総額2,000円以下のプラレールで流し撮りを練習【コツや方法を紹介】

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Text/Photo:ちゃんまさ

撮影テクニックの一つに「流し撮り」がありますよね。スポーツやレース撮影などで活用すると写真に動きがを演出でき、躍動感が倍増します。本来、撮影技術をマスターするには「地道な練習」が必要ですが、プラレールを活用すれば自宅で流し撮りの練習や研究ができるようになります。これが思った以上に効果的だったのでご紹介します。

購入する部品はこれだけでOK

プラレールで流し撮りを練習するなら「レール」と「電車」が必要不可欠です。

引用:アマゾン

ネット検索すると、発売メーカーから初心者向けセットが販売されていますが、流し撮りの練習に不要な部品が含まれているためオススメしません。不要なパーツを排除して、コストダウンを図ります。

レールレイアウトはオーバルで十分

レールレイアウトは、単縦なオーバルレイアウトで十分です。直線区間とコーナー区間があれば、実践的な流し撮りの練習ができるからです。

1両タイプの車両が最適

車両は1両タイプから連結タイプまで、さまざまな電車が販売されています。鉄道ファンの方はこだわりがあるかも知れませんが、流し撮りの練習(ターゲット)に適しているのは1両タイプです。新幹線のような3両編成を購入しても、実際に練習で使用するのは先頭のみになります。

私が購入したものリスト

私が購入した部品リストをご紹介します。アマゾンで購入しました。

車両は、もっとも安価な1両編成「比叡電車 KF-04」を購入しました。鉄道ファンではないので、なんでも構いません。

プラレール 2倍曲線レール(4本入り)R-21 1個 455円 ※ネット通販A社(2023年1月時点)
プラレール 2倍直線レール(4本入り)R-07 1個 500円 ※ネット通販A社(2023年1月時点)
プラレール 比叡電車 KF-04 746円 ※ネット通販A社(2023年1月時点)
合計 1,701円

●プラレールの豆知識
2倍直線レールは4本入りですが、実際は2本しか使用しません。直線レール(4本入り)R-01を購入すればコストが抑えられますが、レール1本の長さが10cmと短い決定があります。2本連結すれば20cmになりますが、レールの継ぎ目で車両が振動するため、手ブレか振動ブレかが判断しづらくなります。

個人的には、継ぎ目のない2倍直線(31cm)が有利と判断しました。同じく曲線レール(4本入り)R-03も、コーナー区間の継ぎ目が少なくなる2倍曲線レールがオススメです。

  • 直線レール R-01=10cm/1本
  • 2倍直線レール R-07=31cm/1本
  • 曲線レール R-03=45度/1本
  • 2倍曲線レール R-21=90度/1本

●展開サイズ
展開サイズは、縦46.6mm×横89.7mm。テーブルの上に設置できるサイズ感になります。

車両加工

車両は、流し撮りのターゲットを貼り、手ブレの方向をわかりやすくします。

イラストレーターでテストチャートを作成し、プリンタで出力します。

プリント出力したテストチャートをカッターナイフで分割し、車両前後と側面に両面テープで貼ります。

流し撮りの予備知識

初めて流し撮りにチャレンジする人は、どのぐらいのシャッタースピードに設定すれば良いかわかりませんよね? 雑誌や報道の流し撮りは「撮れ高」と「確実性」を重視するため、1/15秒のような超スローシャッターは多用しません。

流し撮りとシャッタースピードの目安

1/1000秒以上 固まった写真領域
1/500秒 わずかにブレが生じ始める領域
1/250秒 雑誌や新聞などの流し撮り領域
1/125秒 流し撮りの第一歩
1/60秒 高速移動の被写体の定番
1/30秒 流し撮りの合格ライン
1/15秒 成功率が激減
1/8秒以下 宝くじに当たる感覚

しかし、趣味で流し撮りにチャレンジする場合、失敗しても責任は問われませんので、超スローシャッターの挑戦すべきでしょう。1/125秒あたりから練習を始め、最終的には「1/30秒で20%ぐらいのガチピン率」が撮影できる技術を目標にしたいところです。

撮影環境とカメラ設定

アイレベルの撮影を心がける

プラレールを床に置いた状態で撮影すると見下ろす感じの「俯瞰撮影」になります。実際の撮影は「アイレベル」に近く、サーキット撮影は「若干見下ろす感じ」で撮影することになります。そのため、極力目線を合わして撮影することが重要になります。

解決法は、プラレールは床に置かず、テーブルの上などに設置すること。座った状態で撮影するとアイレベルに近似した状態になります。

電子シャッターを選択

最近のミラーレス一眼カメラは、機械シャッターと電子シャッターが設定できます。流し撮りの練習は「電子シャッター」を選択することを推奨します。電子シャッターは「ローリングシャッター歪み」が発生するため、流し撮りでブレが生じた時「早く振りすぎ」とか「縦ブレしている」が判別しやすくなるからです。

AFモードは動体予測を選択

AFモードは、AF-CやサーボAFなど、動体予測モードに設定します。

連写モードはシングルを選択

流し撮りは、連写しても確率はそれほど向上しません。シングルモードで確実に仕留めることが重要です。連写モードを多用しても技術は向上しません。

シャッター速度は1/125秒からスタート

シャッター速度は、1/125秒から開始します。10枚ずつ撮影して、ガチピン率を計算します。ガチピン率が30〜50%に達したら、シャッター速度を1/3段ずつ遅くしていきます。

ファインダーにガイドライン表示

ファインダーにガイドラインを表示します。流し撮りする時「車両追尾の目安」や「水平維持」の確認に活用します。

手ぶれ補正モードは「流し撮り」用に設定

レンズに手ブレモード設定スイッチがあり場合「手ブレ用モード」に設定します。手ブレ補正モードは進行方向の手ぶれ補正をOFFにして、上下方向のみ作動する制御になります。そのため、進行方向の追従能力が品質向上の鍵を握ります。

練習開始!

ステップ1 真横の流し撮り

撮影のコツ(難易度:低)

流し撮りの基本は、アイレベルの真横からの撮影になります。

レンズをしっかり握り、ロール方向動きを極力ゼロにします。そして水平ラインを意識しながら、車両の動きに追従して「一定速度」でレンズを振り抜きます。

前後方向にブレない秘訣は、ファインダーに表示したガイドラインと車両のターゲット部分をズレないようにレンズを振ることが重要です。

▲シャッタースピード1/30秒でガチピンが撮影できた時の写真。車両に歪みはなく、背景がローリングシャッター歪みにより斜めに歪みます。この状態が合格。※135mm 1/30秒で撮影

▲車両速度よりレンズの振りが「速かった時」の写真。車両がロールングシャッター歪みにより進行方向寄りに歪みます。※135mm 1/30秒で撮影

▲車両速度よりレンズの振りが「遅かった時」の写真。車両がロールングシャッター歪みにより進行方向とは逆方向に歪みます。※135mm 1/30秒で撮影

▲斜め方向に手ブレした時の写真。チャートを見ると、ラインが斜め下方向にブレていることがわかります。※135mm 1/30秒で撮影

ステップ2 斜め方向の流し撮り

撮影のコツ(難易度:中)

レンズをしっかり握り、ロール方向動きを極力ゼロにします。そして水平ラインを意識しながら、車両の動きに追従しながら「車両先端をロックオンした状態」で「一定速度」でレンズを振り抜きます。

感覚的には真横方向の流し撮りと同じ感覚ですが、レンズを斜めに振る時、水平が狂いやすくなるので注意が必要です。

▲車両前方を支点にして斜め方向に流し撮りした写真。真横方向の流し撮りでは気にならなかった車両後方にブレが生じます。この写真が合格。※135mm 1/30秒で撮影

ステップ3 コーナーの流し撮り

撮影のコツ(難易度:高)

レンズをしっかり握り、ロール方向動きを極力ゼロにします。そして水平ラインを重視し、車両の動きに追従しながら「車両先端をロックオンした状態」で「やや加速気味」でレンズを振り抜きます。

コーナーの流し撮りは、車両前方と後方で動きの速度が異なるため、車両全体を止めることが困難です。一般的には、車両前方を支点にレンズを振ることが成功の鍵を握ります。

※真横方向の流し撮りより難易度が格段にアップします。

▲車両前方を支点にして流し撮りした写真。コーナーの流し撮りは、車両前方にピントが合うと、車両後方にブレが生じます。この写真が合格。※135mm 1/30秒で撮影

▲車両中心を支点にレンズを振ると、中心が止まり車両前後にブレが生じます。初心者の方が犯しやすいミスなので注意しましょう。※135mm 1/30秒で撮影

練習のコツ

同一周回方向だけを練習しない

練習の過程で「右回りが得意」「左回りが苦手」など、回転方向によって品質にバラツキが生じることがあります。流し撮りの練習は、必ず右まわり・左まわり交互でおこないます。片方だけで練習すると、逆まわりが苦手になる可能性があるので要注意です。

毎日練習すれば必ず上達

1日10分で構いません。定期的に練習することを推奨します。毎日の練習は、筋肉トレーニングも兼ねているからです。筋肉がつけばカメラのホールド性も高くなり、相乗効果で合致率が高くなります。

手ブレモードを試す

カメラメーカーによっては、流し撮りと手ブレモードの相性が悪い場合があります。なんとなく「ブレるな?」と違和感を感じたら、手ブレOFFを試してください。違うモードがあれば試してみましょう。

とくに斜め方向の流し撮りは、システムが対応しないメーカーがあるようです。違和感を感じたら手ブレOFFにした方が確率が高くなる可能性があります。

相乗効果

流し撮り練習は、複数のAFエリアを試してみましょう。動体撮影に向いたAFエリアを発見できたり、動体撮影に不向きなAFエリアを知ることができます。

流し撮りの作例

まとめ

プラレールを使った流し撮りの練習は、効果メキメン。みなさん、試してみてください!

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