DxO PureRAW 3 でRAWデータを品質改良!【使い方と設定方法を紹介】

Mac

RAW写真の品質改良アプリとして定評のある「DXO PureRAW」が、2023年3月、待望のバージョン3が公開されました。アップデートの目玉は、最新の人工知能技術を活かした「DeepPRIME XD」が採用されたこと。はじめてPureRAWを使う人のために、使い方と設定について勉強したのでシェアしようと思います。

スポンサーリンク

PureRAW 3とは?

RAWデータの画質を最適化

PureRAW 3は、デジタルカメラで記録したRAWデータに「ノイズ除去・色の再現性・ディテール強化・レンズの歪みや収差除去」などの独自処理をおこない、RAW画像の高品質化を実現します。最近カメラはもちろん、旧型カメラで撮影したデータ改良に絶大な効果を発揮します。

RAW現像アプリとの連携が前提

PureRAWは、単独運用するソフトウェアではなくRAW現像ソフトや写真編集ソフトと連携して使用するのが一般的です。PureRAWで品質解消したRAWデータにフォトレタッチを加えることで、より高品質な画像に仕上げることができます。

必要なソフトウェア

  • PhotoShop CC
  • Lightroomクラシック
  • Capture ONE など
PureRAWが有効な撮影シーン

PureRAW 3の特徴は、画像処理プロセスに「DeepPRIME XD」が採用されたことにあります。DeepPRIME XDは、細部ディテールを最大限まで引き出し、色の精度が向上しました。高感度撮影時のデータを、なめらかでノイズの少ない写真にアップデートできます。

●DeepPRIME XDが効果的な撮影シーン

  • 夕暮れや夜間の高ISO撮影
  • 野鳥や飛行機撮影
  • 星景写真や天の川の撮影
  • 収差の出やすい広角&超望遠レンズの撮影 など
一部パラメーターが設定可能に

今回のバージョンアップで、画像処理プロセスをカスタマイズできるようになりました。

価格と購入先

DxO公式ショップ

PureRAW 3は、発売元のDxO公式ショップからネット経由で購入できます。海外メーカーですが、日本語化されているため、困ることはありません。

PureRAW 3 新規購入 1万4900円
PureRAW 3 バーションアップ 8,900円
買い切りソフト

PureRAW 3は「買い切り型ソフトウエア」なので、支払いは1度だけでOK。毎年支払う必要はありません。対応OSは、windows版とMac版があります。

ライセンス認証

インストールできるパソコンは合計3台までライセンス認証できます。Windows版とMac版の併用もOKです。ただし、起動できるのは1台のみで、同時起動はできません。

試用版で動作確認

PureRAW 3は、画像処理の過程で複雑な演算処理をおこなうため、高性能なPCスペックが必要です、購入前には必ず「試用版」をインストールして、お使いのパソコンで正常動作および処理時間を確認する必要があります。試用版は31日間。購入後は、試用版をライセンス認証すれば正規版として使用できます。

また、PureRAW 3は、対応カメラ以外のRAWデータを受け付けません。新型カメラの場合、対応に時間がかかる傾向なので試用版で確認することをおすすめします。

※試用版はWi-Fi環境がないと使用できません。

PureRAWの使い方

ソフトウェアを起動

PureRAW 3のアイコンをダブルクリックして、ソフトウェアを起動します。

RAWファイルをドラッグ&ドロップする

画像処理したいRAWデータを、PureRAW 3の画面にドラッグ&ドロップします。

レンズデータをダウンロードする ※レンズごとに初回1回のみ

処理前にレンズプロファイルをダウンロードします。処理ボタンを押して対象レンズのプロファイルのダウンロード画面が表示された時は、ダウンロードします。

画像処理プロセスを選択

写真を選択するとサムネール画像にグリーン枠が点灯。「今すぐ処理」ボタンをクリックします。複数処理することも可能です。

画像処理プロセスを選択します。よくわからない時はデフォルトのままで十分です。「処理を開始」ボタンをクイックすると画像処理が開始します。

●RAW処理とノイズ除去テクノロシー ※赤文字が初期設定です

高品質 高速処理
PRIME 高速処理
DeepPRIME 高品質
DeepPRIME XD New 超高品質 ※パソコンパワーが必須です。

●光学補正 ※赤表記がデフォルト

レンズシャープ 「ソフト・標準・強・ハード」から選択可能
ヴィネット ONまたはOFF
色補正 ONまたはOFF
湾曲収差 オリジナルのアスペクト比にクロップされた画像
最大矩形 ※矩形=くけい
画像領域全体

●出力形式

DNG 設定なし
JPG 品質 10〜100%の範囲で設定可能
TIFF 8ビット・8ビット圧縮・16ビット

PhotoShopやLightroomで画像処理をおこなう時は「DNG形式」を選択します。エクスポートするソフトウェアがDNG非対応の場合、JPGまたはTIFFを選択します。

●出力先

元画像フォルダ内にあるDXOフォルダ
カスタムフォルダ

デフォルトの「元画像フォルダ内にあるDxOフォルダ」を選択すると、元データを収納するフォルダに「DxOフォルダ」が自動生成され、変換後のデータが収納されます。

カスタムフォルダを選択すると、好みのディレクトリに作成したオリジナルフォルダに収納されます。

●エクスポート

処理後にエクスポートしない
対象ソフトウェアを選択
※Photoshopなど対応ソフトウェアがインストールされてない場合は表示されません。

「処理後にエクスポートしない」を選択すると、前項「出力先」で設定したフォルダに変換データが収納されます。

ソフトウェアを選択すると、PureRAW 3による処理が終了後、自動的にデータ転送されます。

処理結果を表示可能

処理が終了すると「処理終了」が表示されます。通常は、左上の「×」をクリックして終了します。

「処理結果を表示」ボタンをクリックすると、オリジナル画像と処理後の画像を比較できます。

画像処理アプリでレタッチする

PureRAW 3で変換したデータは、PhotoshopやLightroomで展開し、最終的なフォトレタッチをおこないます。

挙動が怪しいと思ったら初期設定を確認

PureRAW 3は、機械学習コアを活用して高速演算処理する仕組みになっています。そのため、ハイスペックなパソコンが必要です。機械学習コアは、ここ数年に登場した最新GPUに含まれる専用プロセッサであるため、古いGPUには搭載されていません。CPUでも代用処理できますが処理時間に30分以上かかることがあります。

処理モードとGPUの関係 
高品質 CPUのみで処理
PRIME CPUのみで処理
DeepPRIME CPU処理・GPU処理が選択可能
DeepPRIME XD New CPU処理・GPU処理が選択可能

DeepPRIMEとDeepPRIME XDは、GPUを使った高速演算に対応します。演算処理は、GPUのAI用演算プロセッサを使用する最新設計になっているため、古いGPUではポテンシャルは発揮できません。

●PureRAW3と相性の良いGPU

  • NVIDIA RTXシリーズ = Tensorコア搭載モデル
  • Apple M1またはM2プロセッサ = ニューラルエンジン搭載モデル

個人の主観ですが、DeepPRIMEとDeepPRIME XDの処理は、機械学習系コアを搭載したGPUでないと高速処理できない印象です。

GPU対応状況の確認方法

プリファレンスの高速処理のプルダウンを開きます。通常は「自動設定」になっていますが、手動でGPUを選択します。

GPUがRadeon RX5700XTの場合、性能条件を満たしているためGPUを使った高速処理に対応します。私の環境では、ソニーα7R5(6100万画素)の非圧縮RAWの処理時間が1分02秒でした。

CPU内蔵GPUや古いGPUは、GPU名称の頭に「*」マークがつきます。この場合、サポート外のGPUとなり、DeepPRIMEやDeepPRIME XDは高速処理できません。

GPU処理速度の目安は、DNG出力の場合で「数十秒から1分以内」です。

手動設定をオススメ

高速処理設定は、デフォルトでは自動設定になっています。しかし、CPU内蔵グラフィックの場合、低性能なGPUに適用されると動作が著しく低下する経験をしました。

  • GPU性能が著しく低い場合 → CPUを手動選択
  • GPU性能に「*」マークがつく場合 → CPUGPUの速い方を手動選択
  • inltel Mac(CPU内蔵グラフィック)の場合 → CPUを手動選択
  • M1/M2 Macの場合 → ニューラルエンジンを手動選択
  • Ryzen内蔵グラフィックの場合 → GPUを手動選択

まとめ

PureRAW 3に搭載されたDeepPRIME XDは、RAWデータに独自処理を行うことで、画質が劇的に進化するソフトウェアです。しかし、高度な演算処理をおこなうため、高性能なパソコンスペックが必要です。ゲーム&クリエーター向けPCやM1/M2マックを購入すれば、重い作業も1分以内(1枚あたり)で可能です。「遅い」と思ったらパソコン買い替えの時期かもしれません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました