2023年9月27日、DxOはFilmPackの最新版「FilmPack 7」をリリースしました。FilmPackといえば銀塩フィルムで撮影した「色調やノイズ感」といったアナログテイストが簡単に再現できるため、新バージョンの登場を待ち望んでいた人も多いのではないでしょうか?
DxO FilmPack 7は、デジタルカメラで撮影したデータに「200年におよぶアナログ写真の歴史」を再現できる機能に22種類の新規エフェクトが追加されました。また、富士フィルムやニコンのカラーサイエンスを、他社カメラで撮影したデータに反映できるエフェクトを搭載しました。
いちはやく新機能の説明や簡単なレビューのほか、30日間無料で試用できる体験版の入手方法や、DxOウェブサイトからの購入方法をわかりやすく解説します。
Text:ちゃんまさ Photo:DxO/ちゃんまさ
DxO FilmPackとは?
DxO FilmPack 7 無料体験版 ▶︎ DxO公式サイト
DxO FilmPack 7を購入する ▶︎ DxO公式ショップ
FilmPackの特徴をひとことで表現するなら「デジタルカメラで撮影した写真に銀塩写真の色味や粒子感をプラスできるソフトウェア」になります。
運用スタイルは、DxO FilmPack単体または対応ソフトウェア(Photoshopなど)からプラグイン経由でエクスポートできます。RAW現像ソフトにDxO FilmPackを加えることで、色の表現力が格段に向上します。
DxO FilmPack 7 が登場
DxO FilmPack 7の販売価格やアップグレード価格、新機能が判明したので紹介します。
価格
DxO FilmPack 7の価格は、新規価格14,900円、アップグレード価格8,900円で販売されます。
DxO FilmPack 7 | 14,900円 |
DxO FilmPack 7 アップグレード版 |
8,900円 ※DxO FilmPack6ユーザー対象 |
アップグレードの対象
特別アップグレード価格は「FilmPack 6ライセンス保有者」が対象になります。
OS対応
DxO FilmPack 7は、Windoes用とMacOS用が用意されています。
対応バージョン
・DxO FilmPack 7 Windoes用 → Windoes10以上
・DxO FilmPack 7 MacOS用 → macOS 12.6.8 (Monterey)以上
※2023年9月時点
ライセンス
DxO FilmPack 7は、サブスクリプションではない「買い切り型」のため、一度購入すればバージョン7を永続利用できます。最大3台のコンピュータにインストールでき、Windoes用とMacOS用の両方を使用できます。
※ライセンス認証に際してはインターネット接続が必要です。
DxO FilmPack 7 無料体験版の入手方法
DxOウェブサイトから、30日間試用できる「無料トライアル版」をダウンロードできます。機能に制限はなく保存することも可能です。
無料体験版の入手方法を解説
DxO Labsアプリの無料体験版の入手方法を、初心者向けに詳しくまとめたブログ記事を作成しました。こちらからアクセスできます。
DxO FilmPack 7 の新機能
新規追加されたレンダリングは下図の通り。
タイムマシーンモード | 22種類の歴史的レンダリングを採用 |
フィルムレンダリング | 5種類のアナログフィルムレンダリングを搭載 |
デジタルレンダリング | 20種類のデジタルレンダリングを搭載 |
機能1:ピンポイント調整できる明度マスクの採用
DxO FilmPack 7は、新機能として「明度マスク」を採用しました。これにより、部分的な領域の「露出、色、コントラストなど」の微調整が可能になり、狙い通りのレタッチが可能になります。
明度マスクの使い方とレビュー
▲バンコク中華街(ヤワラート)で撮影したトゥクトゥクの写真です。フィルムルックで「富士フィルム・ネオパン1600」を適用したら看板のハイライトが飛んでしまいました。新機能「明度マスク」を使い階調の復元にチャレンジします。
▲設定タブを選択し、諸補正ツールの明度マスクを有効化します。マスクの選択範囲を中間域からハイライトにかけてを選択。明度マスク選択箇所のみ明るさを抑えるパラメーターに変更しました。
▲明度マスクを使ったレタッチの作例です。露出オーバー気味だった電光看板の階調を復元。全体の明るさには手を加えず、ロー基調のモノクロ写真に仕上げました。
機能2:200年前の写真のテイストを再現
アップグレードされたタイムマシーンモードは、過去に著名な写真家が残した作品ルックを、自分の写真に適用できる機能です。DxO FilmPack 7 は、新しく 22種類の歴史的な写真ルックが追加されました。その合計は94種類になり、簡単な操作で適用できます。
タイムマシーンモードの使い方とレビュー
▲プリセットのタイムマシーンから、1827年、写真家のニエブスが撮影した作品ルック「1829-ニエブス」を適用。銀塩フィルムの粒子感や光被りしたクラシカルな雰囲気を再現できました。細かくレタッチすることも可能ですが、プリセットを適用しただけで十分満足な仕上がりです。
機能3:フィルムレンダリングとデジタルスタイルを追加
DxO FilmPack 7は、下記フィルムの新規追加により89種類のフィルムシミュレーションが実現できます。簡単操作で、忠実度の高い銀塩カラーフィルムや銀塩モノクロフィルムのアナログレンダリングが楽しめます。
また、DxO FilmPack 7は、カメラメーカーのカラーサイエンスを解析し、デジタルレンダリングを実現しました。今回新たに、富士フィルム製カメラとニコン製カメラの新しいスタイルを追加し、他社カメラで撮影したデータに反映できるようになりました。
FilmPack 7に追加された銀塩フィルムのレンダリング
・Cinestill Redrum 200
・LomoChrome Metropolis 200
・Lomography Redscale XR 200
・Berlin Kino B&W 400
・Earl Grey B&W 100
デジタルカメラのレンダリング
・富士フィルム
・ニコン
フィルムレンダリングの使い方とレビュー
▲プリセット・カラーフィルムからリバーサルフィルム「コダック・コダクローム64」ルックを適用。当時、コマーシャル用フィルムといえばコダクロームが定番でしたね。
▲プリセット・モノクロフィルムから「コダック・T-MAX400」ルックを適用。大変お世話になったフィルムです。長尺フィルムを購入し、パトローネに詰め替えて自家現像しました。
▲プリセット・カラーフィルムから派手めの発色に定評があるリバーサルフィルム「富士フィルム・ベルビア50」ルックを適用。ポートレートで本領を発揮するフィルムですね。
▲プリセット・カラーフィルムから「コダック・コダクローム64」を適用。満月の明かりに照らされた夜空と雲を、マイクロコントラストと微細コントラスのパラメーターを調整し、ダイナミックな空を演出しました。粒状感を加えてリバーサルフィルムの質感も再現しました。
デジタルレンダリングの使い方とレビュー


DxO FilmPack 7 の画像形式
インポート | RAW形式・TIFF形式・JPEG形式 |
エクスポート | TIFF形式・JPEG形式 |
FilmPack 7 のメリットとデメリット
RAW現像ソフトとして定評があるPhotoshop Camera RAWやLigihtloomですが、発色については満足できないという声を聞きます。
▶︎メリット
DxO FilmPack 7は、PhotoshopやLigihtloom Classicのプラグインを経由して、記憶色志向のカラー表現ができます。
▶︎デメリット
DNG形式で書き出せないこと。DxO FilmPack 7で前処理してからPhotoshopやLigihtloomにDNG形式でエクスポートすることはできません。
DxO FilmPack 7 の購入方法

DxO FilmPack 7 | 14,900円 |
DxO FilmPack 7 アップグレード版 |
8,900円 ※DxO FilmPack6ユーザー対象 |
購入方法からインストールまで解説
DxO Labsアプリの「購入方法・アカウント登録方法・インストーラーの入手方法・インストール方法」を、初心者向けに詳しくまとめたページを作成しました。こちらからページにアクセスできます。
※PureRAWを例に解説していますが、方法や手順は共通です。
DxO Labsセール情報
DxO Labsアプリのセール情報を詳しくまとめたページを作成しました。こちらからページにアクセスできます。
DxO FilmPack 7 のシステム要件
DxO FilmPack 7を快適に扱うためには、高スペックのパソコンが必要です。プレビューやノイズ処理「DeeppPRIME XD」が許容できる時間内で書き出せることをご確認ください。
DxO FilmPack 7 Windows ※2023年9月現在 | ||
最小 | 推奨 | |
OS | Windows10 バージョン 20H2 がサポートしているもの | |
CPU | Intel Core または AMD Ryzen (4 コア) |
Intel Coreプロセッサまたは AMD Ryzen (8 コア) |
ディスプレイ | 1280 x 768 | 1920 x 1080 |
システムメモリ | 8GB | 16GB |
グラフィック | NVIDIA RTX2060、AMD Radeon RX 6600 および最新ドライバ | |
ディスク | 4GBの空き領域があるハードディスク | 4GBの空き領域があるハードディスク |
DxO FilmPack 7 MacOS ※2023年9月現在 | ||
最小 | 推奨 | |
OS | macOS 12.6.8 (Monterey) | macOS 12.6.8 (Monterey) |
CPU | あらゆる CPU | M1 |
ディスプレイ | 1280 x 768 | 1920 x 1080 |
システムメモリ | 8GB | 16GB |
グラフィック | Intel® Macs with M1 または AMD Radeon Pro RX5700 |
|
ディスク | 4GBの空き領域があるハードディスク | 4GBの空き領域があるハードディスク |
引用:DxO FilmPack 7 のシステム要件
最小システム要件は、すごくハードルが低く、グラフィックボードも10年前のもので動きそうな印象ですが・・・。実際は、このスペックのパソコンでは快適な処理はおこなえません!
Windowsの推奨スペックは、6コアCPUとRTX2060という高めのスペックが推奨されます。
プラグイン対応アプリケーション
・DxO PhotoLab 4, 5, 6
・Adobe Photoshop CC 2021, 2022, 2023
・Adobe Photoshop Elements 2021, 2022
・Adobe Photoshop Lightroom Classic 2021, 2022, 2023
まとめ
RAW現像ソフトとして定評があるPhotoshop Camera RAWやLigihtloomですが、発色については満足できないという声を聞きます。
そのような時、DxO FilmPack 7へエクスポートすることで、ワンランク上の色を再現できます。富士フィルムのカラーレンダリングを他社カメラで撮影したデータに反映できる点も魅力です。
Adobeカラーに満足できない人に、おすすめするソフトウェアです。
DxO FilmPack 7 無料体験版 ▶︎ DxO公式サイト
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