【レビュー】現役7R4ユーザーがα7R5を1週間試用・購入した感想

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カメラ

Text/Photo:ちゃんまさ

発売間もないα7R5を1週間借りることができました。現役α7R4ユーザーである私が実際に使って感じたことをまとめてみました。購入の参考になればうれしいいです。

追記 実際に購入しました!

私の撮影スタイル

私はおもに、600mm以上の望遠レンズを使い、飛行機写真や月城写真を撮影しています。その撮影スタイルなら「α1を使えよ!」と言われそうですが、残念ながら高額な最新機材を購入するだけの資本力を備えていません。

飛行機写真は、基本的に840mm相当のレンズを装着して手持ち撮影。月城写真もゴツい三脚に840mm相当のレンズを装着して、高ISO&スローシャッターで運用しています。

私がα7R4に求める性能は、高画素機ならではの「トリミング耐性」です。その代償に、連写時の追従性は芳しくなく、若干ストレスを感じながら運用中です。ノイズに関しては、ソフトウェアによる後処理が前提になります。

自分でもかなり偏った使い方だと思います。

あくまでも私の主観ですので、すべての人に該当するとは限らないことをご理解ください。

α7R V の第一印象

何も考えずにα7R5のグリップを握り、各部の造りをチェックした私なりの第一印象を述べようと思います。

重量

α7R5を触った第一印象は「重くなった!?」でした。重量を調べてみると、使い慣れたα7R4は580g、α7R5は638g。その差「58g」ですが、握った感覚はα1に類似する重量感を感じました。2台を並べてみると、僅かですがα7R5は厚みが増えています。

操作性

操作性は、αシステムを踏襲したボタン&ダイヤル配置になっています。しかし、若干ですがボタン配置が小変更されています。大きな違いはRECボタンの配置です。

α7R4は、RECボタンがファインダー右下に配置されていましたが、α7R5は従来のRECボタンにC1ボタンが配置されています。α7R5のC1ボタンは、α7R4のRECボタンの位置に変更されました。

また、α7R4の露出変更ダイヤルは単一機能として動作しましたが、α7R5は自由にカスタマイズできるようになりました。

メディア蓋の開閉

α7R4のメディア蓋は、開閉時に親指でスライドするだけの1アクションで開閉できました。α7R5は、ロック機構が新設され、親指でロックを解除し、蓋をスライドする2アクションに変更されました。

液晶画面

液晶画面は、α7R4はチルトのみでした。α7R5は、チルトとバリアングルを融合したシステムに変更されました。

HDMI出力

HDMIポートは、α7R4はマイクロでした。α7R5は、タイプAに変更されています。蓋の開閉部分も、ヒンジタイプに仕様変更されていました。

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α7R V 進化したAF性能

ズバ抜けた被写体捕捉性能と正確性

α7R5で劇的に進化した点はAF性能です。α7R4は映像エンジンBIONZ XのみでのAFを制御していました。α7R5は、BIONZ XR2個とAF専用プロセッサー「AiAF」で制御される仕組みに変更された点に注目です。

600mmGM中心にテストしましたが、戦闘機や鳥の飛翔シーンでもフォーカスは余裕で合致します。個人の主観ですが、α9のAFを超えたのではないでしょうか? ピントを外すシーンは、急いでカメラを構えてシャッターボタンを押した時ぐらい。AFがトラッキングした状態でシャッターボタンを押せばおおよそガチピンで撮影でき、僅かに外したカットも多くは許容範囲に収まります。

AFが位相差的挙動に進化

従来までのAFシステムは「位相差+コントラスト」を併用した仕組みが採用されてきました。α7R Vも「位相差+コントラスト」を採用していますが、より位相差を重視したアルゴリズムに変更されています。

α7R4は、エリア内のどこにピントが合致するか掴みづらい特性があり、測距エリアを広くすると神頼みの感がありました。α7R5は、位相差重視に変更されたため「測距エリア内の手前」にピントが来る傾向に変化しました。

ただし、フレーム内の奥行きが広いカットの時、ごく稀に奥にピントが合致することもあります。AiAFは初搭載されるシステムなので、今後の熟成に期待したいところです。

α7R V 連写フィーリングが向上

ブラックアウトするが実用レベル

α7シリーズで連写を求めるのは邪道かもしれません。α7R5は、α1やα9のような積層型センサーではないため連写時にブラックアウトが発生します。α7R4は、連写時の表示がHi +は撮影結果が表示されるため画面がコマ送りのように表示され、高速飛翔する鳥などは追従できません。ライブビュー表示可能な連写Hiに設定すると、最高コマ数は10コマから8コマ(JPEG時)へ低下します。残念なことに非圧縮RAW設定時は6コマ秒まで低下します。

α7R5で期待した部分ですが、残念ながら非圧縮RAW撮影時にコマ数が低下する仕様は改善されていませんでした。

しかし、連写Hi時のファインダー像は、ブラックアウトするものの表示品質が改善され、戦闘機や鳥の飛翔シーンでも連写追従できるようになりました。α7M4の連写モードに類似した感覚と同じです。動体撮影にα1やα9が優位なことは承知していますが、高画素機のα7R5でも連写Hiであれば連写できる点は大きなアドバンテージになりそうです。

意外と知られていませんが、キヤノンも連写時にライブビュー表示できるのは8コマ秒が上限。キヤノンが優っているのは、RAW撮影時でも8コマ秒で撮影できること。ソニーさんには、次モデルこそ連写速度が低下する問題を改善してほしいと願います。

【α7R5の連写性能】検証テストでわかったリアルな連写速度と注意すべきポイント

自由度が増した操作性

被写体認識のON・OFFをカスタムボタンに設定

α7R5を操作して最初に感じたことは、被写体認識のON・OFFと被写体選択の変更を頻繁に行う機会が増えそうな予感です。α7R4にはなかった操作です。そのため、被写体認識のON・OFFをカスタムボタンに配置する必要があります。

私の場合、C1ボタンに被写体認識のON・OFFを配置しました。

旧露出補正ダイヤルをISO用に変更

露出補正ダイヤルは、使用頻度の少ないダイヤルでした。α7R5は、自由にカスタマイズできるようになったので「ISO」に変更しました。

600mmのような超望遠の場合、明るさや絞りは一定の場合が多く絞りやシャッタースピードを変更する余地がありません。明るさはISOで変更するため、ダイヤル操作でISO変更できるのは嬉しい限りです。また、マニュアル設定時でも「ISOオート」に変更すればオート撮影可能です。これは便利です。

α7R V 最高レベルのファインダー

α7R5のビューファインダーは、設定項目に「縮小」が追加されました。私は眼鏡を利用しているためα7R4のファインダーでは、ケガレが生じて四隅を確認できませんでした。

α7R5の縮小表示は、ニコンのハイアイポイントに類似した効果があり、眼鏡をかけた状態でも四隅をしっかり確認できます。

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α7R V 画質

α7R5をお借りした時点でアドビソフトがRAWデータに対応していません。そのため、他のソフトウェアでコンバートしてPhotoshop等に取り込んでいるため、正式な画質チェックでないことをご了承ください。

センサーは7R4と同じ

α7R5の撮像素地は、α7R4と同じ6100万画素センサーと公表されてます。センサーが同じなら画質は同じはずですよね? 両カメラで撮影したデータを比較すると似たテイストなので、他カメラを使用しているユーザーにとっては同じに見えるかもしれません。

しかし、長年α7R4を使用したユーザーにとっては「違うな」と予感させるものです。JPEGの解像感は類似していますが、RAWデータを現像する場合、調整パラメーターが明らかに異なります。

解像感が増した印象

▲α7R5+FE600GM 非圧縮RAW撮影(ISO1000 高感度NDオフ)※画像クリックで拡大

RAWデータを比較する場合、α7R4は高感度NDがRAWデータにも反映される仕様でしたが、α7R5は完全オフできるようになりました。α7R5のRAWデータは、レンズ補正以外はクリアなデータになります。

α7R5のRAW撮影時、高感度NDをオフにするとノイズ感は増加しますが、ノイズディダクションによる解像度低下が抑えらたような気がします。ソフトウェアで巧みなノイズ処理できれば解像は増加しますが、知識がないとα7R4(高感度NDオン)のデータに劣る可能性があります。

JPEG撮って出し

▲ISO100 JPEGエクストラファイン ※画像クリックで拡大
左:α7R5(高感度NDオフ) 右:α7R4(高感度ND弱)

類似した描写ですがα7R5の方が僅かにシャープな印象です。α7R5は高感度NDオフですが、さほど高感度ノイズは気になりません。

▲ISO1600 JPEGエクストラファイン ※画像クリックで拡大
左:α7R5(高感度NDオフ) 右:α7R4(高感度ND弱)

高感度NDオフのα7R5は、カラーノイズが多く感じます。JPEG撮影時は高感度NDオンが良いかもしれません。

メジャーソフトの対応待ち

α7R5のRAWデータの評価は、メジャーソフトの正式対応後に評価すべきだと思います。イレギュラーな方法で画質評価しても不毛なので、現時点はこの程度に控えておきたいと思います。

α7R V ストロボ撮影時のレスポンス向上

十分検証できていませんが・・・

私がニコンからソニーへシステム移行した時、すごく違和感を感じたのがストロボ撮影時のレスポンスの悪さでした。

詳細なテストは行えていませんが、改善されているようなので期待が膨らみます。GODOXなどでも高速化されているのか気になります。

α7R V フォーマット高速化

悪夢のフォーマットが一瞬で終了

α7R4でストレスを感じたのがフォーマット時間の長さです。5秒ぐらいですが、意外とイライラするんですよね。

α7R5は一瞬で終わります。時間にして1秒以内。感動ものです。

α7R V の気になる点

バッテリー消耗が激しい

α7R5は映像エンジンとしてBIONZ XR2基とAiAFプロセッサーを搭載しています。そのためバッテリー消費が格段に激しくなりました。FE600GMとの組み合わせでは、頻繁に電源OFFしましたがバッテリー1本で半日程度しか持ちませんでした。私の主観では、α1同等、もしくは悪化しているかもしれません。

予備バッテリー必須です。

非圧縮RAWで連写速度低下

キヤノンさんはRAW記録時でも連写速度は低下しません。改善を望みます。

α7R V の魅力的な機能を独自解説(リンク)

【ピクセルシフトマルチ撮影】SONY α7R5の魅力的な機能をフル活用する方法

【BULBタイマー】SONY α7R5の魅力的な機能をフル活用する方法

【ブライトモニタリング】SONY α7R5の魅力的な機能をフル活用する方法

【ファインダー倍率:縮小】SONY α7R5の魅力的な機能をフル活用する方法

【フォーカスブラケット&深度合成】SONY α7R5の魅力的な機能をフル活用する方法

結論

買いの一言です!

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