カメラマンがプリンタプロファイルを自作するメリットとは?

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プリント

もしあなたが、家庭用プリンタで銀塩プリントに匹敵する品質を目指すなら、まずはプリンタプロファイルが作成できるキャリブレーションツールを導入するのがオススメです。

というのもディスプレイのキャリブレーションを整えても、プリンタの精度が完璧でなければ「色がマッチしない」のループから永遠に抜け出せないからです。

オリジナルのプリンタプロファイルを作成するメリットはなにか?

筆者の経験を元に、安価なプリンタの性能をフルに引き出す極意を公開していくので、しっかり読み進めてくださいね!

プリンタは出荷段階の性能を維持できる保証はない

インクジェツトプリンタの品質は、パソコン(Photoshopなど)から受け取ったコマンドに基づき、適正なインク量を噴射して成立します。ところが、長年使っていると経年変化にともない、正確に作動しなく可能性があります。厄介なことに、劣化は徐々に進行するので気づかないことがほとんど。

業務用プリンタは、自動的にキャリブレーションを行なってくれる製品がありますが、家庭用プリンタに高精度の校正機能は期待できません。

話が少し脱線しますが、キャリブレーションツールには、ディスプレイ専用品とプリンタプロファイルの作成に対応した製品が発売されていますよね。プリンタが完璧に校正されていればディスプレイだけをキャリブレーションすれば、理論上は正確な色で出力できることになります。

しかし、先ほど説明したように家庭用プリンタは品質や精度が保障されていません。モニターのコンディションを正しく整えても、プリンタ側のコンディションが狂っていては正確な色で出力できないんですよね。

家庭のプリンタで正確な色で出力するには、モニタ側もプリンタ側も両方の製品誤差をキャリブレーションツールで吸収する必要があります。そうしないと「色が合わない」のループから抜け出せません。

最近の家庭用プリンタの性能は上級機種と大差ないところまで向上しています。上級機種に劣る精度をオリジナルのプリンタプロファイルで補うことで、上級機種同等の品質を引き出すことが可能になります。

プリンタは熟成された製品
メーカーが意図的に制限をかけてなければ安価な製品でも高品質です

経年変化で生じる誤差を補正できる

インクを交換した時にプリンタプロファイルを作成すれば、インク交換にともなう品質誤差やヘッドノズルの劣化に伴う狂いを吸収できます。校正頻度は「色がおかしくなっていたかな?」と思った時で十分です。

プロファイルを頻繁に作成してもインクの無駄ですよ!

他社製用紙でも正確な色で出力できる

プリンタドライバをインストールすると、多くのメーカーが「純正用紙ごとのプリンタプロファイル」が同時にインストールされます。出力時に使用する用紙と適切なカラープロファイルを設定すれば、おおよその精度でプリント出力できます。

しかし、他社製用紙を使用する場合はプリンタプロファイルが存在しません。

用紙メーカーがプロファイルを提供していることがありますが、お使いのプリンタ専用のプロファイルが提供されているとは限りませんよね。

そこで活躍するのがキャリブレーションツールです。

例えばキヤノン製プリンタでエプソン純正用紙で出力しょうともプリンタプロファイルは存在しませんが、オリジナルのプロファイルを作成すれば、未知の組み合わせでも正確な色で出力できるようになります。

紙を自由に選べて正確な色で出力できる!
一度体感したらやめられませんよ

最高品質で出力できる

筆者は現在、キヤノンMG7130を使用中です。

まだ MacOSX用プリンタドライバーが提供されているので使い続けていますが、仕様的なワナが仕組まれています。

▲ 用紙を「光沢プロプラチナグレード」選択時は品質で「高品質」が選択できます。

▲ 用紙を「写真用紙 光沢ゴールド」選択時は品質で「高品質」が選択できません!

廉価版の写真用紙で印刷する時「最高品質」が選べないのです。「最高品質で印刷したいなら高価な用紙を使用しろっ!」と言われている感じでイラっときませんか?

しかし、高価な用紙の設定で安価な用紙の組み合わせでプリンタプロファイルを作成すれば「メーカーのいやがらせ」を回避できます。この手法は効果絶大!

「最高品質」が選べるようになることで精細度が劇的に向上するので笑えるレベルですよ。

メーカーの規制を回避して下克上を楽しむ!
けっして違法ではありません(笑

印刷コストを低減できる

メーカーから提供されるプリンタプロファイルを使用すると、印刷用紙が特定されるため印刷コストがアップします。ここでもメーカーの戦術が見え隠れします・・・。

しかし、プリンタプロファイルが作成できればこの呪縛から解放されます。

たとえば写真品質を落とさずコストだけを落としたい時「エプソン写真用紙ライト<薄手光沢>400枚入り」や「FUJIFILM写真仕上げValue光沢L400枚」などの用紙を利用します。紙厚が若干薄くなりますが、品質が著しく低下することもありませんのでおすすめです。

そして、プリンタプロファイルを作成すれば印刷コストを削減できます。

純正指定用紙(予想値) 純正廉価用紙 FIJIFILM画彩
用紙 L判・写真用紙 <光沢>
500枚
エプソンD価格
¥2,357(税込)
@4.71円(税込)
L版・写真用紙ライト
400枚
アマゾン価格 ※20200413
¥1,236(税込)
@3.09円(税込)
L版・画彩光沢普通
400枚
アマゾン価格 ※20200413
¥1.109(税込)
@2.77円(税込)
インク カメ増量インク
エプソンD価格
¥7,678(税込)
約@17.95円(427枚印刷可)
カメ増量インク
アマゾン価格 ※20200413
¥5,921(税込)
約@13.86円
カメ増量インク
アマゾン価格 ※20200413
¥5,921(税込)
約@13.86円
L版1枚
印刷コスト
20.6円(税別)
22.66円(税込)
16.95円(税込) 16.63円(税込)

ちょっとビンボーすぎる性格ですかね?

導入コストを検証

EPSON SC-PX1V
90,000円前後
総額
90,000円前後
EPSON EP-882A
22,000円前後
i1Studio
58,000円
総額
80,000円前後

高性能な高級プリンターを購入するのはロマンですよね。

しかし、A3ノビの大サイズが不要で顔料インクのこだわりがなければ、安価なプリンターとカラーマネージメントソリューソンの購入も検討してみる価値がありそうですよね。

ロマンを求めて
高級機を買ってしまうことは否定しません

まとめ

プリンタプロファイルをオリジナル作成することで得られるメリットを挙げてみました。ご参考になれば幸いです。

最後までお読みただきありがとうございます

 

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