車中泊のポータブル電源はEcoFlow RIVER Proがおすすめ【カメラマンの車中泊 1】

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アクセサリー

Text/Photo:ちゃんまさ

カメラマンのポータブル電源選び

ポータブル電源は、キャンプや防災用に購入する人が大半を占めるそうです。私の目的は「撮影を快適にしたい」という、一癖も二癖もある用途になります。ネット検索しても少数派だったので、思い切ってブログ記事にまとめてみました。

外出先のバッテリー充電と快適な車中泊を最優先

ポータブル電源選びで優先すべきは、カメラ関連用品やノートパソコンのバッテリーを安全かつ確実に充電すること。それだけなら有名メーカーの小容量(300Wh程度)タイプでも事足ります。

次に重視すべきは、車中泊を快適に過ごせること。写真撮影が中心なので、昼は撮影や移動を中心に活動し、夜になったら車中泊することで「ホテル宿泊費」を抑える狙いがあります。

最後に、車中泊するとき絶対に外せない装備が寒さ対策。秋から冬にかけてのシーズンは、車内が寒くなりがちです。快適装備として「電気毛布」をポータブル電源で利用したいと思っています。電気毛布の消費電力は50W程度であり、6時間使用すると300Wh消費する計算になります。300Wh程度のポータブル電源を購入すると容量不足に陥る可能性が高くなります。中型クラスの500Wh以上が欲しくなります。

真夏の車中泊は高コストで割りに合わない

引用:EENOUR

真夏の暑さを凌ぐためにスポットクーラーを導入する場合、最低でも200Wの電力を消費します。6時間使用すると1000Whの容量が必要です。1000Wh超えのポータブル電源は、サイズが大型になり価格も15万円を超えが必至。スポットクーラー本体も購入すると20万円超えの出費が必要です。

正直なところ「そこまでコストをかける必要があるの?」と意気消沈。夏季だけはビジネスホテルに宿泊した方が、快適かつコスト削減できると判断しました。

ポータブル冷蔵庫は、あれば便利ですが消費電力が大きくなる傾向。高性能なクーラーボックスを活用すれば事足りることなので、ポータブル冷蔵庫も除外したい装備リスト入り決定です。

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調理家電は極力使わない

カメラマンの車中泊は、翌日の撮影に備えて休息すること。空き時間にパソコンを使って撮影データのバックアップ、写真チェック、現像といった作業をおこなうことが中心です。

調理用家電の電力までポータブル電源1つで賄おうとすると電力が逼迫されます。食事については自炊せず弁当や外食に頼る方針です。そうすることで調理家電の購入や消費電力の増加を抑え込もうとする作戦です。

使用を避けたい高出力家電リスト
●電子レンジ
●ポータブル冷蔵庫
●スポットクーラー
●電気炊飯器
●ヘアドライヤー
●IH調理機器

個人的には、お湯を沸かせる程度の装備で十分だと考えています。

電気毛布の有無で容量選びが変わる

引用:椙山紡織

さきほど、電気毛布で一晩300Whの電力を消費すると算出しました。その他、デジカメ用バッテリーの充電やノートパソコンの利用を加えると、カツカツ500Whに収まる可能性も夢ではありません。扇風機(サーキュレーター)やLED照明は、バッテリー内蔵型を用意すれば、1回分の充電を削減できます。それでも、ギリギリのラインで余裕がありません。

プラスαの装備として暖かいコーヒーを飲めるぐらいの余裕を加えると、ケトル類は消費電力が大きい製品になりますが、利用時間が短時間なので消費電力を抑えることができます。

電化製品を「電気毛布・扇風機・電気ケトル・カメラ用バッテリーの充電・PCなど」に限定すれば「700Whの容量があれば快適に過ごせるハズ・・・」との結論に至りました。

2022年 ポータブル電源は第三世代へ

引用:Anker JAPAM

2022年、ポータブル電源を取り巻く環境は、第3世代「リン酸鉄リチウムイオン電池」に移行中です。新興メーカーがリン酸鉄リチウムイオン電池を先行採用し、新製品を続々リリース。実績のメーカーは三元系リチウムイオン電池を搭載した旧態モデルを継続販売している状況です。近い未来、有力メーカーも数年以内にリン酸鉄リチウムイオン電池を搭載した新製品を投入してくることが予想されます。

リン酸鉄リチウムイオン電池は、従来の三元系に比べ、耐久性や安全性が勝ると言われています。意識高い系の人にとっては「今三元系を購入するのは情弱」と揶揄されそうですし、余裕があるなら「待ち」の状態です。私もリン酸鉄リチウムイオン電池搭載モデルを購入するつもりでしたが、スペックを比較すると「三元系もありかな?」と心移りしました。

EcoFlow RIVERシリーズ

私が購入した製品は、EcoFlowというメーカーの「RIVER Pro」という製品です。EcoFlowが発売する製品は、おもに家庭用で利用する大容量シリーズ「DELTAシリーズ」と、キャンプや車中泊を想定した小型携帯タイプ「RIVERシリーズ」の2本立てです。

▶︎DELTAシリーズ(DELTA1000以上)
おもに防災用家庭用蓄電池 1000W以上の家電を確実に使用したい場合の選択肢

引用:EcoFlow Japan

▶︎RIVERシリーズ
携帯性重視で600W出力までが運用上限 ※単純な1200W機器は効率を落として動作する場合あり

引用:EcoFlow Japan

車中泊に適した製品は「RIVERシリーズ」になります。DELTAシリーズは、DELTA1000という比較的小容量な製品でも本体重量が14kgあります。私が購入した「RIVER Pro」は、Reverシリーズ大容量モデルになるますが本体重量7.6kgまで軽減できます。

大は小を兼ねますが、本格的すぎる装備も運用上の負担になります。カメラに例えると、毎日ロクヨンを持ち運んで撮影するようなものですから。割り切りも重要です。

EcoFlow RIVER Proが購入候補に挙がった理由

引用:EcoFlow Japan

競合製品の仕様を調査し、RIVERシリーズの中から「RIVER Pro」を選んだ理由を抜粋します。

大容量バッテリー(720Wh)搭載
1時間以内で0%〜80%まで急速充電できる ※1.6時間でフル充電完了
ACアダプターなしで充電可能

定格出力600W X-boostモードで1200W機器を(効率を落として)動作できる可能性あり
USB-C 100W出力

AC100V出力対応
正弦波出力対応

追加バッテリー接続して1440Whに増設可能
防災製品等推奨品マーク商品
パススルー充電対応
寿命800回+(80%の容量)

ACアダプターなしでクラス最速の高速充電できる点やAC100V出力に対応(他製品は110V対応の場合がある)している点は、RIVERシリーズ共通の魅力です。

AC充電が短時間で完了

RIVERシリーズ最大の魅力は「短時間でAC充電できること」につきます。約1時間で80%充電できる能力を備えており、実践的な追い充電なら1時間以内に充電を完了できるはずです。AC電源が借りられる時に、一気にフル充電できるメリットがあります。

競合他社の「BLUETTI EB70S」は、リン酸鉄リチウムイオン電池を採用した次世代モデルとして有望ですが、フル充電にACアダプター経由で約4時間かかります。RIVER Proは、ACアダプターなしで高速充電できる点は、未だ不動のポテンシャルと断言できます。

製品名 容量 充電時間 AC電源の有無 バッテリー 充電回数
ECOFLOW
RIVER Pro
720Wh 80%充電:1時間
フル充電:1.6時間
なし 三元系
リチウムイオン
800回以上
Jackery
708
708Wh フル充電:約5時間 あり 三元系
リチウムイオン
500回以上
BLUETTI
EB70S
716Wh フル充電:約4時間 あり リン酸鉄
リチウムイオン
2500回以上
EENOUR
P703
710Wh フル充電:約4.5時間 あり 三元系
リチウムイオン
500回

RIVER Pro最大のマイナス点は、三元系リチウムイオン電池の採用に尽きます。毎日使用するなら耐久性が3倍以上のリン酸鉄リチウムイオン搭載機が断然有利ですが、ポータブル電源を利用するシーンは、せいぜい年間20日以下のような気がします。

エネループは2000回以上の繰り返し充電に対応していますが、10年近く経過すると充電できないセルが発生します。リン酸鉄リチウムイオン電池を年間30回利用する場合、単純計算で80〜100年近く使えますが、実際に10年や20年使える実績や保証はありません。電源制御回路が先に壊れる可能性もあります。

個人的には「過放電したり高温状態にしない日頃の管理」が重要だと考えています。

また、三元系は火災の心配があると言われていますが、三菱重工がRIVER Pro同等品をオリジナルブランド「VOLTANK ML720i」としてOEM販売しているので、信頼性は高いと判断しました。

引用:三菱重工

電池負荷を軽減するAC静音充電モード

RIVER ProのAC充電は、初期設定で「急速充電モード」に設定されおり、約660Wの高出力でガンガン充電されます。充電中は冷却ファンが回り続けるため静粛ではありません。また「バッテリーに優しくない」と指摘する人もいます。

しかし、RIVER Proは静音充電モードも完備しています。充電電圧を約660Wから約110Vに抑え、バッテリーのストレスを抑えながら約6時間かけゆっくり充電することができます。

USB-C出力100W対応

私が使用しているMacBookProは13インチモデルでも61W出力のACアダプターが付属しています。カメラマンのポータブル電源選びでUSB-C給電のポテンシャルは重要項目になります。今後、パソコン買い替えも考慮するとRIVER Proが搭載しているUSB-C出力100W出力は魅力的です。

というのも、USB-Cが低出力の場合、ACアダプターからの電源供給だけでは不足し、内臓バッテリーを併用して駆動することになります。ノートパソコンの寿命が短くなるので「避けたい行為」になります。

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EcoFlow RIVER Pro の注意点

使用できる可能性の高い電化製品
●ドライヤー
●電気ケトル
●トースター

X-boostモードは、本体出力600Wでありながら1200Wまでの電化製品が使える機能を搭載しています。ただし、消費電力はあくまでも600Wなので、1200W本来のポテンシャルは発揮できません。

電気回路を含む高性能な家電、高出力がないと起動できない製品は動作しない可能性が高くなります。1000W以上の家電を正常に使いたい場合は、家庭用蓄電池「DELTAシリーズ」の中でも「DELTA1000(¥129,000円)」以上の製品が必要です。

もう一つの注意点は、RIVER Proにエクストラバッテリーを装着して容量を1440Whにアップした場合も、本体出力600Wにかわりありません。エクストラバッテリー増設を前提にするなら、1000W以上の家電が確実に使えるDELTA1000を購入した方が幸せになれると思います。

RIVER Pro+エクストラバッテリー DELTA 2
価格 ¥128,200円 ¥143,000円
容量 1,440Wh 1,024Wh
重量 14.7kg 12.0kg
AC出力 600W(サージ1,200W) 1600W(サージ1,900W)
寿命 800回 3000回

EcoFlow RIVER Pro の購入場所

引用:EcoFlow Japan

River ProはEcoFlow Japan公式オンラインストアで購入しました。頻繁にセールを開催したり、メルマガ登録すると初回割引クーポンなどが発行されるので、これらをフル活用するとお得に購入できます。私もセール&クーポンを利用してお得に購入できました! 送料無料ですよ。

EcoFlow Japan公式オンラインストアはこちら

EcoFlow Japan公式ストア

EcoFlow Japan公式オンラインストア
Amazon EcoFlow Japan
●EcoFlow PayPayモール店
●EcoFlow 公式楽天市場店

EcoFlow RIVER Pro 開封の義

梱包

▲商品元箱は、白ベースなオシャレな雰囲気です。

製品外観

▲商品正面の外観。外装は無塗装のプラスチック製ですが、チープな雰囲気は感じさせません。

▲横側の外観。こちらの面は充電量AC100Vポートと太陽光パネルの入力ポートがあります。

▲横側の外観。こちらの面はAC100V出力が3ポート並びます。下部にはエクストラバッテリー接続用ポートがあります。上部開口部は、本体冷却用ファンの送風口です。

▲液晶画面を表示。出荷時に31%の電力が充電済みでした。

付属品

▲付属品のケーブル類と取り扱い説明書。他社製品の中には、太陽光パネル接続用ケーブルやシガーポート接続用ケーブルが別売りの製品もありますが、EcoFlow RIVIER PROは標準装備されます。

EcoFlow RIVER Pro を起動してみた

RIVER Proは、上面中央の電源ボタンを押すだけで起動できます。まずはスマホにEcoFlowをインストールして、本体ファームウェアを確認します。最新ファームウェアが公開されている場合は、スマホ経由で更新します。

私の個体は、ファームウェアをVer1.2.5.17に更新して最新状態になりました。

アプリで設定できる項目

充電レベル 30〜100%
シガーソケット入力 4A/6A/8A
AC低速モード ON/OFF
DCモード 自動/ソーラー充電/シガーソケット充電
ビープ音 ON/OFF
周波数(AC100V出力) 50Hz60Hz
自動ファン速度 ON/OFF
システム待機時間 30分/1時間/2時間/6時間/12時間/通常稼働
画面待機時間 10秒/30秒/1分/5分/30分/通常稼働
AC待機時間 2時間/4時間/6時間/12時間/24時間/通常稼働

EcoFlow RIVER Proを使ってみた

カメラ用バッテリーを充電

ソニーα用バッテリー「NP-FZ100」を、USB-Aポート経由で充電してみました。

電力容量スペック:16.4Wh(2,280mAh)

River Proの消費電力は6W程度。大雑把な計算ですが、本体フル充電なら約39回充電できそうな予感です。

Mac Book Pro を給電

MacBook Pro 13インチ(2018)は、58Whのリチウムポリマーバッテリーを内蔵し、61WのUSB-C電源アダプターで駆動します。River ProのUSB-Cポートは100Wまで対応できるので、MacBook Pro 13インチも安定駆動できます。

River ProとMacBook Pro をUSB-Cポート経由で給電すると「給電モード」で動作します。消費電力は5~10W消費と表示され、Youtubeを全画面で鑑賞すると、消費電力は10〜20Wへアップします。

単3電池充電

単3充電池を、AC100Vポート経由で充電しました。

RIVER Proの消費電力は6W程度。急速充電タイプの充電器でしたが、まったく問題ありません。

車中泊しないなら小容量タイプで十分

短期間の車中泊や家電を使用しないなら安価な小容量タイプで十分です。車で移動中、シガーケーブル経由で充電したり太陽光充電を賢く活用すれば、小容量を補うことができます。300Wh前後の製品なら3万円前後で購入できるので、一気に敷居が低くなります。

人気メーカーにJackeryがあります。「Jackery 400」も候補に挙げようと思いましたが、USB-Cポートがなく、バッテリーも三元系ということで、今回の趣旨では割愛しました。

Anker 521 【256Wh/500W】

5年保証が嬉しいアンカーポタ電の最新作

●メリット
リン酸鉄リチウムイオンバッテリー搭載した最新モデル。寿命3000回以上。正弦波、5年保証が魅力。USBボート3ポート(タイプA×2、タイプC×1)、AC出力×2搭載。2021年7月発売。

●注意点
USB-Cポートは最大60W出力。ノートパソコンの機種によっては電源が足りない恐れあります(※パソコン用のACアダプター経由で使用できますが荷物が増えてしまいます)。AC出力が110Vなのも残念な点。

BLUETTI EB3A 【268Wh/600W】

家電を使わないなら大本命!? サブでマジ欲しいリン酸鉄仕様の最新ポタ電

●メリット
リン酸鉄リチウムイオンバッテリー搭載した最新モデル。寿命2500回以上、AC100V出力、USB-C100W出力、正弦波、ACアダプターなし、約1時間で80%充電できるところも魅力。USBボート3ポート(タイプA×2、タイプC×1)、AC出力×2搭載。2022年6月発売。

リン酸鉄リチウムイオンバッテリー搭載したポータブル電源なのでカメラマン向けに最適なスペックです。モバイル充電やノートパソコンを利用するための機能がフル装備です。

●注意点
リン酸鉄リチウムイオンバッテリー搭載したモデルとしては保証期間が2年と短い。シガーソケット充電ケーブルや太陽光パネル用充電ケーブルが別売り。両方買うと4000円近い追加出費が必要。

購入後のトラブルと解決方法

RIVER Proを購入して約2ヶ月が経過しました。三元系バッテリーということで敬遠されがちですが、使い勝手抜群で欠かせない存在になっています。

使用途中「充電時間が異様に早く終了する」という症状が現れました。残量50%の状態から、ソーラー充電1時間で完了するのです。

メーカーに問い合わすと「アライメントが狂ってる」と言われ、下記の対処法を教えていただいたのでシェアしようと思います。

解決方法1

1、電源ON
2、ライトボタンとDCボタンを同時に約10秒間長押し

解決方法2

1、容量表示を無視して完全放電
2、フル充電する

私の個体は、解決方法1で解決しました。

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この記事を書いた人
ちゃんまさ

雑誌編集部勤務を経て、個人制作会社を設立。30年以上にわたり雑誌取材、企業の企画執筆・写真撮影・TV番組の撮影などに従事。業務で得た経験や知見をもとに、カメラ・写真レタッチ・動画編集・商品レビューなどの情報を発信します。

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