroomが快適に動くPCスペックは?おすすめのパソコンを紹介

Mac

検証協力:じゃんかすパンダ Text/Photo:ちゃんまさ

RAW現像の定番ソフト「Adobe Lightroom Classic」は、写真編集に欠かせません。しかし、AI搭載のAIフィルター(スーパー解像度・ノAIイズ除去など)は、古いPCでは1枚処理するのに数分かかることもあります。快適に作業するには、CPUやGPU、メモリなどのPCスペックが重要です。

本ブログ記事では、ブログ管理人が独自に計測した処理時間データをもとに、コスト重視から速度重視まで幅広く対応できるPCスペックをセレクト。

最後に、初心者でも迷わず購入できるBTOパソコンも紹介し、「どのPCを買えばいいのか」という悩みを解消します。

注意:家電量販店で店頭販売しているパソコンはコスパが悪いのでおすすめしません。記事を読んでいただければ自分に最適なBTOパソコンが見つかるハズです。

コスト別おすすめPC(チラ見せ)

  • ハイコスパモデル:Ryzen 7 5700X × RTX 5060、16GBメモリ、SSD 1TB
  • AIノイズ重視モデル:Ryzen 7 7700X × RTX 5070、メモリ32GB
  • 一括書き出し重視モデル:Ryzen 7 7700X × RTX 5060Ti(VRAM 16GB)、メモリ32GB
  • ベストモデル:Ryzen 7 9700X × RTX 5070Ti、メモリ64GB、NVMe SSD 1TB

それぞれのモデルは、AIノイズ除去やRAW現像を快適にこなせる仕様になっています。

Lightroom ClassicのPCスペック不足を疑うべき5つのサイン

このような症状が現れたらスペック不足のサインです。

  • AIノイズ除去に5分以上かかる
  • 高画素データを扱うと動作が重くなる
  • 頻繁にフリーズする
  • 初期設定でGPU支援を選択できない

これらの症状が当てはまる場合は、パソコン選びに失敗しているか、買い替えのタイミングと考えられます。

Lightroom Classic 快適度診断チェック

現在お使いのパソコンで「AIノイズ除去」は快適に動作していますか?
Lightroom Classicの「快適度チェック」をしてみましょう。

  • 処理時間が5分以上 → ストレスMAX! PC買い替え必至
  • 処理時間が3分以上 → PC買い替え予備軍?
  • 処理時間が1分以内 → 快適 
  • 処理時間が30秒以内 → 神の領域 

2000万画素クラスのRAWデータなら1分以内をクリアしやすいですが、5000万画素クラスになると一気にハードルが高くなります。

Lightroom Classicのシステム要件

メーカー公式ページでLightroom Classicのシステム要件(※Windows)を調査
Lightroom Classic ※2025年6月現在 メーカー公式:システム要件ページ
最小 推奨
CPU Multicore Intel®、AMD、または WinARM プロセッサー
システムメモリ 8GB 16GB
AVX AVX2 をサポートする Intel または AMD CPU
グラフィックスカード
  • DirectX12をサポートしているGPU
  • 2GB GPUメモリ
  • DirectX 12をサポートしているGPU
  • 4K以上の画面解像度をサポートするディスプレイの場合は4GBの GPUメモリ
  • 8GBの専用GPUメモリ、または GPUの完全アクセラレーション用に16GBの共有メモリ
ディスク 8GBの空き容量のあるハードディスク(インストール用に追加の容量が必要)
インターネット インターネットベースのサービスにはインターネット接続が必要です

システム要件は一見するとハードルが低く、グラフィックボードも10年前の製品で動きそうな印象です。しかし、実際にはこのスペックのパソコンでは快適な作業はできません!

NVIDIAでLightroom Classicの推奨GPUが紹介

NVIDIAは、スタジオドライバーの紹介ページで推奨グラフィックボードを公開しています。
メーカー公式:高速クリエイティブアプリ写真 ※2025年9月現在

効果 推奨グラフィックボード
  • 超解像度、RAW Details、空を選択、被写体を選択などの AI機能がRTXで高速化されます。
  • 画像処理がGPUで高速化され、特に4K以上の解像度のディスプレイで、調整時の応答性が劇的に向上します。

GeForce RTX 5060

NVIDIA RTX PRO 4000 Blackwell

メーカー公式ページで興味深い情報を発見

Adobe公式サイト「パフォーマンスを最適化する 最新更新日 2023年9月1日」のページに記載された情報を引用します。

64 ビット、マルチコアプロセッサー(最大6コアで最良のパフォーマンス)。複数のまたは高解像度のモニターを使用する場合はさらに大きなパワーが必要であるため、パワーに余裕があることが特に重要です。

この文章を読み解く限り、Lightroom Classicに最適なCPUは現状「最大6コア」で十分ということになります。速さを求めるなら「6コア+クロック周波数が高いもの」が狙い目です。マルチコア性能を追求しても、本来のポテンシャルを発揮できない可能性があります。さらに、高解像度モニターの運用は、CPU性能の足を引っ張る要因となる場合がありそうです。

Adobe公式サイト「プレビュー生成にGPUを使用最終更新日 2025年8月13日」のページに記載された情報を引用します。

「プレビュー生成にGPUを使用」で、次のいずれかを選択します。自動 これがデフォルトであり、推奨されるオプションです。Lightroom Classicは、次の条件を満たす場合にのみ、プレビュー生成にGPUを使用します。GPUのVRAMが16GB以上。GPUがフルアクセラレーションにデフォルトで対応している。

Lightroom Classicは、2025年8月13日時点でプレビュー生成時にGPUアクセラレーションで動作するようになりました。ところが、要件として「GPUのVRAMが16GB以上」と記載されており、ハードルは高いものになっています。

GEFOCEでVRAMを16GB以上搭載するの製品一覧

  • RTX5090(32GB) / RTX5080(16GB) / RTX5070Ti(16GB) / RTX5060Ti(16GB)

  • RTX4090(24GB) / RTX4080 SUPER(16GB) / RTX4080(16GB) / RTX4070Ti SUPER(16GB) / RTX4060Ti(16GB)

Lightroom Classicは、CPUのみで速さを求めるのではなく、GPUの重要性がより明確になりました。PCを新規購入する際は「GPUのVRAMが16GB以上」も考慮したいポイントになります。

Lightroom Classic「AIノイズ除去」の処理時間を検証

Lightroom Classicで最も処理が重い「AIノイズ除去」に着目し、PCスペックと処理時間の相関関係を調べてみました。

検証内容
使用データ SONY α7RV(6100万画素)
NIKON D850(4500万画素)
EOS1DX MarkIII(2010万画素)
フィルター AIノイズ除去

検証1 AMD Ryzen 5 4500+GTX 1660 SUPER

ロースペックCPUとロースペックGPUの組み合わせ

AMD Ryzen 5 4500は、BTOゲーミングPCのエントリーモデルに採用される廉価版CPUです。2022年前後に購入したエントリークラスのパソコンが該当します。

2022年前後は、BTOパソコンメーカーがLightroom Classicの推奨グラフィックボードとしてGTX 1660 SUPERを推していた時代です。この頃は「AIノイズ除去フィルター」は登場しておらず、GPUアクセラレーションも限定的でした。処理時間を計測すると…。

▶︎▶︎ GTX 1660 SUPERは相性が悪い!?

Ryzen 5 4500
GTX 1660 SUPER
SONY α7RIV
6100万画素RAW
NIKON D850
4500万画素RAW
CANON EOS1DX MarkIII
2010万画素RAW
RAWディテール  15秒 10秒 7秒
ノイズ除去 2分05秒 1分12秒 46秒
スーパー解像度 30秒 21秒 14秒

テスト実施:2023年8月時点

う〜ん、期待外れな印象です。2025年時点では完全に時代遅れの性能であり、新規購入はお勧めできません。

検証2 AMD Ryzen 5 4500+RTX 3060

ロースペックCPUとミドルスペックGPUの組み合わせ

▶︎▶︎ RTX 3060を装着すると、AI系フィルターの変換時間が大幅に短縮できる

Ryzen 5 4500
RTX 3060
SONY α7RIV
6100万画素RAW
NIKON D850
4500万画素RAW
CANON EOS1DX MarkIII
2010万画素RAW
RAWディテール 10秒 5秒 4秒
ノイズ除去 36秒 23秒 17秒
スーパー解像度 16秒 10秒 6秒

テスト実施:2023年8月時点

AMD Ryzen 5 4500にRTX 3060を装着してGPU支援を選択します。
AIノイズ除去の処理時間は、GTX 1660 SUPERの2分5秒から36秒に大幅短縮。GTX 1660 SUPERより約4倍高速です。同じCPUで処理速度が約4倍に高速化し、グラフィックスカードの重要性がわかる検証結果になりました。

RTX 3060はメーカー生産が終了しています。代替候補としては、RTX4060やRTX5060が挙げられます。

検証3 AMD Ryzen 7 PRO 4750G

旧ミドルスペックCPUとCPU内臓GPUの組み合わせ

AMD Ryzen 7 PRO 4750G(8コア16スレッド)で処理時間を計測しました。
いわゆるCPUにGPU機能を内蔵するエントリークラスのCPUで、2020年前後に発売されていたエントリークラスのPC性能に相当します。

CPU単体の性能は、Ryzen 5 4500より約2割高速です。内蔵GPU(Radeon Graphics 8コア)のポテンシャルはいかに?

▶︎▶︎ CPU内蔵GPUの性能は、AI系フィルターの処理には完全に役不足

Ryzen 7 PRO 4750G
RTX 3060
SONY α7RIV
6100万画素RAW
NIKON D850
4500万画素RAW
CANON EOS1DX MarkIII
2010万画素RAW
RAWディテール 20秒 11秒 8秒
ノイズ除去 5分33秒 3分01秒 1分53秒
スーパー解像度 46秒 29秒 19秒

テスト実施:2023年8月時点

この時代のCPU内蔵GPUは、YouTubeを閲覧するにはまったく問題ない性能ですが、グラフィック性能を駆使する用途では役不足です。

AIノイズ除去の処理は、GTX 1660 SUPERよりも2倍以上遅くなりました。まったくおすすめできません!

2020年ごろに家電量販店で購入した大半の製品は、CPU内蔵GPU搭載機です。そのため、「RAWディテール・スーパー超解像・ノイズ除去」の処理時間を重視するなら、時代遅れといえます。

検証4 AMD Ryzen 7 5800X+RTX4070Ti

2023年のミドルスペックCPUとミドルハイGPUの組み合わせ

▶︎▶︎ CPUとGPUの強化で、AIノイズ除去が高速化

Ryzen 7 5800X
RTX 4070Ti
SONY α7RIV
6100万画素RAW
NIKON D850
4500万画素RAW
CANON EOS1DX MarkIII
2010万画素RAW
RAWディテール 3.1秒 3.1秒 1.5秒
ノイズ除去 18.6秒 9.6秒 4.4秒
スーパー解像度 11.8秒 8.2秒 3.3秒

テスト実施:2025年8月時点

2025年前半まで、ブログ管理人のRAW現像用として活躍していたPCです。
2025年時点でCPUは2世代前、GPUは1世代前になりますが、AIノイズ除去に関しては、まったくストレスを感じず作業できました。

検証5 AMD Ryzen 7 9700X+RTX5070Ti

2025年最新のミドルスペックCPUとミドルハイGPUの組み合わせ

▶︎▶︎ 最新CPUとミドルハイGPUの組み合わせで、AIノイズ除去が大幅に短縮できる

Ryzen 7 9700X
RTX 5070Ti
SONY α7RIV
6100万画素RAW
NIKON D850
4500万画素RAW
CANON EOS1DX MarkIII
2010万画素RAW
RAWディテール 1.8秒 1.7秒 1秒以下
ノイズ除去 11.7秒 6.3秒 2.8秒
スーパー解像度 5.0秒 4.9秒 1.5秒

テスト実施:2025年8月時点

2025年9月時点の最新CPUと最新GPUの組み合わせで、AIノイズ除去の処理時間を計測しました。
BTOパソコンで購入すると30万円弱の価格帯になるモデルです。

AIノイズ除去の処理時間は、2000万〜4000万画素クラスのデータであれば非常に高速で、不満は感じません。

6100万画素の場合は処理時間が約11秒かかりますが、こちらもストレスは感じません。サクッとノイズ処理を済ませて次の作業に取りかかれるので、効率性も抜群です。

Lightroom Classic「100枚一括書き出し」の処理時間を検証

Lightroom Classicを業務で使用するユーザーから、「100枚一括書き出しの処理時間を調べてほしい」というリクエストがありました。

そこで、SONY α7RV(6100万画素)で撮影したRAW形式ファイルを、100枚一括でJPEG形式に書き出すときの時間を計測しました。

100枚一括買い出し 6100万画素RAW形式からJpeg形式で保存
Ryzen 7 5800X+RTX4070Ti 2分38秒4
Ryzen 7 9700X+RTX5070Ti 1分6秒9
Ryzen 7 9700X+RTX4070Ti 1分20秒9
Ryzen 7 9700X+RTX3060 1分29秒1

テスト実施:2025年8月時点

100枚一括の書き出し時間は、GPU性能が反映されるAIノイズ除去とは異なり、CPU性能が速度向上に寄与することが判明しました。比較的高性能なGPUを組み合わせた5800X+RTX4070Tiより、最新の高クロックCPUと廉価クラスのGPUを組み合わせた方が、高速書き出しできることが確認できたためです。

しかし、このデータには落とし穴があります。

100枚一括書き出しせず、「1枚ずつ作業する人」にとっては、保存時間が2秒から1秒になったところで、ほとんど体感差はありません。

Lightroom Classicで1枚ずつ丁寧に作業する人向けのPCスペック

ここまでの検証結果をもとに、Lightroom ClassicのPCスペックについて深掘りします。検討すると、1枚ずつ丁寧に作業する場合と、大量の写真を一括処理する用途では、必要なPCスペックが異なることが明らかになりました。

 Lightroom ClassicのGPUアクセラレーターを重視したポイント

・CPUの重要度 ★★★★☆ 旧世代CPUでもOK
・グラフィックボードの重要度 ★★★★★ 高性能GPUでAIノイズ除去が高速化
・メモリの重要度 ★★★★★
・SSDの重要度 ★★★☆☆

CPU → Ryzen 7 5700X以上 ※コストを重視しない人は7700X以上
グラフィック → RTX4070(VRAM 12GB)以上 ※AIノイズ除去を重視
メモリ → 16GB以上
SSD → Gen3 1TB以上

撮影した写真を厳選し、ベストな写真にじっくり時間をかけてレタッチ作業する人向けになります。

PCスペックの目標は、高性能GPUを搭載し、GPUアクセラレーターによってAIノイズ除去を高速化することです。これにより、AIノイズ除去については最新CPU搭載マシンに迫るポテンシャルを引き出すことができます。

CPUは、2世代前と最新CPUを比較すると書き出し時間がやや遅くなる傾向がありますが、1秒遅くなったところでほとんどストレスは感じません。そのため、重要度を低く設定しています。

導入コストを優先する場合は、CPUを2世代前のRyzen 7 5700Xに抑え、可能な限りGPUを強化すると、コスパの良いPCスペックに仕上がります。CPU交換による延命は選択肢が限定されるため、使い潰すことが前提になります。

「今から2世代前のCPUを購入するのは抵抗がある」という人には、1世代前のRyzen 7 7700Xがお勧めです。マザーボードやメモリの規格が高速になり、バランスの良いスペックになり、CPU換装による延命も可能です。

Lightroom Classicで大量の写真を一括出力する人向けのPCスペック

 Lightroom Classicの大量一括書き出しを重視したポイント

・CPUの重要度 ★★★★★ Ryzen 7000番台以降を選択
・グラフィックボードの重要度 ★★★★★ VRAM 16GB以上でGPUプレビューを高速化
・メモリの重要度 ★★★★★
・SSDの重要度 ★★★★★

CPU → Ryzen 7 7700X以上
グラフィック → RTX5060Ti(VRAM 16GB)以上 ※GPUプレビュー生成を重視
メモリ → 32GB以上
SSD → Gen4 1TB以上

主に業務用途で、100枚単位の写真を一括書き出しする人向けの仕様です。

CPUは、Ryzen 7000番台以降の高クロックCPUを選択するのがベストです。大量写真の一括書き出しは「大量データを処理&保存」に該当するため、GPU性能はもちろん、DDR5メモリの速度やGen4 SSDの速度が高速書き出しに有効だからです。

GPUはプレビュー生成を重視し、動作要件を満たすRTX5060Ti(VRAM 16GB)以上を選択。コスト増加を惜しまない場合、GPUプレビュー生成とAIノイズ除去をさらに高速化したいときは、RTX5070TiやRTX4070Ti SUPER(VRAM 16GB)が候補になります。

CPUには、ゲーム向けの3Dキャッシュ搭載モデル(9800X3D、7800X3Dなど)がありますが、クロック周波数は通常モデルの方が高速に動作します。そのため、グラフィック用途ではクロック周波数が高いほど処理速度が速く、安価な通常キャッシュタイプのCPU(9700X、7700Xなど)で十分です。

Lightroom Classicの費用対効果

結論
▶︎ GPU強化でAI系フィルターの変換時間を高速化できる
▶︎ CPU性能はミドルクラスの高クロックタイプが狙い目
▶︎ CPU内蔵GPUはニューラルフィルターの処理には役不足
▶︎ メモリは単独起動時に16GB、理想は32GB

AI搭載パソコンが登場しましたが・・・

ノートパソコンを中心に、専用AI処理エンジンを搭載した「Copilot+ PC」が流通しています。画像や言語処理などのAIアプリケーションの機能向上が期待されていますが、ソフトウェアの対応状況はいかがでしょうか。

残念ながら、2025年9月現在、Adobe Lightroom Classicは「Copilot+ PC」肝いりの専用AI処理エンジンを活用できません。そのため、今AI搭載パソコンを購入するのは時期尚早といえます。

また、AI搭載パソコンは価格が高い割に、Adobe Lightroom Classicの運用には現時点で不向きです。グラフィックボード付きのBTOゲーミングPCを購入した方が、圧倒的に快適な作業環境を手に入れることができます。

ちゃんまさ監修 おすすめクリエーターPC

BTOパソコンの中で、コスパの良いAMD Ryzen CPU搭載モデルを軸にセレクトしました。
アドビは公式に「6コアCPUが最高のポテンシャルを発揮する」と公表しており、6コアモデル以上の高クロックCPU&グラフィックボード搭載モデルを厳選しています。

また、PhotoshopやLightroom Classicは、AI系エフェクトや書き出し時にGPU支援が動作するため、ミドルクラスのCPU+GPUを組み合わせた高速処理を重視しました。
予算に余裕がある場合は最新スペックを導入すればさらに高速化できますが、カメラ購入などで資金が枯渇気味のフォトグラファーの懐事情も考慮しています。

注意喚起
現在、インテル13・14世代CPUに不具合が見つかり、大問題に発展しています。CPUに不具合が生じた場合、インテルは海外企業であるため対応が面倒です。
そのため、インテル13・14世代CPU搭載機は買い控える状態にあり、AMD Ryzen搭載機の購入を推奨します。

RAW現像&写真編集に最適な基本モデル

2025年9月時点のブログ管理人オススメのBTOパソコンを紹介します。

Ryzen 7 5700X × GeForce RTX 5060(8GB VRAM)

写真現像用PCをハイコスパで購入するなら、Ryzen 7 5700X搭載機が狙い目です。

Ryzen 7 5700Xは数世代前のCPUですが、GPUを搭載すればAIノイズ除去も不自由なく処理できるポテンシャルを発揮します。

CPUソケットが旧型のAM4形状のため、最新CPU(AM5ソケット)は装着できませんが、GPUを最新型に換装することは可能です。Ryzen 7 5700X搭載機は、とても高コスパな仕様と言えます。

※マウスコンピューターでは、独自にCPU交換やGPU交換を行うと製品保証が切れ、サポートを受けられなくなります。また、交換作業には専門知識が必要で、トラブルは自己解決する必要があります。

メーカー マウスコンピューター
NEXTGEARシリーズ
OS Windows 11 Home
CPU AMD Ryzen 7 5700X
メモリ 16GB (8GB×2)
グラフィックボード GeForce RTX 5060
8GB VRAM
ストレージ 1TB (NVMe)
価格 139,800円(税込)〜

マウスコンピューター販売ページ▶︎ NEXTGEAR JG-A7G60

メリット デメリット
・8コア16スレッドのRyzen 7 5700X搭載
・RTX 5060(8GB VRAM)搭載
・背面USB 3.2 Gen2(10Gbps、Type-A・Type-C)搭載
・B550チップセットマザーボード採用
・240mm水冷CPUクーラー標準装備
・3年間センドバック修理保証付き
・ケースファン4基搭載(簡易水冷用の2基を含む)
・750W 80PLUS BRONZE電源搭載
・RTX 5060(8GB VRAM)のメモリ搭載用がギリギリ

Ryzen 5 4500搭載モデルは、ブログ管理人も過去に使用していましたが、2025年時点では古さが隠し切れず、今から新規購入するのはお勧めできません。その点、Ryzen 7 5700X搭載機は、独立したGPUを搭載したモデルであれば、PhotoshopやLightroom Classicでの写真編集からHD動画編集まで、不満なく作業できます。

マザーボードはB550チップセット搭載モデルを採用し、電源は750W 80PLUS BRONZE認証を標準搭載しています。そのため、GPU強化にもある程度対応できます。

注目すべきは、CPUクーラーに240mm簡易水冷を標準搭載している点です。これにより、ブーストクロックの低下が抑えられるというメリットがあり、Ryzen 7 5700Xのポテンシャルを最大限引き出せます。

懸念点は、VRAM容量が8GBと少ない点で、新機能のプレビュー生成にGPUアクセラレーターが使用できません。未来のことを心配してもキリがありませんが、今後新機能が搭載された時に、GPUが適用外になる恐れがあります。それでも、14万円弱で入手できるこのモデルは、導入コストを最優先したい人にイチオシの製品です。

個人的な考えですが、Ryzen 7 5700X搭載機に新規投資すべき金額は最大20万円までです。それ以上投資できるなら、AMD Ryzen 7 7700Xなどの「AM5ソケット」搭載機を選択すべきだと思います。

Ryzen 7 5700X + GeForce RTX 5060Ti(VRAM16GB)搭載モデル
174,900円(税込)~

NEXTGEAR JG-A7G6T

VRAM16GBを搭載するこのモデルを選択すると、Lightroom classicのプレビュー生成にGPUを使用できます。今後普及が予想される大容量AIモデルをVRAMにコピーでき、GPU処理速度の低下を防ぐことが期待できます。コストに余裕がある場合は、14,300円の追加料金でメインメモリを32GBに増設することもお勧めです。

大量の一括書き出しを多用する用途でコスパを求めるならコレ

Ryzen 7 7700X × GeForce RTX 5060Ti(16GB VRAM)

将来性を考慮して写真現像用PCを選ぶなら、AMDの現行ソケット「AM5」に対応したRyzen 7 7700X搭載機が狙い目です。

CPUは1世代前の中級グレードになりますが、クロック周波数の高いCPUを搭載しているので写真現像を高速処理できるポテンシャルを発揮します。そのため、高画素写真の一括書き出しも高速で行えます。

グラフィックボードに16GB VRAMを搭載するGeForce RTX 5060Tiを選択することで、Lightroom classicのプレビュー生成にGPUを使用できます。

マザーボードがCPUソケット「AM5」であるため、高性能CPUへの交換などの「独自カスタム」により、長く使うことができます。

※CPU交換やGPU交換を行うと、製品保証が切れる可能性があります。
保証期間終了後のカスタムを推奨します。また、交換作業には専門知識が必要です。

メーカー ツクモBTOパソコン
G-GEARシリーズ
OS Windows 11 Home
CPU AMD Ryzen 7 7700X
メモリ 32GB (16GB×2)
グラフィックボード GeForce RTX 5060Ti
16GB VRAM
ストレージ 1TB (NVMe)
価格 ¥230,98800(税込)〜

ツクモ販売ページ G-GEAR GE7A-E251/B
※BTOでGeForce RTX 5060Ti16GB VRAMを選択

メリット デメリット
・8コア16スレッドのRyzen 7 7700X搭載
・RTX 5060Ti(16GB VRAM)搭載
・1TB WD Black SN7100
・背面USB 3.2 Gen2x2(20Gbps、Type-Cポート)搭載
・B650チップセットマザーボード採用
・ID-COOLING製ヒートパイプ式CPUクーラー標準装備
・電源クラス定格850W
・1年間保証付き
・CPUクーラーを強化したい

PhotoshopやLightroom ClassicからHD動画編集まで、不満なく作業できるスペックです。

マザーボードにはB650チップセット搭載のASUS TUF GAMING B650-PLUS WIFI(ATX)を採用し、SSDはWD Black SN7100を搭載しています。

電源容量は850Wと余裕があり、将来的にグラフィックボードはRTX 5080あたりまで換装可能です。

ただし、CPUクーラーは標準搭載のID-COOLING製でも問題ありませんが、オプションのDeepCool製AK400は1,100円アップで選べるため、私なら迷わずオプション装着します。

Ryzen 7 7700X + GeForce RTX 5070(VRAM12GB)搭載モデル
247,800円(税込)~

G-GEAR GE7A-E251/B ※BTOでRTX 5070(VRAM 12GB)を選択

CPUにRyzen 7 7700Xを選択することで、プレビューや一括書き出しも高速に行えます。そこで、AIノイズ除去の処理速度を重視するため、クラフィックボードをRTX 5070(VRAM 12GB)へ変更したモデルがこれになります。

最新CPU搭載でAIノイズ除去も一描き書き出しも高速化

Ryzen 7 9700X × GeForce RTX 5070 Ti

写真現像用PCの最強クラスを最新CPUで構築するなら、Ryzen 9000番台CPUとNVIDIA製グラフィックボードを搭載したモデルが候補になります。

Ryzen 7 9700X搭載機は、低電力かつ高クロックで動作し、オールマイティに高い性能を発揮します。より高性能なCPUも発売されていますが、PhotoshopやLightroom Classicで使用する限り、8コア16スレッドで十分であり、高クロックで動作するRyzen 7 9700Xの性能が際立ちます。

さらに、グラフィックボードにRTX 5070 Tiを選択すれば、VRAMが16GB搭載されているため、AIノイズ除去の高速化やプレビュー生成にGPUが活用でき、死角なしの性能を期待できます。大容量AIモデル処理や4K動画編集にも対応し、今後5年間は使えるスペック(技術革新がない限り)と言えるでしょう。

CPUソケットが最新型のAM5のため、自作PCの知識があれば、将来CPU交換によりスペックアップを図ることも可能です。

※CPU交換やGPU交換を行うと、製品保証が切れる可能性があります。
保証期間終了後のカスタムを推奨します。また、交換作業には専門知識が必要です。

メーカー ツクモBTOパソコン
G-GEARシリーズ
OS Windows 11 Home
CPU AMD Ryzen 7 9700X
メモリ 32GB (16GB×2)
グラフィックボード GeForce RTX 5070Ti
16GB VRAM
ストレージ 1TB (NVMe)
価格 ¥299,800(税込)〜

ツクモ販売ページ G-GEAR GE7A-L251/BH2

メリット デメリット
・8コア16スレッドのRyzen 7 9700X搭載
・80PLUS GOLD認証 CWT製 GPW850S5 (定格850W)
・RTX 5070 Ti(16GB VRAM)搭載
・1TB WD Black SN7100
・背面USB 3.2 Gen2x2(20Gbps、Type-Cポート)搭載
・B650チップセットマザーボード採用
・ID-COOLING製ヒートパイプ式CPUクーラー標準装備
・1年間保証付き
・CPUクーラーをランクアップしたい

PhotoshopやLightroom Classicから4K動画編集まで、不満なく作業できるスペックです。RTX 5070 Tiはデュアルエンコーダーを搭載しているため、動画編集でも高いポテンシャルを期待できます。

マザーボードにはB650チップセット搭載のASUS TUF GAMING B650-PLUS WIFI(ATX)を採用。標準電源は80PLUS GOLD認証(定格850W)を搭載しており、数年後のカスタムにも対応可能です。

ただし、CPUクーラーは標準搭載のID-COOLING製でも問題ありませんが、オプションのDeepCool製AK400は1,100円アップで選択可能のため、私なら迷わずオプション装着します。

Lightroom ClassicのおすすめPC よくある質問

普通のPCとクリエーターやゲーミングPCの違いは?

家電量販店で売っている「普通のPC」と、クリエーターPCやゲーミングPCは性能が違います。普通のPCでもLightroom Classicは動作しますが、話題のAI系フィルターの処理に時間がかかります。

Lightroom Classicに最適なパソコンを購入すると、汎用PCで5分以上かかる処理が数秒まで短縮できます。

いわゆる高性能なグラフィックボードの有無が決定的な違いです。専用グラフィックボードを搭載すると、動画編集、3Dモデリング、AI画像生成など、クリエイティブな作業が快適におこなえるようになります。

CPUメーカーと構成は?

インテル:Core i9 > Core i7 > Core i5 > Core i3
AMD: Ryzen 9 > Ryzen 7 > Ryzen 5 > Ryzen 3

数字が大きいほど高性能ですが、「価格・消費電力・発熱量」も比例して大きくなります。

インテルならCore i5以上、AMDならRyzen 5以上のCPUを選択すれば問題ありません。

グラボ非搭載でも快適に動作する?

Lightroom Classic単独であれば動作しますが、快適に作業するならグラフィックボード必須です。

CPU内蔵GPUは性能不足で処理時間が遅くなります。新規購入する場合は候補から外しましょう。

メモリは16GBで大丈夫?

  • Lightroom Classicを単独使用する場合:16GB以上推奨
  • プラグイン経由で他アプリにエクスポートする場合:32GB以上推奨
  • 高画素写真の一括書き出しを重視する場合:64GB推奨

メモリ8GBで6100万画素のRAWデータを扱うと、速度が極端に遅くなる恐れがあります。
Lightroom Classicはメモリを10GB以上消費することもあるため、他のソフトをマルチタスクで使用する場合は32GB以上が必須です。

CPUとグラフィックボード どっちを重視すべき?

Lightroom ClassicはCPU性能が高いほど、基本動作や書き出し時間が高速化します。

グラフィックカードは、GPUアクセラレーターに対応するエフェクトやプレビュー生成、書き出し時間の高速化に効果があります。

デスクトップとノート どっちがおすすめ?

デスクトップPCは、後からパーツ交換できるメリットがあります。数年後に性能不足を感じた場合、GPUやCPUをアップグレードして延命策がとれます。モニター選択自由度が高い点も、デスクトップPCの大きな利点です。

ノートPCは、CPU・GPU・メモリがマザーボードにハンダ付けされている製品が多く、物理的にパーツ交換ができません。

また、モニター性能が劣悪な場合、正確な色を表示できないなどの問題もあります。

デスクトップPCは周辺機器が別途必要!?

一般的に、デスクトップPCは「モニター・キーボード・マウス」は別売りです。

既存の周辺機器がある場合は流用可能ですが、新規購入する場合は追加予算が必要です。

まとめ

Lightroom Classicの高速処理には、CPUよりもGPU性能が重要です。

AIノイズ除去は高性能GPUで劇的に短縮され、CPUはミドルクラス高クロックで十分。メモリは16GB以上、理想は32GB、SSDはGen3以上を推奨します。

大量写真の一括書き出しではCPU・メモリ・SSDの影響が大きく、GPUはプレビュー生成に有効。最新AI搭載PCは現時点で活用できず、BTOゲーミングPCの高VRAM GPU搭載モデルがコスパ最良です。

用途に応じて、丁寧作業向けと一括書き出し向けの最適構成を選ぶのがポイントです。

この記事を書いた人
ちゃんまさ

雑誌編集部勤務を経て、個人制作会社を設立。30年以上にわたり雑誌取材、企業案件、TV番組の撮影・ディレクションに従事。現在はカメラ・レタッチ・動画編集などの実務情報を発信中。
ソニーイメージングプロサポート(SIPS)会員/ニコンプロフェッショナルサービス(NPS)会員。
業務で実際に使用してきた機材をベースに、現場視点で信頼性あるレビューをお届けします。

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